投稿元:
レビューを見る
【内容】
―このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。だけど厳密にやばいのはあんただ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ。身を潜めて小説の下書きを進める津田伸一は、退職金をいきなり手渡された。ついに“あのひと”が現れたのか?忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、うごめく裏社会、疑惑の大金…多くのひとの運命を狂わせた、たった一日の物語が浮かびあがる。数多の作家をも魅了した、ユーモアとスリル、そして飛び立った“鳩”のあまりにも鮮烈な軌跡。現代小説の名手佐藤正午渾身の最高到達点。
【感想】
主人公の小説家、津田がちょっとアホすぎて...
折角床屋のまえだに新しい職を得るのに手助けして貰い、
その日のうちに街を出るように忠告されていたのに、
目的はあるにせよ、10万近く酒でぼったくれ、
曰く付きの女と寝たりとか。
女を渡り歩くヒモであるところとか。
そもそも全てが偽札なのかどうか、
自動販売機で確かめてみたら良かったのに、とか。
客を追って、車に轢かれるとか。
でもどこか憎めないのが不思議。悪びれないからかな。
著者の直木賞受賞作「月の満ち欠け」を読んだ際、
現実感がない設定が個人的にはイマイチだった。
けれども、これはギリギリありえそうな設定。
物語が主人公の津田が書いている小説と、現実、想像と、
行ったり来たりだが、混乱せず、面白かった。
ちょっと読むのに疲れたが、
逆に言うと、読み応えがある作品。
投稿元:
レビューを見る
こう言うハッキリとした終わらせ方をしない本があんまり好きじゃない
大体まりこの件とか必要か?
こう言う余計な部分を抜いて1冊にした方が良かったじゃないか?
スピンでの秀吉と健次郎の会話はあくまでも津田の想像だよね
小説内小説があってメタフィクションぽくってそこは良かった
投稿元:
レビューを見る
この文章は、クセになりますね。
私は児童向けに省略されたピーターパンしか読んだことないけど、確かにあれは、こちらに語りかけていた。
ティンクが死にそうなとき「拍手してください!」みたいな指示があったのを覚えています。
それ以来です、こんな文章(笑)
ダメ男なんだけど、津田さんがなんか憎めないなあ。
まったくつながりなさそうな出来事が、あっちもこっちもつながってて、でも津田さんが実際見聞きしたことと、想像で書いてるとことあって、なんだか不思議な気分です。
投稿元:
レビューを見る
書いてなかったけど実はこの日はこうで・・などと後出しで次々謎が解ける感じ。
予想外の展開でそれなりに楽しく読めました。
投稿元:
レビューを見る
鳩の撃退法(下)読了。
(上)に続き(下)も一気に読みました。
大金の謎や『鳩』の意味が次々と明らかになりページをめくる手が止まりませんでした。
そして何より物語の描き方が斬新でした。
途中から主人公である津田さん書いている小説を読んでいる感覚になりどこまでが本当でどこまでがフィクションかが段々わからなくなる感覚になりました、だけどよく考えるとこの小説自体が佐藤正午さんの描いたフィクションの小説なので本当のことは何もないんです笑
なんか新しいカタチの小説に出会った気がして久しぶりに小説を読んでワクワクしました。
次はなんの佐藤作品を読もうかな!
投稿元:
レビューを見る
結局、そんなにたいしたことは起きてなくて、伏線の張り方が複雑?緻密?なのが売りなのかな?分からんけど、自分のいつもの読み癖だと、どうしても色々想像しちゃうから、結果ただ遠回りしてるだけの印象になってしまったかも。。。
最後は駆け足に読みました。
いつか気が向いたら読み返そう。
投稿元:
レビューを見る
ちなみに、本書を買ったのはある街の雑貨屋。レジ脇の小さな棚に、上下巻それぞれ100円という値段でさりげなく置いてあった。聞けば、店主が読み終えた本をただ置いているだけとのこと。長らく「読みたい本」リストの上位にあった本書を200円で手に入れることができ、活字の醍醐味を堪能できたのは、幸せ以外の何ものでもない。
投稿元:
レビューを見る
今夏に映画化と聞いて読んで見た
作中作で主人公の体験とフィクションと
入り混じり登場人物も多く整理しながら
読まないと訳がわからなくなり
なんてムダが多いだ〜と突っ込みたくなる
作品でしたが実に面白い作品でした
物語というものは
一つの出来事からいくつも伏線を張る事で
如何様にでも話が膨らむ楽しさがあるものですが、膨らむ程伏線の回収も難しく
どこに着地させるかは作家の見せ所
辻褄の合わないとこも理解できない事も含めてこの作品はとても面白かった
投稿元:
レビューを見る
言葉の羅列のトリックが詰まった本。自分はどんなつもりの発言でも、あとあとそのことばにたたられるということがある。話し方は十人十色。津田さんと沼本さんの会話は心地よかった。中らずと雖も遠からず。身につけた生き方は中々消せない。今という時間を過ごす意味を見出さずに生きているのは当然の事なんだと、まなびました。ピーターパン、佐藤正午さんありがとう。
投稿元:
レビューを見る
上下巻合わせて、1000ページ以上という結構なボリュームでした。読み終えた瞬間は、長い旅が終わったような感覚がありました。1ページにぎっしりと文字が詰め込まれていて、なかなか進みづらいなとは思いました。
また、正直わかったような、わからなかったようなジレンマがありました。
下巻では、送迎ドライバーから、場所を移し、ある事情でバーテンになります。新キャラが登場し、偽札事件や一家消失事件といった真相が明らかになるかなと思ったのですが、結局明確な答えがないまま、終わったので、消化不良な気持ちになりました。
何となく、こうなのではと提示していますが、あくまでも小説家の頭の中での物語?なので、本当かどうかわからずじまいでした。
また、一つ一つの行動や会話が詳細に書かれている分、想像しやすかったのですが、果たしてこの場面いる?と後になって思うところもあったり、時系列が行ったり来たりなので、まどろっこしいなという印象もありました。
上巻でもそうでしたが、これは小説の中の世界?現実の世界?といった右往左往しっぱなしで、それはそれでとても不思議な感覚がありました。
また、語り口調が独特な雰囲気を放っていて、ハードボイルドっぽくもあり、ちょっとコミカルでもあったので、その辺りが面白かったです。
映画版では、藤原竜也さんが主演ということで、津田伸一を演じるそうです。自分の中では、津田の年齢はもう少し上を想像していたので、ちょっと驚きでした。
視覚的に読んだ内容がどう映像化されるのか気になります。映画版では、ぜひはっきりとしていただきたいなと思いました。
投稿元:
レビューを見る
最後の最後に、ああ、そういうことだったのね・・・って。
「鳩」ってそれなのか。
もう主人公の物言いや行動にイライラして終わった。
こんな人、身近にいたら絶対嫌。
投稿元:
レビューを見る
この先どうなんだ、どうなんだーと読み進めていくも、
伏線の回収がしっくりしなくて、
ええー・・・と思ってしまった。
文体は、
超口語体の演劇(平田オリザさん)みたいな試みなのかなと。作者の脳内だだ漏れでより自然体に。思えば小説は文章作り込まれてるものなー。
この文体や構成をどう映像化するんだろう。難しそう。
投稿元:
レビューを見る
身の上話(同著者の作品)みたいに、語り部が誰なのかいまいち掴めない感じで話が進んでいく
作中作として、小説の中の小説家が小説を作っていく
けど、読んでる途中、これは佐藤正午さん本人のことではないかという感覚になっていった
小説家のリアルを読んだ感覚がしました
投稿元:
レビューを見る
上下巻で1000ページ超の大作だったが最後まで頑張って読んだけど結局なにが言いたいのか全くわからなかった。一家の失踪だとか偽札事件だとかいろいろあったけどなにひとつスッキリ解決しないし、そもそも今語られてる話がこの物語の本筋なのかそれともこの元作家が書いている作中作なのかもわかりづらかった。
会話も話があっちこっち脱線して読みにくいし最後まで読んだらなにかあっと言わせる仕掛けでもあるのかと思ったけど、結局なにもないまま終わった感じだった。
投稿元:
レビューを見る
佐藤正午の山田風太郎賞受賞作、下巻!
上巻に引き続きどれが本筋なのか迷う展開と、伏線だらけの展開で進みます。
忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、うごめく裏社会、疑惑の大金・・・どう落とすのかと一気に読み進めましたが・・「鳩の軌跡」以外の伏線は??
ある意味衝撃的なまでの消化不良!残されたモヤモヤ!
完結編とかでちゃんと落として欲しいです!!