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新潮社さんさすがです。
出版社によって、なんともいえないものが出たりするが、新潮のは安心。
たてこもりの話しだが、時系列がごちゃごちゃしだして、これなら2回読んでもいいかなという感じ。黒澤がたくさん出てくるのもいい。ホワイトラビットなサイン本欲しかったなぁ。あまり内容に触れるわけにもいかず。しかし面白い!
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伊坂節の面白さよ。善し悪しの価値観が入り交じる展開。悪人にも色々いるし、悪のなかにも救われるものがある。そんなに単純じゃないんだ、世の中は。なんでも割り切れるほど単純じゃないんだ、ニンゲンは。その割り切れない思いを抱えて生きている。クールでドライなクロサワも、割り切れない一面を見せてくれるのがまた良いのだ。ニンゲンってのは一筋縄ではいかないのが面倒だけど、それが面白くて愛おしい。
結構残酷で痛々しい場面もあるけれど、それを物語のナレーションのごとく語りで薄めてくれるのは、伊坂さんの優しさか。もしくは、この物語の大事なのはそんなところじゃないということか。
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「AX」から2ヶ月くらいしか経っていないのに、もう新作!
伊坂幸太郎の新刊は、なんと“籠城ミステリー”。この段
でもう胸がときめいちゃう人、やたら多い気がする(^^;)。
伊坂幸太郎の籠城モノと言えば、「チルドレン」や「陽気
なギャング」シリーズで何度か目撃したことがあるのだが、
今回のは完全に一線を画す内容。籠城モノなのに登場人物
はやたら多く、ともすれば話がこんがらがってしまいそう
なのだけど、絶対にそういう展開に持って行かないのが
伊坂幸太郎の凄いところ。終わってみれば全キャラが皆
重要な役回りを最低一つは担っており、結果的に“無駄な
人物”が一人も居ない。加えて、章全てに用意されたどん
でん返しは感嘆に値するくらいレベルが高く、随所で爆笑
しつつも唸る。奇跡のような作品だ・・・。
そして嬉しいことに、今回のキーマンは「泥棒」と「探偵」
の両極端を生業とするあの男。彼のキャラがここまで立つ
のはかなり久しぶりで、それだけでもう嬉しい。さらに、
「レ・ミゼラブル」にインスパイアされた狂言回し的な表
現があまりに小憎らしい上に「あそこからこの話を思いつ
くのか!」という天才ぶりも遺憾なく発揮されているのだ
から、もう脱帽するしか無い。
ユーモアに富んだジェットコースターミステリー。しかし
このカッコ良さ。伊坂幸太郎のエッセンスが存分に詰まっ
た作品、ぜひお試しを!
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伊坂幸太郎、さすがです。
今回の作品はドタバタ感が拭えませんが、それでもこの物語自体が騙し絵を眺めているかのよう。そして、最後にはあちこちに散らばったピースが収束していく様は気持ちがいい。隅々まで伊坂幸太郎の技が冴え渡っています。
今回も伊坂作品ではお馴染みのキャラクター黒澤が登場します。伊坂ファンは思わずニヤリ。シリーズ物ではないのに、どこかの作品で登場した人物を登場させる伊坂さんは遊び心が十分で、またファンサービスが旺盛です。
物語は、ある犯罪組織の男が奥さんを誘拐され、その奥さんを取り戻すためには、組織の金を持ち逃げした男を探し出さなければならない。その男に仕掛けたGPSを辿っていった家には泥棒の黒澤もいて・・・
とまあ、ドタバタが予想される冒頭ですが、ここからは伊坂さん、一筋縄ではいかない物語を展開させてくれます。帯にもあるように、伊坂初心者でも上級者でも楽しめる作品となっています。大満足の一冊。一気読みでした。
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いつもの泥棒も登場したり。
相変わらず、パズルがピタッとはまっていくようなお話だった。読んでいて気持ちがいい。
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前作『AX』に続き、伊坂幸太郎さんの新刊は、「悪玉」ものらしい。早速手に取ってみると、伊坂作品にはしばしば登場するあの男の名が。
『ホワイトラビット』という緊張感の欠片もないタイトルだが、本作に描かれているのは立てこもり事件だ。仙台市の高級住宅地ノースタウンにある家に、男が人質を取って立てこもった。後に「白兎事件」と呼ばれるのだが、これまた緊張感のないネーミングである。
そもそも、男が立てこもるに至った経緯とは。こりゃ、何も書いてもネタばれになりそうで、書けない。一つだけ言えるのは、あとがきにある通り、本作は硬派で正統的な犯罪小説ではないということ。伊坂作品なのだから、言うまでもないだろうけれど。
作中の経過時間は短時間なのだが、とにかく視点人物や時系列が飛びまくる。あまり長くないので、一気に読むのがいいだろう。もちろん、これには理由がある。
一見いい加減に飛んでいるようで、実はきちんと計算されていることが、読めばわかる。どのように飛べば、どのようにネタをばらせば、最も効果的に読者を煙に巻けるか。ここまで「騙し」に重点を置いた作品は、伊坂作品としては珍しいのではないか。
暴力描写がまったくないことはないが、基本的には安心して読める。絶体絶命のシチュエーションなのに、どこかワクワクしてくる。たまたま居合わせただけなのに、律儀に付き合ってしまう、あの男。この男なら、何とかしてくれそうな気がする。
警察がこんな手に引っかかるんかい!とか突っ込みたくはなるが、現場指揮者が理解ある(?)人物だったのは、ツキがあったかもしれない。さらりと触れられるこの人物の事情には、一瞬絶句する。必要不可欠な設定なのかはやや疑問だが、硬派ではないがユーモラスすぎない、本作の絶妙なバランスを担うキャラクターだろう。
適度な長さに、伊坂幸太郎の真骨頂が詰まっている。帯にある通り、従来のファンだけでなく、初心者にも手に取りやすい。伊坂さんにしか書けない1作だ。
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伊坂ワールド全開の作品。ファンは楽しめる。ただ、例の伏線を畳み込んで行く面白さがあまりなかったのは残念。
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伊坂さんの人質立てこもり事件なんて、おもしろくならないわけがない。
お話の構成がとてもおもしろいなあと思いました。人や時間があちこちに飛ぶけど、それが一本の道につながる感じ。
まさかそういう展開になるとは思ってませんでした。
私は稲葉が勇介の父親なのかと思ってましたが、それははずれちゃったな……。
稲葉は最低なヤツだったけど、電話をかけてこられるのが苦手だ、だったらメールの方がいい、という考え方は私も同感。
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面白かったー!
終盤のとある場面で「そういうことか!」と気付いた瞬間、色々と繋がるわ、こんがらがるわ。
全てが分かったところで、また1ページ目から読みたくなる。
さすが伊坂幸太郎さんです。
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久しぶりの黒澤さん、と思ったけど首折り男以来だからそれほどでもないか。
最近の伊坂幸太郎は、誰かが救いを求めて助かる、というワンパターン化してない?と思うところがあるけど、
軽妙な登場人物たちのやり取りと、この先どうなるのか読めないところが物語に引き込む吸引力となる。
仙台市内で立てこもり事件が発生!助けて!!
白兎事件と呼ばれる(世間的には呼ばれない)、この事件には語られない物語ばかりだ。
とある誘拐グループの末端の兎田は、まさか自分の新妻、綿子ちゃんが誘拐されるとは思わなかった。
金を持ち逃げした誘拐グループ経理担当を唆したコンサルタント、オリオン座の薀蓄が詰まった通称オリオオリオを作れてくることが、解放の条件だった。
オリオオリオに仕込んだGPSを頼りに民家に押し入ったら、まさか無関係の人の家だった。
しかも二階には、ただいま空き巣中の黒澤も紛れ込んでいた。
人質事件発生。
第一報が警察に通報されるまでには、裏シナリオが絶賛進行中だった。
悪人には鉄槌を。
神の視点でオリオン座が見下ろしていた。
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伊坂さんらしいキャラクターや、そのかけあいが楽しい一冊。
しかも、中盤から展開がコロコロ変わって、ミスリードに気付く。
少しずつ明かされていく事実は時系列が異なっているので、場合によっては混乱するかもしれないが、少しずつ離れたピースをはめていくような感覚で、それもまた楽しかった。
黒澤は巻き込まれただけだったが、逃げることなく受け入れて自分から関わっていたので、すごくいいヤツだった。
テンポよく小気味よいお話。
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躓くのに軽快なのはリズムなのかキャラクターなのか。
安心して読めるラストと途中の裏切りはさすが伊坂さん!
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★2017年10月15日読了『ホワイトラビット』伊坂幸太郎著 評価A
AXとこの本を同じ日に続けて読んでしまったので、ちょっと頭の中が混乱(笑)
この作品も伊坂らしい複雑な構成で描かれている。文庫本が出る頃になったら、もう一度丹念に確認しながら読まないと作者の意図した作品のおもしろさを堪能したことにはならないのかもしれません。
伊坂お得意の仙台を舞台とした立てこもり事件を扱う。オリオン座とレ・ミゼラブルが巧みに物語の骨格となって描かれている。
最後は比較的ハッピーエンドなので、良かったが、登場人物のキャラが立っていて、非常に読んでいて楽しい。これも映画化されそうだな。
P221にこの物語を集約した一文がある。
息子が人を殺した上に銃を持った男が家にやってきて、おまけに図々しい泥棒が首を突っ込んできたんだからな。盆と正月がいっぺんに来たようなものだ。
(お気に入りの表現)
P158 海よりも壮大な光景がある・それは、空だ。空よりも壮大な光景がある。それは人の魂の内部。人の心は海や空よりも壮大なんだ。その壮大な頭の中が経験する一生って、とてつもなく大きいと思わない?(宮城県警特殊捜査班夏ノ目課長の娘、愛華のセリフ)
P159 深海よりも暗い光景がある。それは宇宙だ。宇宙より暗い光景がある。それは大事な人を亡くした者の魂の内部だ。
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仙台で起こった立てこもり事件のミステリー小説。
ミステリーというより、クライム小説に近いと思います。
といっても、伊坂さんなので、軽妙洒脱で面白いです。
著者の作品ではお馴染みの黒澤が大活躍で、ファンにはたまらないです。
MVPは綿子さんでした。
多層構造の設定は予測できたものの、真相までは見抜けませんでした。
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すごい
黒だと思っていたのにいつのまにか白になっていた!という感じ
それも、読み進めていくと次々と白になっていく
1回くらいはこういう事もあるけれど
こうもパタパタひっくり返って見事にまとまるとは、お見事です(笑)