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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
小説というより画集と言ったほうがいいかな。
メインはイラストの方だと思います。
オールカラーだし。
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夢野久作さんがすき!
ホノジロトヲジさんのイラストも好き!
な、私にとってこんなにも嬉しい本はないです。
ありがとうございます…!!
*
挿絵は20枚ほど収録されていて、全て描き下ろしです。
見開きページの迫力、美しさは息を呑むほど…。
各ページによって文字や紙の色に違いがあって、ページをめくるたびにドキドキしました。
描かれる無人島の兄妹は西洋のお人形風で華奢な美男美女。
耽美で繊細な線や色合いから、彼らの住まう無人島が現世から切り離された小さな楽園。という世界観も、鮮烈に伝わってきます。どちらかと言うと、あまり夢野久作作品からは想像もつかないような雰囲気なので読む人によっては違和感を感じるだろうけど、好きか嫌いか。そこだけは好みの問題でもあるのかなぁ…と思いました。
イラストレーターさんが約90年も昔の作品を新たな装いで、現代に再び蘇らせてくれた…!この本を通して、夢野久作作品に興味を持つ人がもっと増えてくれればいいなぁ。
他のシリーズの作品も気になってきたので、
また手に取ってみようと思います。
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乙女の本棚シリーズ好き。
それにしても、何でこの作品を選んだのだろう。
昭和初期の文学作品と、現在活躍しているイラストレーターのコラボ。
それが、作品を興味深く見せている。
きっと、この構成でなければ
受ける印象が違うんだろう。
二人の関係は…。禁じられて…?この後は…?
余韻を残します。「猟奇」に初出だそうです。
猟奇…。
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絵やレイアウトがかなり良い感じで、短い文章に隠された意味やら何やらを色々考える良いきっかけになった。
絵や文の開け方が秀逸。文章のみで読んでる時よりかなり意味深に思えるシーンが多い。
絵は表紙だけでなく中身の挿し絵も優秀で、昨今の流行りに乗った絵師セレクト(刀剣乱舞絵師)の割にマッチしてます。時系列的に並べた場合、最初、白かった二人の服が黒くなっているところが何とも意味深ですね。
映画ドグラマグラのパッケージみたいなグロテスクな方面より、こういう方面の方の絵が好みなので増えてほしいが、無理だろうなぁ。夢野の作品全編このタッチの挿し絵付けても問題ないと思いますけどね。絵が清廉さを出してるだけに内容のグロテスクさがより浮き立つというね。
生憎と刀剣乱舞の誰を担当していたのかは全く検討は付かないけど。
友成純一みたいな夢野久作信奉者がグロテスクな小説ばっかり書いてるから、異形色の強い作家と思われやすいけど、こういう方面の話も割とあるんだよね。中二病的というか、現実を美化しすぎた話というか、耳年増というか、文学に耽溺しすぎた高校生向けというか、現実を舞台にした現実ではあり得ないファンタジーな小説とか好きそうな人向けなね。
全集やら何やらで怪奇色を強くし過ぎたのが原因だろうけどここまでいっこもこういう方面の表紙なかったよね。
近々で出た東京創元社の文庫「少女地獄」の表紙もそこまでグロテスクさはないけど、微妙。ここまで思い切って現代人向けにしてるのはそうない。とは言っても、表紙だけそれっぽくするだけでは買うまでは至らないかなぁ。
ちなみに、文豪とアルケミストに夢野久作出たのは、2018年2月あたりで、アレに出たからこの本が出来た訳ではないらしい……こちら(2017/12)の方が早い。まあ、文ストにはとっくに出てはいるが。あれも相変わらず狂気色の強いキャラだったな……。
「乙女の本棚」に、このセレクトはどーよ?恋愛的なものなら「あやかしの鼓」とかあるのでは?とは確かに思うが、禁断の恋の嘆きを神様にぶつけるなんてのは、少女マンガにありがちなテーマではあるからそれかなぁ。カバーはずすと十字架が刻まれてる辺りもなおさらそんな感じ。ここらの感性は明治の文豪なんかよりも現代の感覚に近いものがあるわな。(多分この絵だと「悪魔」が性欲的な意味というより恋愛的なものにとられる。……いやそういう意味なのかな……子供の頃はただの仲良しだったのが成長するに従って…的な?少女マンガかよ……まあ、絵師はそういう意味込めてそうではある。時間経過に従って制服になってるし)。
図書館の夢野久作棚にあったのを見つけたけど、貸出禁止資料だったので買う羽目に……。ジュンク堂で何故か特典イラストカードが付いてたな……。
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オッサンだけど読んでみた乙女の本棚シリーズの一冊。ちょっと古い映画ですが「青い珊瑚礁」の兄妹版か。絵がキレイだ。
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既読でしたが、最初の海洋研究所への手紙でこの3本の瓶が密閉されたまま同時に島から研究所へ送られたと思い出しはっとしました。瓶の手紙はあの時点ではどれも関係者には読まれていなかったのですね。再読でも構成の妙に感嘆します。ホノジロトヲジさんのイラストは本当に幻想的で、初読の自分が思い描いたものとはかけ離れていますがこれはこれで素敵だと思います。1ページ1ページ、とても新鮮な気持ちでめくりました。夢野久作という名前だけでハードルが高いと思われていた方がこれを入り口にするのもいいのかもしれません。
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過不足の無かったはずの楽園が、時を経て性徴という魔力を前にじわじわと崩壊していく様の、うつくしさと残酷さ。
そして、神の目から逃れるように、救いを投げ出すように目印を倒し聖書を焼いたのに、瓶の中に残されていた手紙に綴られていたのはひたすらに懺悔だった。
そういう歪さに、ただただ感服させられたというか、謎の高揚めいたものを覚えてしまいました。昔の作家はすごい……。
第二の手紙を読み終えた時に、「間に合わなかった」(或いは抗えなかった)ことを示す第一の手紙の意味を知り、締めくくりの第三の手紙で得も言われぬ気持ちにさせられる構成の巧みさも良いです。
挿絵がまた大変に美しいので、文章だけの本が苦手な人でも読みやすいです。
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漂流の末に孤島で暮らす兄妹の苦悩を描写した、夢野久作による幻想の物語。空き瓶に詰めた救難を請う手紙が三回に分けて海に流され、××島の砂浜に漂着したことが冒頭で明かされます。仲の良い兄妹は、常夏の島で水も食料も事欠かない生活を続けていましたが、救援の兆しがないまま二人の間に芽生えた恋情と肉欲の葛藤に苦しみ始めるのでした・・・。 極楽から地獄の島へと変わりゆく様を、華麗なイラスト(ホノジロトウジ)によって耽美的で哀しい物語に装飾されています。
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悲しいですね。
苦しみと悲しみが伝わってきました。
最後は苦しみの島になってしまうなんて。このお二人が救われますように。
物語には惹かれました。当時、この物語が出回った時代に私がいれば間違いなく夢野久作氏の作品の虜になっていたでしょう。
イラストがとても美麗でした。
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美しい絵を添えて描かれる悲劇の一端。
純粋に敬虔であったからこそ罪の大きさをより一層、彼は感じたに違いない。
手紙形式で展開される物語のため、その手紙を書く間にどんな葛藤があったのか、想像力が掻き立てられる作品だった。
全て密閉された状態で海洋研究所に送られたのに気づいて、関係者には読まれなかったのか…なおさら悲しいと思ってしまった。
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読むと精神崩壊を来すと有名な「ドグラ・マグラ」の作者、夢野久作の短編ということで、少し緊張感を持ちつつ読了。
海洋研究所に届いたのは、とある島の村役場に打ち上げられたという3つの瓶。そこには、離島に遭難した幼い兄妹の心の内が綴られていた。
天国のような島での暮らしが、二人の心身の成長と共に恐ろしい地獄へと変わっていく様は、読者にとっても重く苦しく、辛い。死を願うほどに精神的に追い詰められる、これぞ生き地獄…。
全体的にはっきりとした描写はないので、謎の部分も多く、どう解釈するかは読者に委ねられている。そこもまた、本作の面白さだと思う。
美麗なイラストもご馳走様でした。
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無人島に流れついた11歳の兄と7歳の妹。
三本の空き瓶に託した3通の手紙で時系列を遡って描かれるふたりの状況。
聖書を焼きすて、堕ちていく。
昭和初期の作品。
大正から昭和にかけてはこのような妖しい作品が許されていた時代だったのか。
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書かれた時代の少し前は近親婚なんて珍しく無かったと思うけど登場人物が宗教に縛られすぎてて合わなかった
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不朽の名作が、いま新たによみがえる−。夢野久作の小説「瓶詰地獄」と、ホノジロトヲジの描き下ろしイラストの珠玉のコラボレーション。小説としても画集としても楽しめる一冊。」
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浜辺に流れ着いた3通の手紙。
そこには、遭難した兄妹の無人島での生活が綴られていた。
1通毎に時が戻る。
死を決意→じわじわ狂っていく→健やか
暗かった。
タイトルの瓶詰地獄にふさわしい。