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瑕疵あり物件には様々な事情があり、法律上瑕疵を通知せずに済むには誰かが済む必要がある。そんな特殊な事情の物件を借りることを仕事としている人がいる。彼はなぜそんな仕事をしているのか、そしてそれぞれの物件はどうして瑕疵ありとなったのか...
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また身近に存在しないであろう職種の人間が登場。
彼自身を深掘りした新たな展開を期待したい!
泣けるか否かの尺度で評価するものでは無い。
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短編が四つ。それぞれの主人公が、一人の瑕疵借りと出会い、前進する姿が描かれる。若干都合良い感はあるものの、救いがあり、ほろっときます。
瑕疵借りの人の外見的イメージは米津玄師かな。
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瑕疵借りとは、賃借人が死んだり、事件や事故が起き、瑕疵告知義務が生じた物件にあえて住む人。瑕疵の説明責任を失効させ、次の賃借人が入りやすいようにという大家や管理会社の依頼をこっそり請け負う。この短編集に登場する藤崎という瑕疵借りは謎の人物で、原発関連死、賃借人失踪、不審な自殺といった事件や事故に関する賃借人の人生をあぶり出し、見事に瑕疵を洗い流す。その過程が名探偵の謎解きそのもので不動産に絡めた社会派ミステリー小説となっている。
また、納得しがたい悲しみや苦しみにうちひしがれていた賃借人の家族や関係者の気持ちをすっきりと鎮めるというヒューマンな筋立てで読後感はいい。
ただ、4作どれも奇をてらったストーリーであり、帯書きの「誰にでも起こりうるドラマに思わず涙する」には違和感を覚えた。
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何かを始めることは怖いことじゃありません。怖いのは何も始めないことです。
(『保証人のスネップ』より)
心理的瑕疵=怖い話だと勝手に思い込んでいた。
なんだか怖い話が読みたい気分だったし。
内容を確認せずタイトルだけを見て選び、いつまでたってもお化けが出てこないので変だ変だと思いながら読み続け、だけどそんなこともうどうでもいいっていうくらいよかった。4つの短編の中でわたしが一番悲しくて泣いてしまったのは『土曜日のアパート』の手紙のところで、でも他の3つ話もすごく切ない話だった。
心理的瑕疵の意味をちゃんと調べたら「借り手が強い心理的抵抗を感じやすい条件があることを指す不動産用語」だそうだ。幽霊が出る物件という意味じゃないのね。
だけど、ここに出てくる「瑕疵」とは部屋自体のことだけではないんじゃないかな。
その部屋に住んでいた、今は亡き賃借人の残された家族や関わった人たちの心にしこりのように残るわだかまりや、逝ってしまった人に対する怒りや戸惑いが付けた傷のことも指してるような気がする。
瑕疵借りの仕事は、その原因を探ったり解決したりすることではない。
この藤崎という男も、最初の話ではそういうつもりはないように思えた。だけど結果的に、何かを抱えてその部屋のドアを叩く人たちを助け、支えになっている。
一体、藤崎という男はどういう過去を持ち、そしてなぜこの仕事をするようになったのだろう。
シリーズ化を期待します!
でも版元の「感動の賃貸ミステリ」っていうのはちょっと。。。賃貸ミステリって何?ってなった。
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どうすれば瑕疵を洗い流せるのか。男は類い稀なる嗅覚で賃借人の人生をあぶり出し、瑕疵の原因を突き止める。誰にでも明日起こりうるドラマに思わず涙する“賃貸ミステリ”短編集。(e-honより)
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最初の話がよかった。でもなんで藤崎氏が鼻つまみ者になるんだろう?あちこちからひっぱりだこだからすでに使ってる不動産屋が態と他から依頼されにくい評判をながしてるのかな。
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死にも色々な理由があってそれをサラッと気づかせてくれる不思議な探偵(?)譚
いつもの松岡流を求めちゃうとちょっと違うかなと
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「生を呪うより死を願いたくなる」
松岡圭祐さんの本はすごいインパクトのある一文が本当に多い。
瑕疵と見てぞわっとした感覚があったけど、実際に読んでみると暖かい気持ちになる本でした。
別のケースも読みたいのでシリーズ化を希望します。
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ホラーかと思いきや、、、。
あえて事故物件に住む、瑕疵借りの藤崎。原発関連死、賃借人失踪、謎の自殺、家族の不審死の瑕疵を洗い流す。事故物件サイトの炎マークのひとつ。名もなきひとりの死の原因だったり、その人の本当の気持ちだったり、藤崎を通して周りの人に死後伝わる。
どんな人でもひとりの死は、軽いものではない。
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不動産系のお話に興味があったので手に取ってみた。松岡圭祐さんの書籍を読むのはこれが初めて。そうか、あの「ミッキーマウスの憂鬱」の著者なのか。知名度のある作家だと分かり、俄然興味が強まった。
本書の構成は短編集。毎回主人公は違うのだけど、1人の人物が共通して登場する。いわゆる連作短編集というジャンルになるかと思う。
その毎度登場するキャラクターが「瑕疵借り」。つまり瑕疵物件に住み、不動産屋の味方をする人間。
しかし本作が面白いのは、瑕疵借りの真意。彼はその職務(?)にプロ意識を持っている。
瑕疵の真相を探り、不審死の原因まで突き止めてみせる。それはある意味ではダークヒーロー的。王道ではないのだけど、仕事小説的な面白さを感じさせた。
瑕疵借り的な仕事(?)が現実的にあるのかどうか分からないけど、こんな瑕疵借りがいても良いよね。面白いよねと。創作として非常に楽しめた。
惜しむらくは、瑕疵借りが謎の人物のまま終わってしまったこと。連作を通じて少しずつ過去が明らかになっていく、とかならもっと楽しめたかもしれない。やや物足りないような読後感。
(書評ブログもよろしくお願いします)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/2021/06/01/%E3%80%90%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E3%80%91%E7%91%95%E7%96%B5%E5%80%9F%E3%82%8A_-_%E6%9D%BE%E5%B2%A1%E5%9C%AD
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瑕疵物件にまつわる4作の短編集。
瑕疵物件になった理由は決して明るくはないけれど、読み進めていくのが苦じゃない。どんどん闇にハマっていくようなテーマなのに、そうではない。
変わった男、「藤崎」が関わった人たちは、前後で表情が変わってるのが目に浮かぶ。
こんなテーマで本が書けるなんて、そしてこれほど読ませるなんて、本当にすごいと思う。
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賃貸ミステリー。ホラー小説ではない。瑕疵借り屋藤崎。事故物件の関係者は、藤崎と共に、死者の残した真実に辿り着く。
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いやー読み応えあったし、よく出来てる。
シリーズ化してほしいくらい。
最後の話だけちょっと捻り無いというかベタすぎた気がするけどそれ以外の3篇全部好き。
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著者の社会派の新境地とあって期待しながら読んだ。面白かった。短編の構成になっているが藤崎達也という興味深い人が登場しそして彼にも惹かれる。『瑕疵』という言葉、意味を初めてしった。現代社会の問題が盛り込まれていてその謎もしっかり藤崎が解いてくれてスッキリする。各編の内容は解説で丁寧にされている。著者の他の作品にも興味深い。こちらの続編も期待している。