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最後の手紙で二人の関係性がわかって、冒頭の手紙の犯した罪の意味がわかり、こちらまで苦しくなるようだった。幸せが不幸せに転じる楽園。守りたいのに加害してしまいたくなる葛藤。助けが来た絶望。
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乙女の本棚シリーズから、夢野久作さんとホノジロトヲジさんのコラボ作品「瓶詰地獄」です。「この表紙いいね~!今まで借りた中で一番いい!」と、ボカロ好きなうちの息子が言いました。現役乙女世代にも、いい感じに見えるんですね!でも息子は読まないと思うけど(^-^;
浜辺に流れついた、ビール瓶3本…その中には手紙が詰められていた…。この手紙はある無人島から流れついたもので、その手紙には無人島で暮らす兄と妹の生活が綴られていた…。漂着当初は不自由もなかったが、年月の経過によりお互いに成長したことでふたりの心に変化が生じたことで苦しみ、やがては死をも覚悟するようになる…。
ふたりはどうなったんだろう…3通の手紙から読み取れることしかわからない、言ってしまえば想像するほかないんだけれど、切ない胸の想いと葛藤が痛いほど伝わってくる作品でした。3通の手紙は、書かれた順ではないところも想像力を高められる要因になっています。そしてホノジロトヲジさんのイラストが、読みながら見るとますますキレイで…私的にはこの作品、すごく好きです!
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『瓶詰地獄』
夢野久作、ホノジロトヲジさんコラボ作品です。
この本は「読むと精神に異常をきたす」といわれている[ドグラ・マグラ]の著者の…作品。
短編小説です。
ホノジロトヲジさんのイラストは、とても素敵でしたので、恐る恐る…読んでみました。
この本の構成は物語の全てが手紙文になっています。
「 ✕✕島、村役場から海洋研究所への手紙」
「第一の瓶の内容」
「第二の瓶の内容」
「第三の瓶の内容」
海難事故に遭った幼い兄妹の二人が、(楽園とも地獄とも、いえる)無人島に漂着して過ごす間に
三通のボトルメッセージを流した、
その内容で展開されていくストーリー。
珍しい構成でもあるし、一度読んだだけではよくわからず、読み直しました。
瓶を流した時系列の順番は違うようなのは、わかり
どの順番かと考えて、それでもどこかしら変な部分があり、気にしだすと止まらなくなります。
様々な憶測ができて推理小説のように考察を楽しめる小説です。
地獄…というタイトルもついていて、気持ちの良い内容ではないものの、構成の妙というのか不思議な面白さがあります。
夢野久作ワールド…ほんの少し、
その世界観を知る事ができました。
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最近ブク友さんたちの間で話題になっている『乙女の本棚シリーズ』
色々気になる本がある中で私が選んだ一冊は『瓶詰地獄』
この漢字四文字の並びからして、もう期待しかありません。
浜辺に流れ着いた瓶詰。その中には無人島に取り残された兄妹からの手紙が。
このあらすじを読んで、私の脳内はすっかり『人魚とビスケット』になっていました。これ、絶対好きなヤツじゃーん、と。
しかし、ページを捲るとすぐに地獄の意味が分かります。分かった上でページを捲り続けなければいけません。
昭和三年に発表されたこの作品。文体や言葉使いなどが丁寧で上品な分、地獄の感じが増しますね。
そして、なんといってもこのイラストが苦しさをより伝えてきます。
このシリーズ、やり方が上手いですね。読書初心者にも不朽の名作に手を出したことのない人にも入り口になりやすい、イラストを眺めているだけでも溜め息、そしてなんといってもシリーズを揃えたくなります。オタクゴコロをそそりますよね。乙女の本棚ならぬ、オタクの本棚になりそう。
これは、ハマってしまいますね。
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乙女の本棚6冊目はいよいよ夢野久作でございますよ!
何がいよいよなんでしょうね
良くないなー
良くないよほんと
夢野久作なんてね
分かんなくて普通ですからね
どうとでも取れるんですから
どうとでも取れるように書いてるんですから
どうとでも取っていいんですよ
それをこうなんかもうナイスアシストされてるわけです
良くないわー
夢野久作なんてね
むしろ分かっちゃダメなんですから
なんだかよく分からなかったけどなんか不思議な気持ちになったなーくらいで十分なんです
★3くらいがちょうどいいんですよ
だいたい夢野久作ってどんな作家?って質問に答えようとしたら今の時代コンプライアンスに引っかかる言葉しかないですからね
ピー音しか聞こえないですから
なのでちゃんと理解できてる人なんてもうほんと犯罪者予備軍ですから
夢野久作大ファンです!なんて言ってる人は即刻拘束すべき危険思想の持ち主ですからね
よく分からなかったなーくらいがちょうどいいんです
※本レビューには、現在の観点から見ると差別用語と取られかねない表現が含まれていますが、原文の歴史性を考慮してそのままとしました。
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図書館で見かけて、イラストと題名に惹かれて手に取りました。
話自体知りませんでした。
手紙調なこともあり、とても読みやすい文体でした。そしてなんといってもイラストが繊細でキラキラとしていて、素晴らしかったです。
話の内容自体は兄妹の生々しい葛藤や懺悔が記されているのですが、イラストが入ることにより、どこか遠い夢物語のような気分になりました。現実から隔離されたような、不思議な気分になりました。
高校生か大学生の頃に、舞姫を授業でやりました。
国語の先生が「外国を舞台にしていて、わざと古い文体で書いているこの小説を、当時の人は遠い夢物語のように感じた。だから美しい悲恋の傑作だと言われた」というようなことを仰っていました。
私はそのとき実感が湧きませんでしたが、この本を読んで「こういうことか!」と腑に落ちました。
主人公たちにしたらとても辛い話だけれども、読んだ側はどこか別の世界の話だと思ってしまう。
とても繊細で美しい、手元に置きたくなる本でした。
好きになりました。
元の小説の方も買って読みたいです。
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小説で読むと難しいと頭が拒否して避けて通った作家を絵本で読むとすんなりと受け入れてくれる。きれいな絵なので暗い作品も緩和され気になっていたけど避けていた本がまだあるので楽しみ。
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夢野久作命日、遺作は「ドグラ・マグラ」
1928年『猟奇』
海洋研究所に漂着した手紙の入った3本のビール瓶
それは、孤島に漂流した兄妹からの手紙
一方通行の書簡体系式。
時間を遡って手紙が読まれる。
タイトル「瓶詰地獄」のセンスの良さ。
悲劇的状況の中で二人という幸福。
心身の成長と共に変化する関係。
なぜ地獄なのか、美しい兄妹の孤島での生活を読んで欲しい。
ホノジロトヲジさんの乙女系的キャラクターに救われるが、イメージ的には、もっと人間的かな。
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タイトルに惹かれて借りた乙女シリーーーズ。
瓶だけに。
なんとなく「魍魎の匣」みたいにぎっしり何かが瓶に詰まってるグロい展開を期待したんですが、あにはからんや耽美でした。
そうきたか。
そうなるの?
なんでやねん???
って感じ。
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私の好きな書簡形式でした。
ただ、最後まで読んでも、?という感じで、ネットの考察を読んで、ほ〜!という感じです。
奥が深く、あれはこういうことかな?といろいろ想像できるのが面白いです。