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愛や正義そして嫉妬、感情的な理由が引き金となって他者を堕とす際の快感は何か。
時事問題も例に取り入れ、一般向けにわかりやすく書かれている印象を受けました。
大衆が愛や正義などの人間らしい感情からも他者を排除可能である点は、共感力の無いサイコパスとは違った異常性を秘めていると言えるでしょう。
短時間で読了可能ですが、世間の見方を考えさせられる一冊。
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オキシトシンとドーパミンについて
心理実験とともにわかりやすく解説されている
人は大義名分のもと暴力的になる
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人間の妬みや嫉妬などのメカニズムを科学的に書いた本。素晴らしかった。
なんでこの人はこんなこと言うんやろ?という瞬間があるが、理解できた。
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聞いたことない言葉「シャーデンフロイデ」を弘めたいのか「他人の不幸は蜜の味」をカタカナにしたものらしい。これを向社会性という言葉で説明している。心理学的な要素より脳科学としてホルモンの働きがどうとか始まる感じが胡散臭い。脳科学の実験てサンプル数少ない気がするし、結論に至るギャップが凄い気がする。が総論として納得させられてしまうのは筆者の筆力か。
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だれかが失敗した時に思わずわきおこってしまう喜びの感情。愛と幸せのホルモン、オキシトシンは、安心感や幸福感をもたらすと同時に、妬み感情も強めてしまう。愛着が強まると、切れてしまいそうな時に阻止しようとするから。
人間の感情の良い悪い、世と負って、裏表なんだと思いました。
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中野信子の本が読みたくて。
面白かった、けど、企画本な匂いを少し感じた。
まあ本なんて多かれ少なかれ企画本なんだろうけど、
そういう匂いを感じさせない本というが世の中にはあるのだ。
どんなところがそういう匂いかって言うと、
タイトル。
「シャーデンフロイデ(=他人を引きずり下ろす快感)」って言いたいだけなのでは?
アイキャッチなタイトルであるのは確かなので。
シャーデンフロイデに関して書いているのは最初だけで、
本全体に流れるテーマは人が持つ倫理の危うさや正義の危険性ではないかと。
あるいは、人間がいかに残虐になりえるか。
そうは言っても中野信子の文章はとても読みやすく、
中身もしっかりしていて、
素直になるほどーと思うところが多い。
タイトルありきの本の不自然さは感じられるものの、
他はさすがといった感じ。
まああれだ。
★は3なんだけど、
昨今の自分の正義感に確信を持っているネット警察等の方々には読んでいただきたい。
人間って脆い。
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”向社会性を高めるのは、””愛と絆のホルモン”オキシトシンです。こういう見方をすると人間社会を裏から支えているのが、オキシトシンであると言っても過言ではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。”
この本を読んでアルフレッド・アドラーの「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」であることと繋がった。
シャーデンフロイデ、妬みというものは社会性が高まることで生まれ、その疲れを癒すのはオキシトシンである。
人間社会を生きる上で切っても切り離せないものであり、自分がどう考え立ち回るのか。
タイトルは「他人を引きずり下ろす快感」と少々インパクトありますが、決して「引き摺り下ろす」ことを目的とした本ではなく、社会性を重みに感じて生きにくいと感じている人にはオススメしたい本です。
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この本を読もうと思ったのは、心理学に興味があるからです。中でもマイナス感情の仕組みを知っていれば、客観的に捉える事が出来るのではないかと。とは言え、当事者になれば感情的にはなってしまうと思います。だって、人間だもの。
読了してからというもの、様々な場面で「ああ、自分の中ではこう言う仕組みが働いているんだな」とマイナス感情が湧いてきそうな時に思い返しています。
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前半は主にオキシトシンによる体への効果やそれによる人間性の違い、人間関係への影響を主に記述していた。大人になればなるほど人生に余裕がなくなり、他人のこと周りのことに対して深く考える機会が無意識のうちになくなってくるのかもしれない。人生の経験から子供よりもしてはいけないことを分かっているはずなのにできない。それはきっと自分に余裕がなく自分自身に満足できず日々を過ごしているからだろうな。ジェラシーというのは誰でもが感じる感情なだけに、それをコントロールしなければシャーデンフロイデとなり他人を引きずり落としてやるという非人道的な感情がでてくる。
後半の宗教とオキシトシン、セロトニンの関係には大変興味が持てた。私は、仏教徒ではないし神道を崇拝してもいない。あえて言うならば、I’m associated with Buddhism but overall I’m spiritual. 仏教をのけて私の生活習慣や様式を語れないけれども、それをプラクティスしているわけではない。宗教人でも非宗教人でも、お互いがお互いをリスペクトし、他人の意見を尊重できる人でありたいし、みんながそうであってほしいと願わずにはいられない。
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シャーデンフロイデ――特に成功者の失敗に対して沸き起こる暗い歓喜の感情は、なぜ生まれてしまうのか。愛や正義や倫理を訴える人が、なぜ相反する相手を暴力的に攻撃するのか。それらはいずれも脳内ホルモン、脳内麻薬が関係している――というのが本書の趣旨。
「二流の悪魔は金で誘惑する 一流の悪魔は愛と正義で誘惑する」という言葉があるが、過度な「正しさ」が人を近視眼的に、残酷にするというのは毎日ニュースやSNSを見ていると実感する。そしてそれに囚われている人ほど、問題が起きたとき、過ちを認められなくて他所に原因を求める。
最近の時事で言うと、香港政府と香港の人々との、一連の衝突も一例か。
当初は平和的なデモが、やがて無関係な店舗の破壊、火炎瓶や投石などの破壊行為にまで過激化する。取り締まる側も「治安」という正義が過剰な暴力となって人々を傷つける。
本書に従うなら、これら行為の過激化もまた、脳内ホルモンの分泌により自己抑制が困難な状態になっているからかもしれない。
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シャーデンフロイデとは、例えば素晴らしい人が、素敵な人と別れてしまったと聞いたときに生じるやや後ろめたい喜びのこと。
オキシトシンは、愛と絆のホルモン。哺乳類の出産や授乳になくてはならない物質である。また、リラックスして穏やかな気持ちになると、オキシトシンがでる。しかし、この愛が悪い方向へ作用することもある。仲間意識や愛情が強く、オキシトシンの分泌量が増えることで、いじめや他人を引きずり下ろすことにつなかってしまうことがある。
子供には、誰でもサイコパスに似たようなところがある。相手に対する共感性や、自分の行動の抑制をする脳の前頭前野が、まだ発達途上であるため。子供の時に残酷な発言は、脳の成長途上のためだったのかと納得。
私たちの脳は、いつでも考えることをやめたがっている。その方が、楽だからだそうだ。すごく、よくわかる。
フランスでは、子供は迷惑をかけながら育つものという認識が持たれている。だから、子供だけでなく、大人も、自分がやりたいことを人がどう感じようが気にしないでやる。その代わり、自分が他人に迷惑をかけられても寛容。日本と随分違うと思った。
シャーデンフロイデという後ろめたい喜びが、オキシトシンという幸せホルモンによって起きているとは驚いた。私たちの生活や行動には、ホルモンによる影響がある。このことを認識した上で、社会を見たり、自分の行動を改めるようにしていきたい。
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愛や正義などという大義名分があれば、
その時に集団であればある程
他人を傷つけることに抵抗がなくなる。
それって本当に怖い事だ。
世のため人のため、悪いやつをやっつけるとか。
よく考えてから行動しなきゃなと思った。
最後通牒ゲーム(他の本で読んだ事ある)や、
スタンフォード監獄実験、ミルグラムの実験、恐ろしい、戦争孤児を使った実験など
興味深く読んだ。
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この仕組みについて知っておけば、足を引っ張られることは少し避けられそう。
もしくは、避けられなくて、他人にいろいろ批判されても凹まず済む。
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このタイトルにもなっているシャーデンフロイデを知っているだけで人間は随分と物の見方も広がるのでは無いかと思った。Twitterのトイレットペーパーデマで踊らされる日本…そんな今の社会現象にもピッタリの内容だった。群集心理に対する様々な社会実験は有名なものも多く、知っておくべき教養だろう。
「よかれと思って」の行動は結果、他者から見たら真反対の行動になり得ることもあるということは肝に銘じておきたい。愛とは、時におそろしい。
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他人を引き摺り下ろすしたときに生まれる快感「シャーロンフロイデ」の仕組みの一端が理解できました。ネット等でも必要以上に他者を糾弾しているモノを目にした際に何故このような議論が展開されるのだろうと思うことが度々ありましたが、原因の一つには本著で説明されるような脳内物質オキシトシンの影響もあることを知ると同時に驚きもありました。今までオキシトシンはポジティブな効果もたらす物質だと思っていましたが、その効果も度を過ぎると所属集団保護のための他者への制裁にもつながるという仕組みは興味深い内容でした。