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電子書籍のオピニオンリーダーを丁寧に取材によりフォローしている。2010年12月現在の、取り巻く環境がニュートラルに理解できる。
インタビューも丁寧に行っている。
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業界の進んでいるスピードが早いために、刊行の2010年末から既に9ヵ月ほど経ってしまっていて、若干内容が古くなっている箇所もあったけれど、全体的に読みやすくてうまくまとまっていた。
特に後半の「映像メディア」と「ネットメディア」の章は、「電子出版」よりも一歩先の動向を示しているようで、こちらもなかなか読みごたえがあった。
『変化は段階的に訪れる』
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アスキーHPより。
電子書籍とか、動画配信とか、ぶっちゃけ儲かるの?
丹精こめて作り上げたコンテンツもネットに乗れば限りなく価格がゼロに近づき、利益を挙げられない。メディア転換期の今、新しい製作・流通体制に取り組む先駆者にそのメカニズムを聞き、今後行きぬく道筋を示す。
まつもとあつし
ネットベンチャー、出版社、広告代理店等を経て、現在、東京大学大学院情報学環修士課程在籍。デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士。広告代理店在籍時に文化庁メディア芸術祭特別賞および東京インタラクティブ・アド・アワード銅賞受賞。ネットコミュニティやデジタルコンテンツのビジネス展開を研究しながら、IT方面の取材やコラム執筆、ゲーム・映像コンテンツのプロデュース活動と支援を行なっている。著書に『できるポケット+iPhoneでGoogle活用術』(インプレスジャパン)など。
購入済・未読
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955年代、テレビが登場して間もないころは、テレビは映画よりも
ずっと低い地位のメディアだった。当時、わが子がテレビ局に就職
すると聞いた親は、なぜ映画会社やラジオ局に就職しないのか責め
たという
ハードの優劣ではなく、プラットフォームを制する者が商取引を制
する状況がいよいよ本格化した
一冊丸ごとの購入だけでなく、章や節といった単位での購入も可能
になるのだ。これは書籍を文脈に沿ってインデックス化し、検索可
能にするだけで容易に実現する。かつてiTunesはアルバム単位では
なく楽曲単位での購入を可能にしたことで、音楽の聴き方そのもの
を変えてしまった。それと同じ状況が書籍の世界にもやってこよう
としているのだ
“本が売れなくて潰れた出版社”なんて聞いたことがない(「文化
通信」編集長 星野渉氏)
ピーク時には9億4000万冊を超えていますが、これは全国民が1年
間に10冊近く本を買っていたということ
書店はここ数年、ショッピングセンターへの出店が過熱していたの
ですが、2009年は一転、その動きが止まりました
2004年から2008年までは増床が減床を上回ってきたのですが、2009
年にはこれが逆転した
日販をはじめとする取次が、「配本規制」を始めています。これに
よって、出版社はこれまでのように大量に新刊を流通させて売上げ
を確保するということが、難しくなるのです
世界の書籍のうち、20%がパブリックドメイン、70%が絶版と言わ
れています。つまり残りの10%しか出版社は流通させていない
◆電子書籍の三原則
1.所有感があり同期されること
2.検索・引用可能であること
3.ソーシャルな読み方ができること
「何十万冊に及ぶライブラリー」というのも魅力のひとつだとは思
いますが、私たちの強みはそこじゃないと感じているんです。「こ
こはラノベのこと、わかってるな」と言ってもらえる場所作りを目
指したいなと(角川コンテンツゲート 安本洋一常務取締役)
これだけ視聴者のライフスタイルも多様化してくると、気分を推し
量ることも難しいでしょうね。夜だからゆっくりしたいという人ば
かりじゃなくて、夜からますます盛り上がってくる人もいる。だか
ら時間帯というより、チャンネルがあるテーマで統一されて編成さ
れていくという方向になっていくほうが、お客さんにとってもいい
と思いますよ。いずれにしても、オンデマンドばかりでは、新たな
発見がなくなってしまう(ドワンゴ 夏野剛氏)
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メディアと電子化を考えるための良書。筆者は業界経験、ジャーナリスト、アカデミックの3つの目を持っており、特にフレームワークや事実引用を重視するアカデミックな思考方法が類書にないバランスを本書に与えている。
例えば本書中でアナベル・ガワー『プラットフォーム・リーダシップ』が引用されているように「統合化・モジュール化」が今後の重要なポイントであることが確認できたのが評者にとって大きな収穫。
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既存のメディアとこれから発展するであろうメディアとの関わり合いを分かりやすく説明してくれていた。
個人的には、電子書籍と紙の本との共存の仕方にとても興味を持ち、今後のメディアに対する1つの評価軸のようなものを持てるようになった。
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電子書籍関係者のリアルな証言とそれに対しての考察。
電子書籍に関心ある人は必読です。
Web連載中の記事を元にまとめられた
本書には、著者の深い洞察が注ぎ込まれており、貴重な証言となっている。
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グーグルとマイクロソフトの争いもスマホ上ではなく、実はPCの戦争の延長にある。
i-modeはiPhoneがやろうとしていたことを既に8年前に海外でやろうとしていたのか。時代が早過ぎたな。
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ネットメディアの最前線で活躍する様々な人々のインタビューを通じて、書籍・映像コンテンツ業界の詳細な現状分析がなされている。
特に電子書籍についての記述が面白く、読者間で書籍の気に入った箇所を共有する「ソーシャルな読み方」が今後求められるとする筆者の主張に共感を抱いた。確かにお気に入りのページや文章を他人のマーカーやコメント付きで見られたら面白い。
個人的には大学の教科書を電子書籍化して他人と共有できれば、ずいぶんと試験が楽になるぞ・・・などと思った。
どの分野も海外勢が先に土俵を形成しており、後発の日本企業がそれに真っ向勝負を挑むのは無意味に等しい。しかし、それらを利用しつつ、他の土俵で戦う余地はまだまだ残されている。
日本の業界はどこまでやれるのか。
待ったなしである。
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主に電子書籍やニコニコ動画、SNSなどのネット上のコンテンツにスポットを当てて描いたもの。
何が生き残り、何が死ぬメディアかは別として、単純にメディアの現状動向としては参考になった。
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テレビはオワコン!これからはソーシャル!そんなことは全く書いてないです。
ネットメディアのパラダイムシフトについて、前半は電子書籍、後半は映像コンテンツについて述べられている。
前半は電子書籍のフォーマットや、それが決まった経緯なんかが書いてあってちょっと難しかったけど、後半の夏野さんのニコ動の話とかは面白かった。
変化してない時代なんてないかもしれないし、陳腐な言葉だけど、時代は変わっていてそれに対応できることがとても大事だと再認識。
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コンテンツビジネスを読み解くには、
1.コンテンツが手元に届くまでのプロセスを整理するバリューチェーン
2.視聴するタイミングと価格を組み合わせるウィンドウウィングモデル
3.映像だけが商品ではないグッドウィルモデル
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インタビュー集に付けるには大層なタイトル。こうして電子出版業者の言を一列に並べてみると、どこも「利便性を維持しながらコンテンツを守れる」「ソーシャルな体験が可能となる」「新しいプラットフォームになる」などなど似たようなことを似たように語ってるということが良く分かる。現実が圧倒的に理想に辿り着いていないということも。電子書籍が"書籍"という既存のコンテンツの枠に収まっている間は、これからも劇的な変化は難しいだろう。新しい概念のコンテンツの誕生が切実に待たれる。