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カーネションを贈る意味
2018/06/02 10:54
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語は諒子と美咲の視点から語られ、子供と引き離された母と、母を亡くした娘ということから、この二人の接点がだんだん後半になると結ばれていくが、1回読み終えてもなかなかつながらず再度読んで納得です。
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2人の母諒子と美咲。
閉ざされた育児の期間に、たった1回子供を叩いてしまったために離婚し子供を手放すことになった諒子。
思うように行かないイヤイヤ期の娘杏に手を焼く美咲。
子育て経験者には、心当たりのあるような2人の気持ちに苦しくなります。
今になって思い返せば、その時間までもがいい思い出。
さらに大きくなった子供に、違った意味で手を焼く時には、その頃のことなんてなんてことない事だったなどと思う始末。
通り過ぎるまでの一時のことなんですけどね。
二人の関係性など、読み進めるうちに、あーやっぱりねとなる展開で、安心して読みました。
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母は子を持った瞬間から母にならざるを得ないのに、ぜんぜんそんな理想的な母にも、甘い生活もなくて、戸惑い、疲弊する姿は見に覚えがあって、反省を含め、ちくちくする。
母の日、カーネーション
読み進めるうちに登場人物が繋がり始め、面白かった。
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なんとなく手にとった本、初読み作家さんだけど、思った以上によかった。
赤ちゃんが小さいときに思わず手を上げてしまう、夫とはうまくいかない、義母はトゲトゲしい…
過去の自分を見ているようで読んでて辛くなった。いろいろあるよね〜と言いたくなる。
最後、うまくいきすぎてると思うけど、小説なのでこれでよかった。
はじめての子育て中のお母さん、忙しくて読む時間は無いだろうけど、ぜひ読んでほしいです。
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これは…育児真っ只中の自分には身につまされる物語。
登場人物がどこでどう結びつくのかページをめくるのももどかしく辿り着いた結末は、途中からある程度予想できていたものの、胸が詰まり涙が滲んだ。無理があるなと感じる部分や親しい人の裏の顔というショックもあったが、最後は素直によかったと思えた。
序盤に諒子を孤立させた家族の無理解と冷たい他人事の対応は一昔前がモデルだと思いたいけど、現実は早々変わらないんだろうか。どうか育児に追い詰められる母親に周囲の理解とサポートの手が差し伸べられる今と未来でありますように。
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【あらすじ】
たった一度だけ娘に手をあげてしまった姿を義母に見られ、娘と離ればなれにされてしまった図書館司書の諒子。13年間1日たりとも娘を忘れることなく生活する彼女のもとに、まるで家出少女のように1日中図書館で時間を潰す、娘と生年月日が同じの少女ひかりが現れる。娘の面影を彼女に重ね、司書と利用者の関係を越えた『ピクニック仲間』として夏休みの時間を共に過ごすが、ある日ひかりが失踪する。
一方、ワンオペ育児で、娘を幼稚園に通わせることや働きに出ることを旦那に認めてもらえない美咲。ひょんな流れで知ったパン屋のおじさんに呉服店の女性店長を紹介してもらい無事に働くこととなる。そんな中、娘が幼稚園でお迎えに来たニセの保護者に連れ去られてしまう。
立場の違う2人だが、話が進むにつれて彼女たちの関係性が明らかになっていく。
【感想】
オチはよめた。よめてたけど、よかった。
途中の些細な伏線(長山の年下のパートナーがコーヒー好きなところや、亀田興毅がチャンピオンになったラジオ放送など)も、結末からすると納得できた。
母親って難しい。
母親になったときからずっと、子どものことで悩み続けることが、母親になるということ。
たとえ離れていても。そばにいなくても。
『カーネーションの聖母』では、カーネーションは母から子どもを想う気持ちの具現化。
母の日のカーネーションは、子が母親を思う気持ちの具現化。
どちらにしても、父と子どもではないのが、これまた不思議。
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初読みの作家さん
離婚して孤独な毎日を送っていた図書館司書の諒子と理解のない夫を持ち2歳の娘の育児に疲弊していた専業主婦の美咲
各章ごとに諒子、美咲と交互に描かれて行きます。
読んでいて自分の子育て中の閉塞感を思いだし、諒子や美咲の気持ちに共感出来る部分がありました。
一見、何の接点もない二人ですが少しづつ真相が明らかになって行き、終盤では全てのパズルのピースが定位置にピタリと収まりました。
それにしても一度だけ無自覚に娘を手を上げてしまった事で離婚されるなんて有りえない。
頼りない夫、怖すぎる義母、シマウマさんの存在も不気味でした。
救いは幸太郎くんの深い愛情
家出事件や誘拐事件などもありドキドキする場面もありましたが、母と娘の絆を感じた1冊。