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~ぼくはときどきユゲになるのよ。ここにいるんだけど、いない。~まるで、世間から取り残された様な撫子の咲く常夏荘。そこに住む人々の佇まいにいつしか引き込まれる。
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子供であれ、大人であれ社会との接点は持たざるをえない。それがどんなに傷つくことでも。心のページに「自立、かおをあげていきること。 自律。うつくしくいきること。」書いて生きてみよう。下(過去)ばかり見るんじゃない。顔を上げて先(未来)を見よう。きっと歩いていけるよ。
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とにかく子供たちがかわいそうで、最初は辛かったー。
でも、仲間を得て少しずつ心を通わせる二人が愛おしい。
理不尽なことばかりの世の中ですが、
生きていればどこかに、誰かに繋がっていく。
やらまいか、やらまいか。
たくましく未来を切り拓いていってほしいな。
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とてもよかったです。
決して仰々しいお話ではないけれど、自分がおかれている境遇に少し迷っているとき、力付けられるお話です。
自立、かおをあげていきること。自立、うつくしくいきること。
とてもよ言葉です。
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2012年わたしのベストワン小説
こころが孤独な3人が出会い、日々優しいエピソードが積み上げられるなかで次第に湧き上がってくる3人のこころの変化が静かにわたしに伝わる
「自立 顔を上げて生きること」
「自律 美しく生きる、新しい自分を作ること」
自立と自律を胸に、自分の足で美しく生きていきたいと思わされる
抱きしめたくなる小説に出逢えたことに感謝
追記
2018年 著者の伊吹有喜さんからサイン本を頂き歓喜!
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家庭教師の青井先生が耀子にくれた、今を変える魔法の言葉。
「どうして、って思いそうになったら、どうしたらって言い換えるの」
入院の合間に幼稚園に行っても、いつもぽつんとひとりぼっちだった小さな私にも
今、居場所がなくてつらい思いをしている子どもたちにも
もちろん、子どもを守る世代となっても、
やっぱり世の中の理不尽と戦わねばならない大人たちにも、
この言葉をかけてあげられたら、と思いました。
「どうして」と自分を責めることなく、「どうしたら」なりたい自分になれるのか
未来を見つめ、必死でもがいて戦う。その凛々しさが胸を打つ物語です。
母に捨てられたのは、頭のねじが取れていてグズだからだ、と自分を責める9歳の耀子。
権力者の父と年若い愛人の間に生まれ、その母にも去られた病弱な少年、立海。
最愛の夫を若くして亡くし、忘れ形見の息子とは心が通い合わず、諦めの中で生きる照子。
血の繋がった家族とは哀しいほど縁の薄い3人が、峰生の山奥の常夏荘で
おずおずと手を差し伸べあいながら繋がっていくのが、切なくて、そしてうれしくて。
感動作でありながら、表紙のイメージから
「きっと、昭和初期の少女ふたりを描いたノスタルジックな物語なのね」
と抱いていた予想を、軽やかに裏切られて驚く本でもあります。
まさかもう、80年代が郷愁を帯びた時代として描かれようとは。。。
2本とも一気に食べると叱られたパピコとか
教育上見せたくない番組の筆頭だったドリフとか
ラジオから流れるオリビア・ニュートン・ジョンの『ザナドゥ』とか、
確かに懐かしいのだけれど、あの頃がもう、昔の範疇に入ってしまったかと思うと
急に自分がおばあさんになってしまったようで、なんだかちょっとせつないような。
でも、大人の事情に振り回されながらも、ノートに
「自立、かおをあげて生きること。
自律、うつくしく生きること、あたらしいじぶんをつくること」
と書きつけて生き抜こうとする耀子に、
いやいや、老け込んではいられないわ! と、勇気をもらって。
離れたくない!と一生懸命小さな手を伸ばし合う燿子と立海は
なんだか性格を逆転させたハイジとクララのようで
未亡人である照子の視点を交えた分、ほろ苦いエッセンスが加わった
日本版『アルプスの少女ハイジ』とも言うべき名作です。
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重いテーマを暗くなりすぎないように書いてると思う。
最後は泣いた~久しぶりに本読んで泣きました。
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限りなく無垢なものが、ここにある。
耀子と立海二人の子供達の、ふれあいを通して描かれる物語は、切なくて温かくて、どこか胸が痛い。
二人で庵に忍び込む「リウのひみつ」の話に思わず微笑み、クリスマス会での楽しげな姿には、幸せな気持ちになった。
幼い二人の姿は純粋でいじらしく、それだけに彼らが抱える苦しみはやるせない。
この先二人の道が、交わっていく事はあるのかな。
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耀子と立海、2人が幼いながらに抱え込んだ重たく深い傷。特に耀子の境遇には冒頭からとても切なくなって辛いが立海や常夏荘の人達と共に過ごす内に少しずつ成長して行く耀子の様子にほっこりできる。常夏荘の大人達の目線の何と温かなことか!子どもの世界を大事にしてあげる忍耐力…私まだまだだなぁf(^_^;中盤からちょっと中弛みっぽくて疲れた面はあるけどラスト20ページ位でグッと心を掴まれた。青井先生が耀子や立海を諭す言葉が素晴らしい。読み手もすごく励まされる。耀子と立海にエールを送りたくなる素敵なエンディングだった。
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四十九日のレシピが大好きで、同じ作者さんの本だから手に取った。小さい時からあまり他人と上手くやれなかった自分と、耀子のつらいひとりぼっちな気持ちが何度もリンクして、辛くなった。それだけに最後の青井先生の言葉は、私にも力をくれたように思う。『どうして』と自分を責めない。『どうしたら』と前に進もうとすること。どうして、どうしてって嘆き続ける人生より、どうしたら、どうしたらって、必死でもがいて戦う人生を私も選びたい。
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『花にたとえて、薔薇組、菊組、百合組。 薔薇は財力、菊は血筋、百合は美貌と才能の家。 僕はその組のどこにも入れない。』
読み終えて、即もう一度読んだ。 興味深い内容。
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子供のさみしい気持ちを描いた作品。泣けた〜子供には物を与えるよりも、さみしい思いを与えてはあきまへん。
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「四十九日のレシピ」に号泣させられました。
この方、やはりほっこりと暖かく包み込みながら人を泣かせるのが本当にうまい。
物語の舞台となった峰生という場所の空気感、閉塞感。
また庵や長屋や使い分けのされる門など独特の土着感。
ありあり感じられる描写が秀逸です。撫子という花の香りも伝わってきそう。(嗅いだことないですが)
この背景の描写がきちんと書けないと人物の気持ちもきちんと伝わりにくいでしょうね。
この舞台だから描けた人々の気持ち、成長の物語だと思います。
子供がやはり何よりもいい。庵にもぐりこむ子供二人を、おあんさんが障子の影から覗くシーンがありますが、その場での二人の子供の会話がなんとも微笑ましく可愛らしい。
この子供二人の行く末が良いものでありますようにと願わずにいられません。
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代々林業で栄えた、遠藤家のお坊ちゃん・立海と、その山守として仕える間宮家の孫娘・耀子。
そして、立海の義理の姉になってしまう長男の嫁・照子。
小学生の立海と耀子は、複雑な境遇故、学校では馴染めずいじめにあっています。辛い日々の中、二人が心を通いあわせていきます。
そんな二人を支え、見守ることで、長男である夫を亡くした照子自身が柔らかさを取り戻していきます。
大人たちの理不尽さに振り回される子ども達…。
それでも顔を上げる、前を向く、その強さを身につけていきます。
誰かがいてくれること、ぬくもりを感じられるからこそ強くなれるのでしょうね。
『やらまいか』…。この地の方言で、「やろうじゃないか」という意味です。
ぐっと丹田に力が入るおまじないのような言葉です。
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子どもの一日のように、新鮮に時間をかけてゆっくりと読みました。
大事な呪文。
自立、かおをあげていきること。
自律、うつくしくいきること。
やらまいか。