投稿元:
レビューを見る
誘拐。家族。レ・ミゼラブル。オリオン座。
誘拐をビジネスとしていたのに上に目をつけられて自分の家族が誘拐されてしまう。一杯喰わせてやる、というより、ピンチをギリで切り抜ける。とても粛々と。
投稿元:
レビューを見る
人質立てこもり事件だが、複数のストーリーが並立し、それぞれ発生時期が相前後するので、全体像がなかなか掴めない。
ようやく種明かしされた時には、始めからつながりを確認したくなる。
のどかさと冷酷さが同居する作風は、作者ならでは。
投稿元:
レビューを見る
「レ・ミゼラブル」を読んでいないのが悔やまれる。古典や有名な作品にはできる限り触れておかないと、後々の読書に響くのだなあ。話は三転、四転、状況が瞬く間に変わっていって面白い反面、ちょっと追いつくのに苦労した。黒澤、兎田、折田、この三者の動きが要。まさかの連続はさすが伊坂氏。今村くんと中村親分は相変わらず少しずれてて安心する。黒澤はどきどきするだろうけれど。そして気持ちいいラスト。こうでなくっちゃ!折々にはさまれる状況説明の一文が、事件の臨場感を際立たせていてよかった。まるで仙台市民になったようで楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
今回の作品の事件は立てこもり。
登場人物が全員秘密を持っていて、しかも世の中的には犯罪者なのに、何故か、伊坂作品の登場人物たちは悪人には思えない。
そして、何より小気味の良い会話。どこかとぼけていて、クスッと笑ってしまう会話の連発に今回もやられてしまった。
物語のベースには「レ・ミゼラブル」があり、それに倣うように進められていく物語の展開も、これまでと違って、なかなか新鮮で面白い。
終盤に連れて明かされる事件の裏側にも、ただただ凄いとしか言いようがない。
投稿元:
レビューを見る
あれ?いつもと違う伊坂さんだな、と思いながら読んでいたのだけどそんな違和感どんどん置き去りにして話が進んでいく。途中で「あははは」と思わず笑う。そうきたか!と。あとはもうお見事!というしかない。黒澤も中村&今村夫婦もいい仕事してるし、なんてったって会話が楽しい。はぁー楽しかった、さてもう一度最初から読もうか、となるね。
投稿元:
レビューを見る
<感想>
伊坂幸太郎さんの最新作。
本屋で見つけ、即購入、読了。
「AX」に続く新刊発売、伊坂さんファンとしてはとても嬉しい。
好きなキャラクターである「黒澤」登場作品、楽しく読めた。
個人的にはちょい役の「今村」のキャラが好きだった。
ヌケている、でもドコか憎めない、そしてなぜか本人は自信満々、その醸し出す雰囲気がたまらない(笑)
今回の作品は、とにかく設定+プロット勝ちだったように思う。
父親っぽいけど何となく不審な男は誰なのか?等、様々な謎を散りばめながら目まぐるしく展開される物語。
読者騙しのオンパレード、終始ハラハラしながら読み進めた。
大一番の仕掛けに全く気付かずに読み進めていったので、P182の一文に衝撃…
しばらく理解が追いつかなかった。
その後、続々と繋がってくるストーリー。
あのとき呑気に思えた今村のセリフにそういった意味があったのか…と、後から分かる真実がまた面白かった。
必ずもう一度読み返したくなる作品。
読者に語りかけながら展開される形、伊坂作品にしては珍しかったように思う。
勘の鈍い私は、「読者もお分かりのように…」の展開に2、3歩遅れで付いていくのが精一杯で、終始悔しい思いをしながら読んだ(笑)
<印象に残った言葉>
・犬の名前が「センサー」だったと分かるのは、これも事件後だったが、とにかく、その時は犬の存在が私たちの前に立ちはだかっていた。(P51)
・まあ、そうですけど。もともと、俺が間違えちゃったことがきっかけですし。そのせいで、黒澤さんがこの家に。(P92、今村)
・「折尾さんのですか」春日部課長代理は紙を手渡ししてきた。その四つ折りの紙が何であるのかはすでに想像がつくだろう。あの断り書き、「黒澤の但し書き」だ。つまり、今それを落とした男は、読者が見抜いていたように、黒澤にほかならない。(P182)
・隣の家で、だ。(P209、黒澤)
・悲劇ね。非力を恨んでね。(P241、綿子)
・地上にあるものは罪からは逃れられない。罪をゼロにはできない、生きてれば誰だって罪がある、という意味かもしれない。罪のない人間なんてありえない。そうだ。だから、できるだけ罪を少なくするのを目標にしろ、と書いてあった。罪を犯したことなんてない、と言い切れる人間はむしろ、嘘だ。迷ったり、怠けたり、罪を犯してもいいが、正しい人になれ。司教がそう言う場面があるんだよ。(P257、黒澤)
・その名前に聞き覚えがあり、黒澤は顔を上げ、店員を見た。せっかく物語が終わるところなのだから、「兎田のことを待っているのか」くらいの声をかけてもいいように感じるが、もちろん彼はそんなことをせず、実際のところ、そうならなくとも幕はおりる。(P268)
<内容(「BOOK」データベースより)>
仙台で人質立てこもり事件が発生。SITが交渉を始めるが―。伊坂作品初心者から上級者まで、没頭度MAX!書き下ろしミステリー。
投稿元:
レビューを見る
黒澤さんが大活躍するお話。二転三転する展開はお見事としか言いようがない。途中での騙された感といい伏線の回収といい魅力的な登場人物といいほんと面白かった。秀逸なエンタメ作品でした。
投稿元:
レビューを見る
なんだか色々な場面が錯綜していて(いつもの事だけど)、いつにも増して状況が分かりにくい感じが強かったのだけど、読み進めていくと、読むのを止められない疾走感はさすがでした。
そして必ず救いがあるのが伊坂幸太郎作品の好きなところ。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに伊坂作品を読んだけど、相変わらず安定の伊坂節!!
作者の語りが入ると言うなかなか面白い書き方も、あっという間に慣れて何だかその語りがむしろ癖になる。伊坂さんが書く立て篭もり人質事件がすんなり終わる訳がなく、とんだひっちゃかめっちゃかぶりで荒波にアレヨアレヨと飲まれてびっくりしてるうちに綺麗に投げ出される感じ。
この世の中生きていて完璧な正義なんて無く、生きているだけで人間何かしらの罪を重ねていく。
でもその罪に善悪はっきりつけることなんて不可能で、よんどころない事情が誰しもある人生って矛盾だらけですな…としみじみ思ってしまった。
いやー、面白かった。
投稿元:
レビューを見る
おんもしろかったぁ~~!!!w
伊坂、サイコー!!!♡♡♡
予測不能の籠城ミステリー!!w
仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。
SIT出動。逃亡不可能。予想外の要求・・・。
登場人物それぞれの、妻への愛、息子への愛、娘への愛が
胸に沁みる・・・んだけど、それが交錯して複雑でおもしろいことになっちゃうのが伊坂流ww
読者として「白兎事件」の全貌を知ることができたことに
このうえもない幸せを感じますー♡
投稿元:
レビューを見る
新潮社さんさすがです。
出版社によって、なんともいえないものが出たりするが、新潮のは安心。
たてこもりの話しだが、時系列がごちゃごちゃしだして、これなら2回読んでもいいかなという感じ。黒澤がたくさん出てくるのもいい。ホワイトラビットなサイン本欲しかったなぁ。あまり内容に触れるわけにもいかず。しかし面白い!
投稿元:
レビューを見る
伊坂節の面白さよ。善し悪しの価値観が入り交じる展開。悪人にも色々いるし、悪のなかにも救われるものがある。そんなに単純じゃないんだ、世の中は。なんでも割り切れるほど単純じゃないんだ、ニンゲンは。その割り切れない思いを抱えて生きている。クールでドライなクロサワも、割り切れない一面を見せてくれるのがまた良いのだ。ニンゲンってのは一筋縄ではいかないのが面倒だけど、それが面白くて愛おしい。
結構残酷で痛々しい場面もあるけれど、それを物語のナレーションのごとく語りで薄めてくれるのは、伊坂さんの優しさか。もしくは、この物語の大事なのはそんなところじゃないということか。
投稿元:
レビューを見る
「AX」から2ヶ月くらいしか経っていないのに、もう新作!
伊坂幸太郎の新刊は、なんと“籠城ミステリー”。この段
でもう胸がときめいちゃう人、やたら多い気がする(^^;)。
伊坂幸太郎の籠城モノと言えば、「チルドレン」や「陽気
なギャング」シリーズで何度か目撃したことがあるのだが、
今回のは完全に一線を画す内容。籠城モノなのに登場人物
はやたら多く、ともすれば話がこんがらがってしまいそう
なのだけど、絶対にそういう展開に持って行かないのが
伊坂幸太郎の凄いところ。終わってみれば全キャラが皆
重要な役回りを最低一つは担っており、結果的に“無駄な
人物”が一人も居ない。加えて、章全てに用意されたどん
でん返しは感嘆に値するくらいレベルが高く、随所で爆笑
しつつも唸る。奇跡のような作品だ・・・。
そして嬉しいことに、今回のキーマンは「泥棒」と「探偵」
の両極端を生業とするあの男。彼のキャラがここまで立つ
のはかなり久しぶりで、それだけでもう嬉しい。さらに、
「レ・ミゼラブル」にインスパイアされた狂言回し的な表
現があまりに小憎らしい上に「あそこからこの話を思いつ
くのか!」という天才ぶりも遺憾なく発揮されているのだ
から、もう脱帽するしか無い。
ユーモアに富んだジェットコースターミステリー。しかし
このカッコ良さ。伊坂幸太郎のエッセンスが存分に詰まっ
た作品、ぜひお試しを!
投稿元:
レビューを見る
伊坂幸太郎、さすがです。
今回の作品はドタバタ感が拭えませんが、それでもこの物語自体が騙し絵を眺めているかのよう。そして、最後にはあちこちに散らばったピースが収束していく様は気持ちがいい。隅々まで伊坂幸太郎の技が冴え渡っています。
今回も伊坂作品ではお馴染みのキャラクター黒澤が登場します。伊坂ファンは思わずニヤリ。シリーズ物ではないのに、どこかの作品で登場した人物を登場させる伊坂さんは遊び心が十分で、またファンサービスが旺盛です。
物語は、ある犯罪組織の男が奥さんを誘拐され、その奥さんを取り戻すためには、組織の金を持ち逃げした男を探し出さなければならない。その男に仕掛けたGPSを辿っていった家には泥棒の黒澤もいて・・・
とまあ、ドタバタが予想される冒頭ですが、ここからは伊坂さん、一筋縄ではいかない物語を展開させてくれます。帯にもあるように、伊坂初心者でも上級者でも楽しめる作品となっています。大満足の一冊。一気読みでした。
投稿元:
レビューを見る
いつもの泥棒も登場したり。
相変わらず、パズルがピタッとはまっていくようなお話だった。読んでいて気持ちがいい。