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投稿者:ゆうと - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごく盛りだくさんで、身につまされた小説でした。いじめ、虐待、震災、原発、役人の本質、政府と言う黒い社会、報道の暴力。
特に原発については、地震が起こらなくてもこんなに大変な仕事を二次、三次下請けにまわしていることにおどろきました。除染についても、今現在の処理についても本当に、ひどい扱いであることはよくききます。
そんなに怖い原発。それが喉元過ぎれば、今の総理大臣は新しいものを作るとのこと。この本を読んでもらいたい。原発で一度働いてもらいたいと心から思いました。
そして、原発がこんなに怖い武器になることも国はどう考えているのかと、、沢山のことを考えさせられた本でした。
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投稿者:よいふろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
涙もろいほうだとは思いますが、最後は電車で読みながら涙がとまりませんでした。
神戸と東日本大震災と原発と。いい人だからといって幸せになれるとは限らないのがむなしいです。愛する人を守るという使命を果たせたというところは、よかったのかもしれませんが、本当にやりきれなかったです。本当に困っている人を助けることができないのは辛いです。
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まさか東日本大震災の話とは。原発事故と、殺人事件の逃亡を絡めた話。当時のことを思い出す。
守りたい人のため、ここまで人間ってできるのか。感動すら覚えた。目的を果たすためにやりすぎ感はあるけど、、。
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震災。原発。彼=加瀬は容疑者なのか?ヒーローなのか?今回の七里さんはいつもとちょっと違う雰囲気?今回の、大どんでん返しは、『目的』に有りましたね。仁科刑事と逃げる加瀬の終盤にかけての関係性が良かった。大きな問題提議をも含めながらのサスペンス。
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東日本大震災直後の福島県で殺人事件。逮捕されながら、護送中に逃走する犯人。加害者と被害者の関係と二人の過去、社会からはじかれてしまった人たちの苦悩。安らぎを教えてくれた人のためにそこまでのことができるのか……
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東日本大震災、そして福島の原発事故を題材にしたミステリー。描かれている状況がリアルで、ぞっとするお話です。原発に関しては1~3号機の廃炉に目が行ってしまいますが、こう書かれると実際に最も危機が迫っていたのは4号機なのかもしれませんね。
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東日本大震災直後に起きた殺人事件。原発作業員として働いていた被害者と加害者の間に何があったのか?逮捕された容疑者の加瀬は、殺された男の親友だった。ところが彼は余震の混乱に乗じて逃走。福島県石川警察署の仁科は加瀬を、そして彼の生い立ちを追う。やがて、加瀬がある場所へと向かっていることが判明。彼の目的は何なのか?浮上する驚愕の事実とは?怒涛の社会派サスペンス!
まさか、冒険小説的な展開になるとは思わなかった。
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弓矢の神でもある太陽神アポロンは、傲岸不遜な相手に死をもたらすという。太陽の力に変わる原子力は、太陽神に侮辱をもたらしたのだろうか。
福島第一原発の事故は、起こるべくして起きた。この小説は、そんな発想から生まれたようである。
東日本大震災をエンタメの題材にすることに、批判的な見方もあるようだ。しかし、具体的事件で記述しなければ、やはり説得力を欠いてしまう。
この小説は、社会派サスペンスとして読むべき一冊だと思うし、警察小説に冒険小説を加味した稀有な傑作と言っていい。
著者の代名詞たる「どんでん返しの帝王」は、この作品では息をひそめているようだ。
絶望的な状況の中で、主人公は親友から託された使命を果たすため、「ダイハード」的、あるいはそれ以上の行動を示す。そこまでするかと、劇画的あるいは現実離れしているのではないかとの懸念もあるが、彼の幼少期を詳述することによって、その行動は説得力を持ってくる。
彼が辿る避難地区、それに原発作業員の実態も描かれており、原発問題を考える一助となる作品ではないか。
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舞台は震災直後の福島。殺人事件の犯人が逃走し、なぜか原発施設へ向かう。犯人の意図は?なぜ家族同然の被害者を殺したのか?続きが気になり一気に読み進めた。おすすめ
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東日本大震災の福島第一原発事故の後に起こった殺人事件の容疑者邦彦の謎の行動が思わぬ国際テロとの繋がりを見せる。当時の大震災直後の状況と原発の放射能対策の杜撰さを描いている。話しの進展と共にどんどん話しに引き込まれる。
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福島の大震災と事故の裏で起きる殺人事件というすごい設定です。震災や原発関連の描写がとてもリアル。そして殺人事件の方も謎が謎を呼ぶ感じです。捜査する刑事さん視点と殺人犯視点が交互に出てきますが、それもうまい。結末は途中から予想できますが、それでも一気に読めました。
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1つの事件の背景には国家を揺るがす事実が、というようなストーリー
でも描かれているのはひとりの結構理不尽な人生を生きてきた青年の姿と、人より企業を守る会社や組織だったり、そんな中で足掻く人たちだったり。
2018.2.25
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震災直後の福島を舞台に、逃走した殺人犯が命懸けで原発へのテロを防ぐ。2回の震災を経験した人たちの運命がとても苦しい作品でした。
自分も阪神大震災を経験したので、自然の力の前で感じた人間の無力さを思い出しました。
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何というか、重い…という第一印象。
東日本大震災と、16年前の阪神・淡路大震災と、
ご近所の某独裁国家とが複雑に絡まり合い、
重層的なストーリーが織り上げられる。
発端は、一件の殺人事件。
護送中の犯人が逃亡を図り、当然警察が追う。
直後に、様々な「引っかかり」が見えてきて、
話は単純な殺人犯の確保というだけではなくなってくる。
逃げる「犯人」の視点と、追う刑事の視点とを
入れ替えながら読み進むうちに、
徐々に浮き上がって来る「真のストーリー」。
それはあまりにも壮大で、荒唐無稽で、
でもあの震災を知っている者にはもの凄くリアルで。
本当に今現在の日本も、首の皮一枚で生き残っていると
改めて眼前に突きつけられるような辛辣な内容。
作者は、作品ごとに全く違う作風を見せつけて来るが、
本作も「いつもパニック小説を書いている人」としか
思えないような手だれた文章で(^ ^;
正にこれが筆力というものなのだな、と(^ ^
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集英社文庫の夏の一冊、ナツイチ。
今年は初めての、中山七里さん作品。
*
舞台は東日本大震災直後の福島。
そこで起こった殺人事件が題材。
最後、どうなるのかと最終章はぐんぐん読めた。
『アポロンの嘲笑』っていう題名はどういう意味なのかなぁ?と思いながら読み続けていたので、最後分かって良かった。
*
中山七里さんは『カエル男』と『さよならドビュッシー』のイメージなんだけど(未読ですが…)、最初同じ方が書いてる作品だとは思いもしなかった。
全然、イメージ違う作品書かれてるのね〜。
しかも、解説を読むまで女性だと思っていたよ…!
ダブルびっくり。