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2016年に選挙権が18歳へ拡大されてから8年が経ちました。若い世代の声を政治に反映させるという目的は、果たしてどの程度達成されているのでしょうか。
今でも、政権与党の政治家の不祥事やスキャンダルはなくならず、内閣支持率も高くはありませんが、選挙の結果は政権が交代することなく、「国民が声を上げても結局政治は変わらない」ということが続いているように感じます。
結局、選挙をしても変わらない、という意見は度々聞かれますが、まずは投票に行くということが必要だろうと個人的には感じています。2021年の衆院選、22年の参院選では投票率がそれぞれ53%、54%でした。かろうじて「半数」は超えていますが、これでは「国民の不満を反映して政治を動かす」ことはできないだろうと思います。
この小説の中には様々な政治家が出てきます。世襲政治家のボンクラ、理想ばかりが高いエリート官僚出身者、既得権益を守ることに奔走する政治屋タイプ…理想的な政治家とはどのような人物なのでしょうか。果たして、国会議員として立候補するために「その資質を測るための試験」を導入することは本当に日本のためになるのでしょうか。
特に若い世代にはこの本を読んで、選挙に行って欲しいと思います。「自分が応援する人を国会に送る」ためであっても、「どうしても賛同できない人が国会に行くことを防ぐ」ためであっても、まずは投票に行かなければ何も始まりません。私たちの手に選挙権があり、「普通選挙」が行われていることは「当たり前」ではありません。歴史をふり返れば厳しい戦いがありました。
選挙に行き投票するという権利の行使に、資格を審査する試験である「国民基礎テスト」はないのですから、恐れることなく参政権を使い、政治を国民一人ひとりが自分事として考えてほしいと思います。
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思っていたのとは違うなぁ…という感じ。
割と理想論が多い。ただ、現状の政治に対して憂いていることは同じだと思った。
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国会議員の検定試験というテーマが面白そうなので、借りてみました。
とても軽い感じで読みやすく、号泣県議やうちわ大臣など、「そうそう、あったなぁ」という話も添えている。
チャランポランな三世議員と、その尻拭いをする秘書が、どんな道を進んでいくのか…楽しく最後まで読み切りました。
正直、現実の政治家には、不信感と諦めのような気持ちしか抱けません。
でも、判断力、行動力、責任感、それらは政治家に求めると同時に、国民一人一人にも求められるものかもしれないと思いました。
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国会議員の資質というものに着目し、資格試験を味付けに用いたのが新鮮で面白かった。
キャラクター設定が類型的だったが、現実の政治家や官僚にいそうな感じもするので違和感はない。
ストーリーのほか、章ごとのタイトルにも工夫が見られてよかった。
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国政をめぐるドタバタ劇
黒部優太郞は栃木県選出の衆議院議員でいわゆる世襲の3世。苦労知らずのお坊ちゃんで国会議員としての自覚がなく遊び回っている。
優太郞の政策秘書の橋本繁は元官僚で優秀なだけにそんな優太郞を苦々しく思っている。
そして一計を案じて優太郞を辞職に追い込み後任として当選するが…。
作品の構成全体が「第一章 基礎編」、「第二章 中級編」、「第三章 上級編」、「実践編 選挙に出馬して議席を獲得せよ」となっており、各節も「政治とはなにか」、「党の公認を得る方法について述べよ」、「政治活動と選挙運動の違いを述べよ」と、本のタイトルで本書を貫くテーマである「国会議員基礎テスト」に連動している。
議員の描写が懐かしの号泣議員や料亭議員など、時事問題を扱っているためにやや古びているきらいもあるが、全体として全く政治が変わっていないことにがっかりする。むしろ安倍管政権の結果、行政府が慢心し、野党がふがいないなど、より悪くなっているのか。
ともあれ一度挫折した優太郞が様々な経験をして成長し復活するストーリー全体はベタだがなかなか読んでて楽しかった。
映画やドラマ化したら面白いかもしれない。