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"生の意義"を端正な言葉で描く名作、50年ぶりの復刊!
主君伊達政宗の命に背き、白石城に籠城を決めた浜田治部介と五十一騎。その真意とは何か。表題作「白石城死守」のほか、名作「菊屋敷」など全六篇を収録。生の意義と矜持を信念の言葉で描き出す傑作。
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歳をとり涙腺が弱くなっている身としてはたまらない。どの物語にもウルウルポイントがあり周五郎はやっぱり良いなと改めて思います。
生きづらいかもしれないが人として一本芯の通った人間を描かせると、周五郎はほんとに上手いと思う。
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武士として大事なもの、護るべきもの、そして武士の行き方などについて書かれた短編集。
教訓を書くのではなく、物語の中にあるべき姿をしっかりと練りこんであるので、余すことなく内容を味わうことができる。
それぞれの短編が、余すところなく面白い。
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人がまだ義理とか人情とか武士道とか、言っていた時代の話。泣ける。我慢して、自我を通すことなく、貫いて生きる。やろうと思っても、できないから余計すごさがわかる。
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山本周五郎の短編集。発表された多くが昭和15年~18年にかけてなので、当時の世相を反映してか、武士を通しての「忍」が描かれている。
そして、戦後まもなく発表された短編の名作「菊屋敷」は運命にもてあそばれた武家の娘のひそかな喜び、それは自分自身に絶えず言い聞かせないと失くなってしまいそうな不安定な喜びなのだが、凛としていて清々しい。戦争で日本人が亡くしたものへの慈しみと諦念、前を向いて歩こうとする主人公の姿に、当時の読者は自身に重ね合わせ勇気づけられたことでしょう。必読の書。