投稿元:
レビューを見る
佐藤康「フランス語のしくみ《新版》」白水社,2015
フランス語は、以前学校の語学室が廃棄処分にしたラジオ講座のテキストをもらってきて、少しかじったけど、発音が難しいなという印象があった。ai(エ),au(オ),ou(ウ),eau(オ),oi(ワ),ille(ィユ)など、べつに綴りは読めんことはないんだが、普通は読まない語末子音が復活するリエゾンとか、一気にくっつけてよむアンシェヌマンとか、母音が消失するエリジョンとか、音声が語の範囲をこえてつながるから大変である。「ローマから離れて、ガリアにくるとお国訛りも独特ですな」という感じである。est(英語のis)はラテン語では「エスト」だが、イタリア語ではè(エ)になる。フランス語はestと書くんだけど、crfl以外の語末の子音は概ね読まないから、「エ」なんである。estと書いて「エ」と読む感覚はなんじゃろなと思う。「真央」ちゃんの「央」を「お」と読ませる日本語の感覚にちかいんかいなと思う(央は「オウ」じゃと思うけど)。まあ、Il est etudiant.(かれは学生です)だとイレテテュディアンとリエゾンするから、estのtは読まんことはないんだけど。普通は、SVOでOが代名詞のときはSOVになるとか、そういうところはイタリア語と変わらない。複合過去(英語の完了みたいなやつ)もavoir(have)+過去分詞で、移動の動詞はêtre(be)+過去分詞などもイタリア語と一緒。un grand homme 偉人、un homme grandが「背の高い人」という区別もイタリア語にあった。「イタリア語のしくみ」には書いていなかったが、「フランス語のしくみ」では「短い形容詞」と「人の印象である」場合は前置修飾できると書いてある。印象ではなく明確な特徴の場合は後置修飾だそうだ。助動詞?のpouviorが「能力がある」で、savoirが「知っている」から「身につけている」の意味であることは、イタリア語にも似た区別があった。中国語の能と会みたいである。au,aux(à+le,à+les)とか、前置詞と冠詞がくっつくのもイタリア語と同じ。定冠詞のleと代名詞のleとか、いろいろややこしい。数字の読み方は70以上なかなか強烈である。71は60+11だし、81は2×40と1だそうです。