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著者の作品を読むのは、「サイコパス」、「不倫」についで3作目。
人の心、感情や行動は、脳内の神経伝達物質に影響を受けているという。脳科学の分野では常識なのかもしれないが初めて触れるわたしにとっては非常に興味深い。
脳内の「オキシトシン」という神経伝達物質が「幸せホルモン」や「愛と絆のホルモン」などと称されており、それらには「妬み」(自分より上位の何かを持つ他者に対してその差異を解消したいネガティブ感情)や「嫉妬」(自分がもっている何かを奪いにくる可能性ある人物を排除しようとするネガティブ感情)を増幅する作用もあるという。なるほどなんとなくわかる気がする。
決め事の多い夫婦ほど離婚しやすいとの説や
規範意識が高く決め事も多い組織は熾烈な争いが起きやすい
という説は、今後の家庭生活や会社生活で参考にしよう。
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集団の維持→制裁を加えて飛び出したものを排除する
リベンジされる恐怖に打ち勝つための快楽物質
リソースの供出
オキシトシン→仲間意識、愛情、幸せ
ストレスが少ない状態であれば、刺激的な快感は必要ない
人間は結局遺伝子だったり、ホルモンだったり、人間の習性によって思考とかも生み出されているんだなぁと改めて思った。
いらない思考の癖、習性はなくなっていくはずなのに、残っているということはなにか意味があるんだな。
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SNSのミクシィ、ニュースへのコメントや日記の数々がおおよそ陋劣なので、自分は一切コメントを控えている。
四六時中ニュースに貼り付いて、芸能人や犯罪者へ罵詈雑言をぶっつける面々は正義漢とは思えない。では何者なのか? 本書を読んで、いくぶん答えが得られた。
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「人間性」や「サンクション」など、基本的に人間は性善説で自らを良い人だと思っている。
だから、客観性を欠くのではないか。
オキトキシンの影響である、シャーデンフロイデにより、いじめや排除が起こる。
ホルモンの分泌は介入できないので、その前提となる正義感や視野の広さに介入したい。
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「シャーデンフロイデ」とは人の不幸は蜜の味的な快感の事であり、この快感には脳内物質オキシトシンが密接に関係しているらしい。
愛、正義、神、宗教などといった名の下にネットが荒れる、イジメ、左右の分断、戦争などが引き起こされる仕組みを脳科学的に論じたのが本書。
結構、勉強になりました。
著者の中野信子さんはテレビのコメンテーターとして拝見する事があります。
創価中学、創価高校の出身ですね。
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著者のYoutube動画をみて購入した一冊。
”他人の不幸は蜜の味”というなんとも人間らしい感情を、脳科学の視点から論理的に説明してくれる一冊。文章も読みやすく、取り上げられている研究も興味深く、具体例も比較的最近のものが多くすんなりと内容が入ってきた。
なぜ日本には不謹慎厨やマスク警察が目立つのか、なぜ同僚の失敗を喜んでしまう自分がいるのか、どうしてこうも不倫した芸能人が叩かれるのか、こういった疑問に脳内ホルモンと人類とコミュニティの歴史を論拠に明快に答えてくれる。
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意思決定したいタイプの人間と、そうではない人間が存在する。それは上位でも下位でもないのか?
自分を理解して欲しい、、→自分を決めて欲しい、自分で決めたくない、何か決まっていて欲しい、導いてほしい
脳は楽をしたがる。
人にゃ人の地獄あるんな
人間の本性的に足の引っ張り合いをしてしまいそうな、我々のセクショナリズムをを防止しているのは、社長という各部署共通の仮想敵が存在しているからである。
社会的報酬、承認欲求
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「愛」や「正義」は排除の根源っていう本。
オキシトシンの光と闇。
リチャード・H・スミスの『シャーデンフロイデ人の不幸を喜ぶ私たちの闇』より読み易く、理解しやすかった。
マスコミやネット等の「炎上」に熱狂する人や、自分の中の妬みや嫉みを少し冷静に見れるようになる。
第2章加速する「不謹慎」の【個体の生命より、社会が優先?】で、言葉の丁寧さを失わずボロクソに書いてる部分が面白かった。
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タイトル買いしたけど、中身はそれ以上に価値があると感じた。コロナ禍で他人の行動や言動に敏感になっている今だからこそ、色んな人に読んでほしい。
他人を引きずり下ろすことに快感を得る仕組みを解説したあとに、その恐ろしさというかいろんな側面を解説してるのかな。後半なればなるほどゾットする。
興味深い事実や実験を言及してて好感を持てるけど、できれば出典を書いてほしかったな。
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愛と憎しみは紙一重
信じる気持ちが強いほど背くものに耐えられない
好かれすぎて大変なことになった経験を思い出した…
自分の世界を壊されそうになると人は攻撃的になるのかな
大好きだからこそ自分の世界の中で大きなパーツになってて
そこが崩れることを何としても避けようとする…
宗教とかの強さもなんか納得
何かに自分の責任を擦り付けられたら楽なのは当然…
人は戦うことが元々好きらしい
生き残るためには仕方ないのは分かるし、自分も負けず嫌いな方なのでなるほどなぁと複雑な気持ち
出る杭が打たれる雰囲気の中で、名前を隠さずに自分を表現出来る人の強さを改めて尊敬する
信念を持って少数派にいる人たちには色んな人がいるけど
自分の枠から出ているから攻撃するようにはなりたくないと思った
そうは言っても自分も年取ったり酔っ払ったりしたら本能のままに他人を攻撃してしまうのかなぁ……
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人の不幸は蜜の味。その感情は何処から発生するのか、簡単に分かりやすく解説してくれた本。
集団への愛着が殆どない私はオキシトシンが足りないのかもしれない
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人間的である、愛が深いからこそ憎しみが生まれ、戦争が起こる……他に排他的になる気持ちを遺伝子や脳内物質や行動原理から読み解いてく一本。
自身や他人に当て嵌めてみて、よい気付き、悪い気付きが多分に得られる本じゃないでしょうか。
後半に描かれる、脳はなるべくサボるのが好き、思考停止している時の気持ちよさに言及していますが、自分も割とその気があるので、自分の意思、意見をなるたけ育てていくようにしたい…
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オキシトシンは愛情のホルモン。愛があるから自分がもつ正義のために、時には残酷なこともできる。日本人は資源が少なくて育てるのが難しい米をそだててきたから、災害が多い国に生まれたから、協力しないと生き残れない。同調力が高い(=自分で決定できない。責任を持ちたくない。脳はもともと選択したくない楽な方を選ぶので、楽に生きたい。)ので、その集団の中の正義から逸脱した出る杭を打つ。正義のために行動してるから、疑問もない。
オーストラリアで過ごしていて、日本人の性分が嫌だった意味がわかったけど、わたしもつくづく日本人だなと感じる。
自分で選択して、責任のある人になりたい。他人の決定したことを外の安全なところから、あーだこーだ言う人にはなりたくないなと感じた本でした。
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人はいじめをやめられないと被る部分があり復習のようだった。不倫の本に書かれてる不倫バッシングについても被る部分がある。
自分は協調性のある人間だと思うから本に書かれてるような実験されたらきっと同じことをするんだろう。
オキシトシンは嫉妬を生み出す。争いに勝ち続けて生き残った遺伝子をもつ私たちは戦いが好き。
今の世の中の平和を保つために異質を排除する。
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"安らぎと癒しの幸せホルモン"と呼ばれるオキシトシン。人と人のつながりを強め、愛着を形成する働きがある。オキシトシンは触れ合うことで分泌が増えるため、男女の性行為によってもお互いの愛着が深まる。男性の場合は射精の瞬間に、女性の場合は子宮頸部を刺激されることで、オキシトシンが分泌される。そのため、女性は性行為を持った相手に対して愛情を深めやすい。
一般的に女性はセックスをした相手に執着を持つ傾向があるが、そういうことか、と膝を打った。ホストの枕営業は脳科学的に正しい行いだったんだな。
タイトルの「シャーデンフロイデ」だが、まず自分よりも上位の何かを持っている人に対して、その差異を解消したいというネガティブ感情「妬み」がある。この「妬み」はさらに「憧れ」と「良性妬み」と「悪性妬み」とにカテゴライズされ、「シャーデンフロイデ」は「悪性妬み」を指す。
「憧れ」は、尊敬と相まってもはや相手に対するネガティブ感情ではないものに変化したものであり、「良性妬み」は、自分を鼓舞し成長する原動力となるプラス感情であるのに対し、「悪性妬み」は、相手を引きずり下ろして自分と同じか、自分以下の状態にしたいというネガティブ感情である。この「悪性妬み」は、攻撃者の匿名性が保たれる場合は特に有効となり、近年問題視されるネットリンチがこれに当たる。
妬まれてしまったと感じたときには、こうした妬みのサブカテゴリを念頭に置いて、自分の振る舞いをうまく演出すると攻撃を回避できる可能性が高くなる。
シャーデンフロイデには、既存の集団や社会を守る働きがある。既存の社会を壊そう・変えようとする人の台頭を許さないというのは、生物種としてのヒトに仕組まれた特性なのだ。自然災害の多い国で暮らす日本人は特に遺伝子的にこの傾向が強い。
興味深かったのが、決めごとの多い夫婦ほど離婚しやすい傾向にあるということ。二人で決めた「こうあるべき」からひとたび相手が逸脱すると、そうした相手を許してはならないという利他的懲罰の感情から逃れられなくなるという。
自分の意志だと思って取った行動の大部分が、実はただ脳内物質によって突き動かされた結果なのかもしれない。これは頭の片隅に置いておこう。