投稿元:
レビューを見る
オーディオブックで聴書
本書は組織の発達段階を分類しそれぞれを色で表しています。タイトルのティール組織とは、この発達段階の新しい段階である進化型(ティール)のことを指しています。
内容については、進化型(ティール)の運営をしている企業を例に挙げ、その特徴を紹介しています。
著者が提唱する進化型(ティール)組織の3つのブレイクスルーがあります。
・"セルフマネジメント"が重んじられ従来のピラミッド型の権力構造はない。また、意思決定は同僚からの助言システムによってなされる。
・"全体性"により、従来は会社では自己を隠していたのに対し、本来の自分をさらけ出すことができる。また、紛争解決プロセスといった、同僚との円滑な相談、交渉を可能にする慣行がある。
・組織は自らの"存在目的"を持った生命体として考えられ、従来型の成長のための成長を求める癌のような組織ではない。また、従業員は自らの使命と組織の存在目的に耳を傾け、組織は純粋に存在目的達成のために運営される。
現在、自分の職場が本書で言うところの達成型(オレンジ)組織の色合いが強いように感じ、管理職の権力の乱用、管理体制による相互の不信感、それによる意欲の喪失に悩んでいます。
今後、自分で組織、チームや集団を作る場合は、進化型(ティール)の方法で行いたいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現 英治出版
18年1月に日本語訳が発売されて、話題となったティール組織。
今まで目指してきた自己変革組織の形に近いと感じた。組織の形態を歴史を紐解きながら定義しており、今の自分の組織そして目指す組織について共通言語を持って話すために有用なツールだと思う。必ずしもティールが最善なわけではない。またこれを完璧に体現している会社もない。
一言で言えば性善説に立脚し、社員の力を全て引き出していくそういう組織形態だと思う。連続的な成長に先に未来がなく、新しいビジネスを継続的にお越し続けなければ生き残れない厳しい今の世の中にとてもフィットした組織形態だと思う。
課題は現場主体にも関わらず組織としてティールになるためには、トップの深い理解とコミットがないと実現できないというところ。ボトムから変えられないと、日本の大企業は変わらない。しかし本当にそうか?ゲリラ的に有志活動を一つのティール実践の場として会社全体に広げていく、そんなやり方もあるのではないかと思う。
また、元々経営は三流、技術は一流と言われる東芝には馴染みやすい考え方だと思う。マネージャーを全廃し、徹底的に現場に全て任せるそんなやり方ができたら面白い。
☆組織の型
◯順応型組織
・ピラミッド型階層構造でトップダウンによる指揮命令系統。厳格なプロセスにより安定が重視。未来は過去の繰り返し。
◯達成型組織
・善悪の判断を成果の有り無しに置き換えた
・イノベーション、説明責任、実力主義がその突破口
・飛躍的な成長をもたらした一方、イノベーションの行き過ぎが、ニーズを作り出し、成長のために成長を求めるという段階に来てしまった。
・負の側面: 物質主義、社会的不平等、コミュニティの喪失
◯多元型組織
・お互いに助け合う家族のような組織
・価値観を重視する文化と心を揺さぶられる存在目的、権限委譲、株主やCSRといっま多数のステークホルダーの視点を生かす
◯進化型組織(ティール)
・大志を抱いているが野心的ではない人。
・エゴから自己を切り離す、自主経営(セルフマネジメント)、自分をさらけ出す全体性、存在目的
・人生を自分の本当の姿を明らかにする工程と捉えれば、自分の限界を現実と捉えて冷静に見つめ、心穏やかになれる。
☆ティール組織の特徴
◯自主経営
・上司もリーダーもいない、運営も仕事もチームで決める。信念に基づく反対が無ければ採用、しかし将来新たな情報があればいつでも見直しの可能性がある
・予め、他人の意見に耳を傾けたり、相手に意思を伝えるための方法、ミーティングの進め方、コーチング方法など、主要な実践的スキルを教育する。
・マネージャーではやくコーチが存在し、問題を防ぐためではなく、解決の支援をする
・チームメンバーは12人以下で、自分たちで作成したコンピテンシーモデルに従って相互評価する。
・スタッフ部門は極めて小さく、チームに仕事が移っている。人事部門もない。法務���いった専門家が必要な時は絞ってフリーランスとして業務委託する。
・チーム代表者会議で人のアロケーションの問題も取り上げられるが、そこで決定はせず、持ち帰ってボランティアが立候補する形で解決する
◯意思決定
・社内の関係者から助言をもらいつつ、担当者が行う。責任の所在が明確で、モチベーションと実践力を刺激する。
・意思決定するトップがいるわけでも、コンセンサスでもない。関係者は発言権を持っているが、進行の妨げはできない。
・権限委譲ではない、トップが持っている権限を与えるという発想ではないから。皆が必要な権限を持っている。
◯信頼
・恐れは恐れを生み、信頼は信頼を生む。組織のあり方によって人の振る舞い方も変わる。根本を辿れば自業自得。
・社内に重要で無い人はおらず、機密情報を含むあらゆる情報に触れられる。
・明確な紛争解決プロセス
まずは2人で話し合い、信頼できる人に仲裁を頼む、最後に委員会が関与する
・提案は決められたプロセスでチームで議論され、反対意見が無くなると採用になる。
◯全責任
・全ての人は何かも問題や機会に対して、何かをする義務を負う。
◯人事制度
・タレントマネジメント、キャリアプランニングは無い。自由な職場に溢れる様々な機会から自然と醸成されていく
・役割のマーケットプレイスがあり、自分の役割にプラスマイナスで格付けする。元気が出る仕事か?才能が生かされてるか?スキルが役立ってるか?など。
・報酬制度の設計はお金とどう付き合い、何に価値を置くかという大きな意味合いがある。
・ブルーカラー含め固定給にし、CEOの報酬を最低賃金の何倍までという形で上限を設ける。
・チーム内で話し合ってお互いの給与を決める。重要なのは、自己と他者の評価のギャップを擦り合わせるということ。フィードバックは大切。
・周りから助言をもらいながら、自分の成果を主張し、自分で給与を決めるやり方もある。
◯存在目的に耳を傾ける
・利益は副産物、空気のようなもの。必要だが、そのために存在するわけじゃない
・トップは方向性を定めない。しかし組織の存在目的は極めて明確。
・マーケティングは自らの内なる声に従い、世界のニーズを満たすべく最善を尽くす。
◯ティールの世界観 P.385
◯ティール組織を想像するための必要条件
1. トップがティールの世界観を養っていること
2. 取締役会、組織のトップがティールの世界観を養い、受け入れていること
・ミドルで一部をティールにしても上手くいかない
・トップの重要性はその倫理的模範を示すことにある。
・ゼロからの方が作りやすい。ヒント集 P.439
・変革する場合は、3つのポイントを一つずつ実践していく。
投稿元:
レビューを見る
次代の組織構造であるティール組織について説明してあり、経理等の専門組織を省いていることが印象に残ったが、果たして日本の会社でどこまで導入できるかや、納得のある評価がどこまで担保されるか等、導入に伴う困難にばかり目が向いてしまった。導入の難易度は国民性も大きな影響を与えるかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
これからの組織のかたちは、こんな風に変わるのかもしれない。
メンバーの自主性をとことんまで尊重し、会社だからといって「仕事モード」に切り替えずに自分を出す、そんな進化型のティール組織と、それを実践しているいくつかの企業について書かれている本です。
過去からの組織形態を、色に例えながら説明していき、最後にティールに辿り着く流れは、なるほど…と思わせる説得力でした。自分の職場はアンバー(軍隊的)とオレンジ(目標達成型)が混ざってる感じかなぁ。もしかするとレッド(マフィア的)も…?
そして辿り着いたティール組織について、例えるなら1900年時点で自動車について書くようなもの、という表現があり、なるほどまだ発展途上なんだなぁと思いつつ、その肝は「明け透けさ」にあるのかなと思いました。
率直さやあけすけさがビジネス上も貫かれて、例えば事業計画の立案なんかは「予測数値を述べよ、と言われたら途方に暮れる」という体で、未来なんてわかるわきゃないだろ!というまぁ当たり前っちゃ当たり前な話に帰結します。
…そんな中でも帰納物数をこしらえて何とか(時間をかけて)事業計画を仕立てている従来型の組織との違いを感じます。正直事業計画が不要とは思わないので、どちらが良いのか悩んでしまいますが。
これから世の中全体がこの方向に進んでいくのか。そうであれば、ちょっとワクワクします。
ちなみに、内容は良いのですが、本としては、ちょっと長すぎるのが難点か。。600ページ近い分量ってのは読み通すにも覚悟が要りますね(笑
投稿元:
レビューを見る
人類がこれまで開発・実践してきた様々な組織形態を、進化論と発達心理学の観点から分析・整理するとともに、今日主流となっている組織の限界を克服すべく新たに生まれつつある次世代型組織のあり方を提示した経営書。
著者が提唱する「ティール組織」では、信頼と対話及び集団的知性によって階層を不要にする「自主経営」、個人と組織・社会との間の境界を排除することでより自分らしく働くための「全体性」、組織が何のために存在するのかを常に問い続ける「存在目的」により、組織は一つの「生命体」として様々なトレードオフを克服し、進化し続けることができる。
著者自身、ティール組織の実現には経営トップや取締役会の深い理解が不可欠であるなどハードルが高いことを認めており、理想論として片付けるのは簡単だが、豊富な事例に基づく分析や概念的な整理から、より実践的なティール組織構築のノウハウに至るまでを網羅しており、マネジメントに携わる全ての人にとって読む価値がある良書。
投稿元:
レビューを見る
・進化型組織(ティール):自主経営(階層・コンセンサスでなく、同僚との関係性で)、全体性(一体感を持てる)、存在目的(組織の存在目的を常に追求する姿勢)
・ICTの活用:例 社内SNS(職員の活動やノウハウ)
・日本では、ダイヤモンドメディア株式会社(経営情報はすべて公開、肩書廃止、休みは自分で決めるなど)
・会合(この場の存在目的は?世界にとっての贈り物としたら何?)
・メンターは未知にオープンで勇気をもって歩む。個人や組織が最大の潜在能力を発揮するためにメンターは寄り添う。
・自己決定はストレスとなる。自主経営ができているか、一人一人が全体性を感じるか、個人と組織の存在目的を追求できているか、振り返り丁寧に実践。
・存在目的(この組織(役割・個人)はこの世界で何を実現したいのか?世界はこの組織に何を望んでいるのか?この組織がなかったら、世界は何を失うのか?)これらの問いを真摯に探究することで、組織・役割・個人が世界にどんな贈り物をもたらせるのか見つけ、更新しつづけることができる。
・ホクラシー
投稿元:
レビューを見る
①自主経営
②全体性
③存在目的
精神の進化に合わせた新しい組織論。
ある意味ではドゥルーズ的か。
実例がどれも魅力的。
投稿元:
レビューを見る
株主価値の最大化を追求する多くの達成型組織に対し、進化型組織は企業を存在目的を追求する一つの大きな有機体として捉える。組織論に留まらず、旧来的な資本主義社会とそれに付随するリーダーシップやマネジメント論、また働き手としてのキャリア論にまで一石を投じる、エポックメイキングな一冊。
「内発的動機づけに働きかける」思想はまさに「人を伸ばす力」で発達心理学をベースに述べられていることそのものであるし、またあらゆる書籍で述べられているような、中央集権的ヒエラルキー構造からネットワーク化、すなわち権力の逆流と分散化のパラダイムシフトとも文脈の上で合致する。(シェアエコ、トークンエコノミー、クラウドファンディングなどなど、その例は枚挙に暇がない)
ホラクラシー組織の隆盛と同じ文脈で、国内のIT企業人事・経営者コミュニティを中心に今年大きな衝撃を与えた、その話題性にも大いに納得。こりゃすご本ですわ。
投稿元:
レビューを見る
ボリュームが多すぎて読み疲れた。ところどころ良いところはあった。p2p的な評価をしっかり運用できないときつそう
投稿元:
レビューを見る
現在の働き方や会社とのかかわり方が、昔からどのように変わってきたのか、それが現在どのような形になっているのか、そしてどこへ向かうのか。私たちの今の働き方や組織に限界がきていることについては良く知られているかと思います。それを克服するための新しい組織論やその実践の例も見ることができます。本書がそれらと違うのは、今の組織の限界への解を、今の組織の考え方を脱し捨て去った先に見出しているところにあります。これは、個人で考えていても見つかることがないものだと思います。本書のように、その段階に挑戦し達している組織を取材することでしか、そしてそれを前向きに評価する気持ちがないと書けないと思います。
権限移譲するとはどういうことなのか。全員参加とはどういうことなのか。そのための参加者の条件とは。そういったことの答えの先に、本書が紹介されている新しい組織の考え方が見えてくると思います。
そして、最後のほうにあるように、社会は、会社は、間違いなく「TEAL」の形に向かっていくと思います。そのために、個々人として何を心がけておくべきかということを考えさせられました。
投稿元:
レビューを見る
憧れる世界です。
ただ、この世界はとても遠い。
なぜこの世界が成立するのか。
それはまったくわからなかった。
投稿元:
レビューを見る
これまで(そして今でも)は達成型の組織が多くを占めているが、
今後はティール的な要素をもった組織が独自の色を放ちながら市場で求められていくのだろうと思わせられた本だった。
?自主経営(助言プロセスによる意思決定)
?仕事に全体性を取り込む
?存在目的
この3点について考察されているが、確かにいずれも達成型組織とはかなり異なる手法で、組織運営がなされている。?は経営者の舵取りが難しいと記載があった通りで、経営者として勇気が必要だと思う。?は比較的自身の職場でも実施しやすい部分なので、今後意識していけたらよい。?はなかなか途中から変えられるものではないが、ティール的な組織でみなが独立していながらも組織として動いていくには必須だと感じた。
読むのには時間が必要だったが、具体的な例もたくさん出てきて、読み応えのある、面白い内容だった。
投稿元:
レビューを見る
現代版ビジョナリーカンパニーみたいでよかった。こういう企業文化で働いてみたいものだ。きっとすごく学びがある
投稿元:
レビューを見る
少し自分には難しいかなと思っていましたが、
頑張って背伸びして読んでみました。
分厚い本ですが、予想していたよりも読みやすかったので、何とか読み切れました。
内容はというと、組織形態について、革新的なアイデアにもかかわらず、
自分の中にとてもすーっと入ってくる内容でした。
ティール組織というと、単にフラットな組織なのかと思っていましたが、
それだけではなく、お互いの弱さをチーム内でさらけ出し、
助け合う自分が前々から考えていた理想的な組織に近いように思えました。
こういう革新的な組織形態は、日本の大企業に当てはまらないだろうな、と思いながら読み進めていましたが、
本によると、トップの意思次第では大人数の組織でも成り立つとのこと。
何かと変化が嫌いな保守的な企業では、実践するのは難しいでしょうが、
それでもどんな組織でも適応可能という点は驚きです。
こういう組織で働いてみたい、又は、
こういう組織をつくってみたいと思わせてくれるような本でした。
投稿元:
レビューを見る
なんとなくティール組織の良さは分かるものの、ある意味野放図な組織でどうやって成果が生まれるか最後まで分からなかった。そもそも成果を追わなくていいとするのであれば、普通のビジネスパーソンにとってはかなり違和感のあるものとなろう。
米国のように組織の下の八割が定期的に入れ替わる、あるいは他人と議論を通じて仕事の質を高めるということに対して理解があるならいいが、日本ではセルフマネジメントのできない二割が残り続ける、他人と意見を交わすということの価値が理解されていないのが大きな問題と思う。