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長野に生まれ、海軍に志願し、駆逐艦乗り組みの兵から操縦練習生となり、戦闘機乗りとして日中戦争から昭和20年の北海道、千歳基地まで、戦い、生き抜いた方の著。
90歳代になってから、今の思いとともに、当時の記憶をもとに書かれています。1991年、著者が75歳のとき、湾岸戦争の報道映像への若者の反応をみて戦争の実態を語らなければいけないと、活動を始めたとのことです。原田氏の経験はまさに航空戦の最前線の連続、まるでドラマの主人公のように次々と、戦史上有名な厳しい戦いの場に直面します。
ミッドウェー海戦での飛龍からの最後の発艦、駆逐艦巻雲から見た光景。語っていただいてありがたいことです。
昭和16年に結婚された奥様の思いも痛烈に感じます。
長野に復員後暫くして幼児教育に身を投じられた夫妻の生き方にも共感を覚えます。
昭和の重大な歴史を、生き証人が語ってくれる、この貴重な体験談を読むことで翻って自分の生き方を考えることができます。人生に目的を持って生きると大切さを学びました。