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乙一が違う名前で執筆していたとは知らなかった。
乙一(黒も白も)好きだったので買ったんだけど・・・
ちょっと期待外れだった。
淡々と語られる感じは好きなんだけど、全体的に物足りない。
切なさ成分が足りないー。
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どの暗がりにも
光がふりそそいでいて。
私の頭が正常であったなら
出会うことがなかったものに
愛を感じて
また自分を大切にできる気がした
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「山白朝子」名義の作品は、描写がきつい作品が多かったが、今回が最もきついと断言できる。子を持つ親という立場で読むと、尚更である。これは、現実社会の理不尽そのものだ。
「世界で一番、みじかい小説」は、本文中に出てくる。霊現象に見舞われる夫婦。普通にホラーの作品かと思っていた。きちんと謎が解かれて終わる。しかし、最後に明かされる事実こそが、主題だった。最初はわからなかった意味が、突き刺さる。
「首なし鶏、夜をゆく」。いかにもホラーっぽいが、主題は違う。むごい。あまりにむごい。しかし、少年に何ができたというのか。「酩酊SF」。ある特殊能力を借りて、金持ちになった青年。しかし、その能力が、彼に見せた未来とは…。未来への干渉はSFの定番ネタだが、山白朝子流に料理すると、こんな斜め上の結末に。
「布団の中の宇宙」。書けなくなった作家が、あるきっかけから、執筆意欲を取り戻す。その理由とは…。彼にとって、これでよかったのかは、もはや確認しようがない。確認したくはないが。タイトルからしておいおいおいおい…「こどもを沈める」。それは因果応報なのか? とにかく、踏みとどまってよかった…。
再収録された「トランシーバー」。震災がテーマとだけ書いておく。こういうのは弱い…。本作中最もきつい「私の頭が正常であったなら」。こういう夫は現実にいそうで、げんなりさせられる。あまりにも酷な体験をした彼女だから、アンテナに受信することができたのだろうか。「2人」とも、この先に幸あれと願うのみ。
最後の「おやすみなさい子どもたち」。人間は与り知らない、編集スタジオの存在。当然、彼も知らなかったが、何かおかしい…。これには、まさかの真相が隠されていた。きつい作品が多い本作品集にあって、読後感を多少は和らげてくれるだろう。
子どもが不幸になる作品が多い。その点については勘弁してくれと言いたいが、救いがないことはないので、何とか読み通せた気がする。誰にでもお薦めはしにくいが、黒乙一と白乙一が高度にせめぎ合う、傑作作品集ではないか。
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読み終えて著者のプロフィールを見た時に「趣味は焚き火」と書いてあって、分かる!なんて笑ったけれど、実は乙一さんの別名義だったとは知らなかった。
物語の中には悲しいこどもがたくさん登場して、表題を見てクスッと笑いながら手に取ったことを後悔するほど、「私の頭が正常であったなら」の意味が分かった時には胸が張り裂けそうに苦しくなったりもした。
死に繋がる苦しい話の連続で、最後の天使の話が全ての話に繋がったような気がして、そこにせめてもの救いを感じた。
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帯の「中田永一氏絶賛‼︎!」に笑ったのも束の間…
ページをめくるたびにチクチクしたようでキラキラしたような冷たさと、とくに後半の4編は涙が溢れてくるやさしい物語の連続でした。
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短編集。冷静に幽霊を観察して、訴えている内容をくみ取ろうとする「世界で一番、みじかい小説」を読めただけでも良かった。
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他の人のレビュー見て
この作者も乙一さんだったと知り驚いた。
それにしても面白いことする人ですな。
全体的に良作、中でも
「世界で一番、みじかい小説」がよかったかな
幽霊について冷静に分析してる感じ
凶器を食べたことによって
死者の意識が取り込まれてるっていう設定が斬新。
それと首なしで生きてた鶏が
実際に存在したことも初めて知った。かなり衝撃。
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帯を見たとき、つい笑って自画自賛かよっとツッコミを入れたくなりました。ホラー小説ですが根底には何とも悲しく切ないものがありました。離婚した夫が妻に再婚を求め断られたときに呟くちょっとした台詞にすらゾクリとさせられるほど、必ずどこかに残酷な部分があって大人のホラー小説だなと思いました。
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読メでのどなたかのレビューで面白そうだったので図書館へ。
いやあこれはなんともいえない雰囲気を醸し出している作品だな。
この雰囲気はスゴい好き。
読んでいる間現実と自分の間に壁があるように感じていた。
なんだろうこの雰囲気。
世界との隔絶。
この感じの作品にたまにであうとスゴい嬉しいんだよなあ。
どの短編も異常な出来事ばかり起きているにもかかわらず、登場人物たちが冷静で論理的なのがさらに非現実感を醸し出す。
この本を読んでいる間の僕も少しズレた世界に踏み込んでいたのかもしれない。
よい作品であった。
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突然幽霊が見えるようになり日常を失った夫婦、首を失いながらも生き続ける奇妙な鶏、記憶を失くすことで未来予知をするカップル、書きたいものを失くしてしまった小説家、娘に対する愛情を失った母親、家族との思い出を失うことを恐れる男、元夫によって目の前で愛娘を亡くした女、そして事故で自らの命を失ってしまった少女。暗闇のなかにそっと灯りがともるような、おそろしくもうつくしい八つの“喪失”の物語。
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リリカルホラーとでも名付けたい、ちょっと背筋がヒンヤリして、最後に温かいものが心に湧き出てくるような奇譚集。
8つの物語はどれも悲しみをかかえて彷徨う魂の物語といえるかもしれない。体は滅びても、この世に残る魂の残像のようなものを優しいまなざしで救い上げた物語は、読後に嫌な気持ちをもたらさない。
特に、アンソロジー「メアリー・スーを殺して」にも掲載されていた「トランシーバー」がいい。
乙一も好きだけど、山白さんもいいわ。
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一見するとおかしな主人公たちが死というテーマに沿って行動していたように思える。
途中のは理解できなかったので飛ばし読み。
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踏み出したら、どこかへ行って戻れなくなるかもしれない短編集。
表題作「私の頭が正常であったなら」はあまりにも哀しい自問ですね。
境界のギリギリ手前でどちらが幸せなのか、悩む。
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読み終わった後に、ざらっとした嫌な感じが残る日本のホラー小品集。
記された異常現象は物語の中としては解決しているが、読み手としては、嫌な感情は抜けない。
ある意味、とても日本のホラーらしいホラー小説。
印象には残った。
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幽霊でてきます、ちょっと怖いです。
ゾッとしますがホッとしたりもします。
「喪失」がテーマということで
限りなく暗い感じがしますが8編の作品は
ほどよい長さで読みやすかったです。
暗い感じだけではないのがよかったです。
最後に薄暗いところから少しだけ光度が増すような終わり方が多くて、
その話は好みでした。
「首なし鶏、夜をゆく」だけが苦手。
タイトル通りだからね。
山白 朝子と言う作家は
中田永一であり乙一だそうです。
おそらくアンソロジーで読んだことありますが、
1冊全部よんだのは初めて。。と思う。