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おもしろかった。ラストはなんとなく予想できたんだけど、そこに至るまで、いくつか仕掛けがあり、楽しんで読める。こういう犯罪ものって、なぜか犯人が逃げおおせるよう応援してしまうようになっていて、そこが人間心理の不思議なところだ。
映画化の話もあるようだが、確かに向いているかもしれない。ある一つのサプライズは映像化に工夫がいりそうだけど。
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本編421頁の文庫本に千円以上支払うのは冒険で、まして海外小説となると尚更だが、この巧妙に構築された物語にはそれだけの価値はあった。三部構成から成り、導入部である第一部は随分もたついた印象も受けたが、第二部から物語は急加速し、視点と時系列を絶妙にずらしながら進む。紹介文に嘘偽りなく、正に【追う者と追われる者】の心理的攻防戦が始まる。全く共感出来ない主人公だが、何とか逃げ果せてくれ…!と応援したくなるのはある種ダークヒーロー的爽快さを感じるからか。余談だが、食べ物の描写が多くて味覚的にも楽しめる作品だった。
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初読。特に記憶に残らない。
「その女アレックス」の下位互換的な。
刑事がせっかくキレ者っぽく出てきたのに、結局犯人が美人だから下心のストーキングを続けたら偶然刺されて捕まえられましたってところが繋がってなく残念だった。
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交換殺人の話かと思ったらそうではなく、自分のプライドを傷つけた、あるいは自分に不快な思いをさせた、そんな存在を次々と亡き者にしていくサイコパスの話だった。
潔癖過ぎる故に他人の夫婦事情にまで首を突っ込むのかと思ったら、なるほど、そういう繋がりだったかと、そこは面白かった。
ただ登場する人物たち、殺す者も殺される者も、皆が皆自分のことしか考えていないので感情移入も共感もせず、最終的にこのサイコパスが破滅しようが上手く逃げ切りようがどうでも良かったのだが、どんな結末を迎えるのかなということは気になって読み進めた。
最終的にはよくある皮肉めいたオチなのだが、このような結末をサイコパスは全く考えていなかったのだろうか。いかに田舎とはいえ、このようなことが起こり得ることは一つの可能性として考えるべきで、『死体を完全に隠す』ためには、もっと上手いやり方があるんじゃないかと思ったりもする。
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人のスキャンダルは、みんな好きでしょう?
って感じで、ついつい読み進めてしまう。
どんどん転がっていくリリーだけど、
もうひとりの欲のある刑事も参加してきて…。
かなり読みやすかったです。
心の描写で文字が詰まっていても、ダレない。
原文?翻訳の巧さなのでしょう。
リリー以外は欲に動かされてる。
魅力的なキャラだし、ダークヒーローになったらいいかも。
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評判がいい理由がわかる。読者を騙す、驚かすことに特化して、エンタメ性にも長けた作品だ。今年の海外作品でおすすめといわれたら、薦めるべきミステリである。
映画的な犯罪小説。サスペンス。気軽に翻訳もの読みたい方はぜひとも。
空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し、協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の策略と攻防を描く傑作ミステリ!
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題名からして最高。
三部構成で、その章ごとに登場人物の視点で物語られる。
その展開にずるずると引き込まれる。
やはり魅力的(?)なリリーが、なんとも言えない。
原題は“The Kind Worth Killing”(「殺されてしかるべき者」)。
その信念と行動たるや…。
物語の導入部や、途中の複線。そして、最後の結末。
やはり、「あの人」が鍵を握る人になるとは。
描かれない物語のその後が、どうなったのか想像する。
個人的には、原題の“The Kind Worth Killing”(「殺されてしかるべき者」)よりも、この『そしてミランダを殺す』の方が、すごくピッタリきた。
だって「そして」だから。
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空港のラウンジでお酒を飲みながら飛行機の出発を待っていた男性は、赤毛の女性から声をかけられた。
彼女と話すうちに彼は自分の妻に裏切られている事を語り始める。美人の妻は二人のための家の建築を指揮していたが、建築業者のリーダーの男性と浮気をしているのだ。
妻は否定しているが、本人が気づいていないだけで、彼は建築中の新居で妻と建築業者の二人が愛し合っているところを目撃してしまったのだ。
そんな酷い仕打ちをした妻を殺してしまいたい…
その話を聞いた赤毛の女性は意外にも協力したいと言ってきた。
もし、一週間経って、まだ彼の気持ちが変わらないなら、まだ妻を殺してしまいたいと思っているなら、再び会おう、会えたなら、妻とその相手を殺してしまう方法を教えよう、そう言って二人は別れた。
そして、一週間が経った…
妻に浮気された男性 テッド、そして妻殺しの手伝いを申し出るリリーの二人の一人称語りの章が交互に続いていく。
テッドの章が妻への憎しみを確信していき、徐々にリリーに惹かれていく様子を語る一方で、リリーの章は彼女の少女時代に起きた事を語る。そして、リリーの章が現在にまで繋がり、テッドがいよいよ殺人を実行に移そうという段階で、事態は思わぬ方向に…
と、ここから第二部になり、一人称で語る人物が変わる。それによって、そこまで語られなかった登場人物の意外な関係性も明らかになる。
勿論、人を殺めることはいけないことなのだが、殺人を薦めるリリーに少し肩入れして読んでしまう。それ故にラストで明かされる事実が余韻を残す。その辺りも作者の計算なのだろう。
他人に評価を聞かれれば、絶対面白いと答えるに違いない作品。
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章ごとに入れ替わる登場人物の視点で語られ、
ストーリーはテンポよく進行していきます。
しかも予想を裏切る意外な展開に、
グイグイ惹きこまれてしまいます。
フィクションだから面白く読めるけど、
ごく普通に社会に溶け込み、
自分が狂っているとわかっていない人が、
実際に近くにいたらと思うとゾッとします。
罪の意識がまったくないということが、
もっとも怖ろしいところですネ。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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女子高生のメイクみたいに過剰でもなく、後続車に煽られ散るかのようなスピードで話は進み、あーお酒のみたいなとか思いながら柿の種バリバリ頬張りながら読む、そんな本でした。全世界の日本語流暢なミランダさんが読みたいものリストに入れない本ナンバー1なのは確か。
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主人公の性格を好きか嫌いかで、ハマるかどうか分かれそうだけど、主人公好きだったので一気読み。
ただ帯の「まさか〇〇○が〇〇〇〇とは、普通は想像しないだろう」の〇に入る言葉が分からなかったので、それが知りたいです...
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非常にキャッチーな邦題だと思いました。原題は「The Kind Worth Killing(殺されて当然の者)」とのことで、この小説のテーマといえますが、放題のほうが読み進めるうちにそれが分かってきて面白かったです。複雑な設定のはずがそれを感じさせないのは構成のうまさでしょうか。ラストまで緊張感もって読めました。
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登場人物が少なくて読みやすく楽しめた。
まあ、最後は予想の範囲だったけど。
やはり過去の成功体験が失敗の基になるんだろうな。
刑事を刺したのはいただけなかったなあ。
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空港のラウンジでの男女の出会いが、思いがけない事件を呼び起こす…、男女のモノローグで綴られていく物語は意外な展開を見せ、因縁あるふたりを呼び寄せていく…
読み終えてみれば、これは「彼女」の特異な人格からなる犯罪小説だったいうことがわかりますが、途中までは殺す殺されるのサスペンスが表に出ていてスリリングな展開で先をなかなか読ませません。
登場人物にはいわゆる「良い人」がいないので、下手に感情移入することなく話そのものに没頭できたのは良かったなとも思ったりしました。
相当の悪女であったミランダは、けれどそれは後天的な性格でしかなく、生まれながらに平然と邪魔者を排除できてきたリリーにとっては、ちょっと邪魔くさい羽虫ていどの存在だったのでしょう。善悪の区分などなく、障害物をはらうように、生きられる人間。その特殊性がだんだんと際立つように自然と描かれていて、巧さを感じました。
最後の落としどころもまた見事で、彼女はそれでも逃げ切れるか、あるいはあっさりと捕まるか、という想像も楽しいです。どちらでも彼女は平然と慌てることも泣くこともないのだろう、と思えるからです。その孤高、特異性あっての彼女であり、魅力なのですから。…もちろん、彼女と関わりたいとは、微塵も思いませんが。
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殺人に至るまでの動機や方法が安易過ぎる気がする。登場人物の視点ごとの章立てや最終章のオチに関してもそれほど目新しいものはない。ただ、解説の中でも触れられているが、サイコパスという登場人物の心理をもう少し掘り下げられていればと思う。
それにしても、刑事の書く詩がチープすぎる。