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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わった後には明るい前向きな気持ちになって死んだりとかそういうことがばからしくなってきます、脱力して読める。
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自身も鬱を煩っていた事があった末井さんが「自殺」をテーマに綴ったエッセイ。
「ですます」調の優しい語り口や、人を「judge」しようとしない穏やかな目線に好感が持てる。
私は昭和のアングラな雰囲気が大好きなので、そういった匂いや、バブル期のめちゃくちゃな感じ、自殺・鬱に追い込まれて行く人達のシリアスな状況等、不謹慎とは思いつつ純粋に読み物として楽しめた。
作者の達観した目線が、とても面白かった。
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自殺を否定も肯定もしない、静かで穏やかなエッセイ。
著者の生い立ちや人生は壮絶の一言なんだけど、それを突き放して書いているから、心をざわめかせずに読んでいられる。
書かれている遍歴はかなりとんがっていて、ずいぶん生きづらい人生なんだなと思う。淡々と書いているけど、けっこうすさまじい人だ。
いちばん心に残ったのは、青木ヶ原樹海の話。いかに「樹海」のイメージが作られたものかっていうのが伝わってくる。
「自殺」ってやっぱりセンセーショナルな出来事で、いろんなことを突きつけてくるから、何か言ったり思ったりせざるを得なくなるんだろう。
やたら感傷的に扱ったり、怖いもののように思ったり、腫れ物に触るように扱ったり。特別視して、自分の世界から遠ざけておきたいと思うのも無理はない。
でも、ある種の人たちにとってはとても近しいもので、気がつくと自分のすぐそばに「自殺」がある。
いいとか悪いとかって判断してみても、だからってどうなるものでもなく、死んでしまう人はどうやっても死んでしまうんだろうし、そんなことをかけらも思わない人には理解できないままのものなのだ。
年間3万人もの人が自殺してるという統計があったり、秋田県は自殺者が多いという統計があったりして、一応自殺予防の考えは出てきてはいるけど、それでもまだ、「自殺」ってどこか別の世界の、自分とは無縁の出来事だと思われてる。どうかしたら、「死ぬ奴はだめなやつ」と切り捨てられてたりもする。
「病気で、生きたくても生きられない人もいるのに、自殺するなんて傲慢だ」と非難する人もいる。
でも、誰も、誰かの代わりに生きたり死んだりはできないのだから、自殺を止めるための理屈としては不完全だといつも思う。
この本には、そんな酷い言い方はなかった。
ただ、淡々と、「やっぱり死なない方がいいんじゃないかな」と微笑んでる著者がいる。(微笑んでるっていうのは私の勝手な想像だけど)
私も、死んでしまいたいなと思うような時があったけど、たぶん「死にたい」は「生きたい」なんだろうなとこのごろ思う。
生きたいのに、楽に生きていられないから、死にたいと思うんだ。
自分が楽になれるように、いつの間にか身にまとっていたいろんな柵や鎖を取り払えばいいんじゃないかな。
読み終わってそんなふうに思った。
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大好きな末井昭さん。
大傑作です。
各章、すべて自殺をテーマに末井さんの経験や
考えを具体的に、そして優しい視点で語ってくれています。
主張は一つ。「死なないでください」
自殺の原因第二位のお金について。
末井さんの散々な先物取引、そして土地取引。
最後は8500万円の借金残ったけど、交渉してもらって
その額が減って今、毎月5万円の返済をしているところなどは、
お金で死んではいけません、がリアルにわかるかな。
また、末井さんが悩んでいるときにブログでその気持ちを
書いていたとき、悟ったことは
内向した文章は人に見せるのが恥ずかしい。
でも、自分にとって恥ずかしいことや深刻なことほど
人にとっては面白い、ということ。これは我々が表現するときの
ポイントにもなるかなと。
同僚と不倫関係となって、彼女が病んでいくお話「眠れない夜」。
小説のようで、そして最後の1行にしびれてしまいます。
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サイバラの麻雀ギャンブル物でおなじみの名物編集者「スエイどん」。漫画のイメージから、浮き世離れした豪快な人物だと思っていたが、あら、意外と普通の感じだ。いやまあ、借金三億円とか、錯綜する女性関係とか、十分普通じゃないわけだけど。
「自殺」という題材の重さや、末井氏の人生の波瀾万丈ぶりに比して、語り口が非常に淡々としているので、そういう印象を受けるのだろう。深刻にならず、露悪的にならず、訥々と語られる言葉にリアリティがある。
最初の方はそれほどとも思わなかったが、青木麓さんのインタビューのあたりから、これはまあちょっと他にはないなあと思わせられる内容になっている。野次馬的関心を抱いてしまうのが、末井氏の再婚相手である写真家の神蔵美子さん。もれ伝わる経歴がすごいんですけど…。不真面目な感想で申し訳ないが、そういう読みも許してくれそうな懐の深さがある。
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読み終えれば、違って見えるんだろうか…。
テーマを分かって読み始めてはいるのだけれど…途中リタイア。
タイミングが合わなかったのかも知れない。
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2014年1冊目は自殺の本です(笑)
去年くらいから自殺について関心があったのですが、ちょっと毛色の違う自殺本かな?と思ったので購入しました。
すごく端折れば「生きてりゃいいことあるよ」って事をおっしゃってます。そして生きづらいのは社会のせいであるとも。
どちらもよく聞くセリフでして至極全うな意見だと思うので、期待はずれではありましたが、読み物としてはそこそこ楽しく読めました。ただ著者はちょっとずれてる人なのかなって印象も拭えませんでしたが。
ちなみに僕は今自殺願望はないので悪しからず(^^)
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Webでの連載時から、この文章はたくさんの人が読んだ方がいい・・・と思っていたけど、うまく言葉にできず。
と言うのも、私は幸運にも今まで身近な人の死に触れる機会がなくて、だからその重さがいまいちわかっていない気がするというか、何も知らない私が死について語ること自体がタブーであるように思ってしまって。
だけどこの本を読んで、死を思うことはつまり、生きることを思うことなんだなぁと。
『自殺』は、母親が近所の青年とダイナマイト心中するという強烈な体験をしている末井さんが、自分の体験や、両親に自殺された若い女性、自殺率全国一の秋田県の司法解剖医、樹海パトロールをしている人、イエスの方舟(はこぶね)の人々などへのインタビューなどを通して、自殺について思索した本です。
テーマも内容も重いものだけど、末井さん独特の軽妙で飄々とした文章は先を読みたくなる魅力があるし、何と言っても、寄り添うようなやさしさがある。
この本が自殺を思いとどまる抑止力になりえるのかどうかはわからないけど、きっと、末井さんが言うところの『窓』になる。健康に、死ぬことなんて考えず生きてはいるけどちょっと息苦しい、そういう多くの人たちにとっても。少なくとも、私にとっては窓でした。
案の定すごく長くなってしまった。
でも長くなっちゃうくらいにおすすめなのです。
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僕は自殺をしようとする人を止めようとは思わないけれど、少なくとも僕は自殺というちっぽけな死に方はしたくないなと思いました。
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なんというか、こういう本を読んでしまうと、自分の悩みなんかちっぽけなもので、あんまり大した事ないなと思ってしまう。
「自分の母親が隣の家の青年と一緒にダイナマイトで自殺した」
これを告白できる筆者に凄みを感じる。
自分もいつかこういうふうになるのだろうか。
ま、なってもならなくてもいっか。
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もし近くに末井さんがいたら、きっと金魚のフンみたいにつきまとってしまうかもしれない。。あーなんて魅力的な、いやこんな簡単な言葉では形容したくないけど、本当に素晴らしい作品だった。「社会的にはマイナスな要素でも、それでみんなに笑ってもらったりすればプラスに転化できるのです。」できるようでできない、あるようでないんだよ、こういうこと。「窓を開けた時にふっと入り込んできた小さな風に気持ち良さをかんじられることができれば」とりあえず生きてていいんだって。人生つまらんことばっかりだけど、取り敢えずまた明日を待ってみようかな。
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368.3自殺、うつ病、秋田県の憂鬱、ギャンブル、アルコール依存、樹海、がん、キリスト教、ホームレス…
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2014年3月19日予約。予約順位34位/7冊。清水ミチコさんのおすすめ。2014年6月4日借りてくる。
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なかなか印象深い本。こんなに明るく自殺のことを、体験者?の実話を交えながろ淡々と、そしてどこかクスッと笑えてしまう感じで書けてしまうなんて。暫くしたら、また読み返したい本である。
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生きるってのが辛いのは釈迦の時代から自明な話で。いろんな人と出会っていろんな話をして、自分の理解を超えた考えの人もいるってことが分かってくると、自殺する人のことも少しはわかるのかなって気もするよね。まぁわかっても、理解はできないけど。