紙の本
母と子のほろ苦い物語
2018/05/19 22:16
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投稿者:まもり - この投稿者のレビュー一覧を見る
安東さんの小説が好きなので迷わず読む。最近の作品は短いものが多かったので長編で一冊というのは久し振り。全然内容知らずに読んだが、これは母と娘の物語で、私は母の子供であり娘の母であり、両方の視点から物語に入り込み、両方の気持がガチッと分かってしまうところも多く、改めて「親子に限らずそれぞれに言い分ってあるよなあ」としみじみ思う。親子だからこその葛藤や難しさを折々に実感してもいるので、今後何かあったらこの物語を思い出したい。難しい語彙など使わず心に響く物語を描き続ける安東さんの作品を今後も読んでいきたいです
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
母娘の関係。
わかるところもあれば、きついなーつらいなーと思わせるところも。
一理あるとは思うけど、難しいな。
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大好きな安東みきえさん。相変わらず、きらきらしてちょっと意地悪にもなれる異質な感性が嫌い好きどっちも。友達同士の毒混じりのポップな会話が楽しい。阿吽の呼吸でやり取りしていいるところなんかは、ばしっとハマっていてそりゃあカッコいいのだ。
母と娘の関係。母になり、しかし未だ娘でもある立場の私は両方の気持ちが分かる気がしたものの、そういうのっておトク?のようで結局中途半端にしか分かっていないのかも。
老いや衰えを子どもに実感されちゃったら、いよいよ労られる立場へと変わって行くのかな…なんて、ちょっと身震いした。
イカ軟骨。食べてみたい、
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中学生の娘と母親。
娘は自分の目から見えている母親のことしか知らない。
母も同じく。この時期、こじらせちゃうと大変だからね。
ちょっとホラーで友達と助け合っちゃう、いいお話でした。
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会話が多くて軽快で、文章も分かりやすくワンセンテンスが短いので、たいへん読みやすい。あまり本を読まない子どもでも読める。
テーマは母と娘の絆だが、いさかい、行き違いがあってもそれほど重くないし、あまりドロドロにもならず、後味も良い。娘たちの友情が爽やかなので、安心して読める。
中学生の主人公の志保と友人の美月、大人の繭さん、三組の母娘が描かれるが、最終的には母の愛が感じられるように描かれている。
思春期になり、娘が母を批判的に見るようになるのは、子どもが成長したからで、ある意味喜ばしいことなのだな、と思った。
金井美恵子の『小春日和』を思い出したりもした。小説としては金井美恵子の方が上手いが、中学生に読ませるならこれくらいが分かりやすく、毒が少なくて良い。
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中学校1年生の志保は、親友の美月と美月の想い人日比野と3人で近所の空き家に肝試しに行ったところ警察に捕まってしまった。家主である繭に謝罪に行ったところ、幼なじみで同級生の祥吉と出くわし、彼が、ミニチュア作家である繭のファンでよく手伝っていることを知る。自由人の繭に興味を持った彼女は、それからも繭の家を訪ね親しくなっていく。あの空き家は繭の実家で、最低限の修理をして移り住むつもりだという。次第に実家へのこだわりを強めていく繭に志保たちは不安を感じていく。
*******ここからはネタバレ*******
母親に「何もかも足りない」と思われていると感じる志保。
娘は自分のキャリアと引き換えだったと思われている美月。
大家族で仲がいいけど、父親は失踪中の祥吉。
自分の自由を束縛されたのが嫌で吐いた暴言が、母に言った最後の言葉になり、亡母が悲しみのあまり空き家に留まっていると感じている繭。
思春期の親との葛藤を空き家を巡るエピソードを中心に描いていく。
親の愛が重い、ウザいと感じる年ごろの娘たちの言動に、母としては傷つきますが、身に覚えもあるので、文句も言えません。
この心理の掘り返しはとっても見事ですが、さりとてそう簡単に解決もしないので、この物語も空き家の崩壊で幕を閉じてしまいます。
きっとこの先にもいろんな葛藤があって大人になっていくんでしょうね。
空き家の幽霊の存在が、ちょっとこの物語をファンタジーにしていますが、かえって歯切れが悪くも感じました。
特に繭はもう大人なのに、母親の呪縛から逃れられていず、それが中学生たちの不安感を増大させる役割になったのではないかと思うからです。
児童書ですから、なんとか彼女だけでも、何となくではない親からの自立を希望として持たせてほしかったと感じます。
ウザい母親へのきつい切り替えしの言葉が載っているので、子どもには薦めたくないですね(笑)。←冗談です。
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最後まで一気に読みたくて時間を忘れてしまった。がみがみうるさい母親に対する気持ち・・・・改めて、まさに同じ年齢の子たちを持つので、親としての関わりについて、色々身に染みるところがあった。明日以降、気を付けていきたい。
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思春期の子どもって、考えることが純粋と残酷が入り混じっていて、でも時々周りの大人たちよりもしっかりしていて…。危ういストレートさが、大人の代わりに行動や言葉にできる、10代の特権なのかなと少し羨ましくもなりました。自分の思春期を思い出しながら、共感したりちょっと懐かしくもなりながら読み終えました。
あの白い影は繭さんを守ろうとしていたのだと、大人になった私は思いました。 優しい物語。
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中学一年生の思春期の子どもが抱く親への強い反抗の気持ちと、それを辛辣に伝える台詞が、私自身も子どもを持った今、思った以上にこたえる。大人のちょっとした言動を子どもはよくみてるんだなあ。自分自身を振り返ってもそうだけど。
幽霊屋敷での探検と、自由人に見えるが実は彼女も亡くなった親との葛藤を抱える繭との交流も、最後は伏線が回収されて、話の筋も面白かった。
クライマックスでは、やっぱり子どもではなくて大人が子どもをしっかり救ってあげられて、カタルシスがあった。
美月のお母さんの下記の台詞を、私自身も忘れずに、毎日一生懸命家庭をつくっていきたいと思った。
「もしも私なら 、最後に大嫌いって言われたってどうってことないわ 。子どものついた悪態なんてなんでもない 。覚えてもいないわ ! 」
「子どもが自分のことをどう思ってるかなんて 、気にしてらんないの 。そんなひまはないのよ 。きっとあんたのおかあさんも娘の言葉に傷ついたりしてないと思うわ 。だからだいじょうぶ 。なんにも悲しむことなんてない 。」
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同じ病院で同じ日に産まれ志保と美月。その二人と保育園が一緒だった祥吉。
思春期真っただ中のあのややこしい時期の物語。
親との軋轢。反発。あるね、思春期には。
大人の繭と知り合うが、そこにも母と娘の軋轢があった。
素敵な物語でした。
志保と美月、祥吉はどんな大人になるんだろうなぁ。
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子どもを一番傷つけるのは母親だ、というのを聞いた時、妙に納得したのを覚えている。
娘を想って、心配して口にした言葉や、なんの気なしに放った言葉がまるで呪いのように娘を縛ることがある。
多分母も祖母の言葉に傷ついたことがあったんだろうなあっと今は思う。
もし私が母になることがあるのなら同じ轍は踏まないようにしたいものだが、やっぱり傷つけてしまうのだろうなあっと思うと怖い。
この本の内容とは逆行してしまうけど、天使が聞いてくれたなら、私はきっと断るだろう。
でもそーゆーことを考えるのはこの思春期特有のものなのかしら?とすると私はそこから未だに成長できてないのかなあっとため息。
でも魔物な親は増えてるし、自然は季節ごとに牙を剥くし、エネルギー問題も食料問題も、汚染水問題も解決する気配もないし、治安も人権もなにもかも危機に瀕してるし、
どうやったらこんな世界に生まれてきたいと思えるのだろう?
それでも繭さんに熊井さんがいてくれて、祥吉に美月に志保と出会えてよかった、とそう思う。
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おもしろかった.内容がちょっと子ども向けだけど良い話だった、半日で読み終わった.親と子どもの関係、生まれる前の選択、考えさせられた
志保と祥吉が恋愛に繋がるかなて、ならなかったね笑
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母と娘。
お互いがお互いのことを心配せずにはおれない、でも嫌いなところは絶対ありそうでそれを無視できない。お互い一人の人間だけど、母は母であるがゆえに、娘の嫌いなところを矯正したくなるのかな。娘はそれを、純粋な心配だけではないことを感じ取って、嫌悪感を覚えるのかな…。
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子どもたちの友情を感じ、こういう時期って一瞬だったなぁと思い返す。
一緒に冒険することの楽しさもこの時期だけの特別なものだったと。
だけどこの物語は、母娘の関係性をゆっくりと確かめていくようなものであった。
中学一年という微妙に面倒で中途半端な時期。
反抗期真っ只中といっても過言ではない時期。
親をウザいと感じ、親も子どもの気持ちがわからない。
微妙な関係のまま、大人になり親に悪態をついたまま、親に死なれた繭さんの気持ち。
その繭さんを奮い立たせるような美月ちゃんのママの怒鳴り声。
きっとみんながそれぞれに何かを感じたであろう。
わかってもわからなくても、何かを。
親になってわかること、子どもだから思うこと。
だけどみんな最初は子どもだった。
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母と娘の話
掃除は物をどかすことで、片づけられたゴミは別のところへ形を変えてずっと存在し続ける
この考え方がしっくりきました
死別した人の家を片付けない繭さんの気持ちの描写が好きです