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本作に登場するキャラクターは誰も彼もが「プラネット」での勝負を楽しんでいる。それは勝負であっても、同時に遊びだからという要素が大きいのだろうなと思わせる
そんな中で第2巻から登場するアカリはとてもストイックなキャラクター。自分が目指す「完璧なる戦歌姫」になるために努力と向上を怠らない。そして彼女から見れば同じようにストイックに鍛えて「絶対的な存在」になったA1を尊敬していた
だというのにそのA1は女の子とベタベタしているように見えるし、その女の子は自分の目指した理想形に近い存在と厄介な状況
第1巻に続きゲーム内だからこそ出来ること、目指せるものが話の中心となっている。
アカリが目指すのは最高に可愛くて格好良くてそして強いなんて全部盛りにも程があるアイドルの姿。こんなものはリアル世界では絶対に両立できない。けれど、それが「プラネット」なら目指せる
そんなアカリが尊敬していた鋭一の隣りにいるのが最高に可愛くて格好良くてそして強い葵なのだから面白い
だから、アカリは当初ツンデレ気味の対応に終止する。それは変わってしまった鋭一の姿や理想そのものの葵に戸惑っていた面が強いのだろうね。ここで葵とアカリの関係性を恋敵のようなものにせずに、親友であると同時にゲーム内で思う存分に殺し合える関係にしたのは大きく評価したい
改めて思うのだけど、本作で扱われる「プラネット」というゲーム舞台で活躍する鋭一に変にシリアスな設定を作らず、又妙な陰謀に巻き込まれる展開にしない点は好印象だったりする。
そのお陰で葵が暗殺術を継承しているなんて一歩踏み外してしまえば際限なく重苦しくなってしまう設定や、自分と鋭一達は敵なのだと頑なになりかけたアカリとあっさり戦術トークで盛り上がれたりする土台が違和感なく出来上がる
本当に誰も彼もが楽しそうなんだもんなぁ
ただ、不満が有るとすれば鋭一まで暗殺術を身に着けてしまうのはいくら何でも卑怯じゃないか?なんというか暗殺術は最後まで葵の専売特許であって欲しかった自分がいる