紙の本
偽物だとしてもそれは葬式
2018/06/23 23:05
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
続編から読んだけど、違和感なく入り込めて面白かった。死んでからは見ることができない世界、自分の葬儀を偽の葬儀とする依頼主たちは一風変わった者たち。でも、そこに情があることは確か。実際あってもおかしくない生業かも。
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2018年53冊目。葬偽そのもののインパクトより、それを巡るドラマが濃密に描かれている。人の死というものが周囲に及ぼす影響の大きさを再認識させられる。最後は展開こそ読めなくはないものの、やっぱり感動的。何もかもがうまく行く訳ではないちょうどいい決着だと思う。シリーズの次があるとすれば、歩武の掘り下げもなされるのだろうか。
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「葬偽屋と弔わない」の続編。
セレナが歩武の元で働き出して、12か月。
お金の無心ばかりする両親から逃げるように、歩武の元で働いていたが、母の命が残り少ないと連絡が入り、セレナは転職を決意する。
しかし、転職先はブラック企業で、過労で倒れた上司に対する会社への怒りから、セレナは歩武に「葬偽」を依頼し、会社へ復讐することを決断する。
しかし、歩武の返事は全てセレナが仕切ること。
初めて葬偽を仕切ることで、セレナの中で「葬偽屋」への意識が変わっていく。
歩武、セレナ、黒村の3人の関係性がとてもいい。
文章が軽いタッチでありながら、死を通して見える人間関係も考えさせられるものが多い。
「黒猫シリーズ」で有名な著者だが、私はこの作品の方が断然好き。
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偽の葬儀を請け負う葬“偽”屋を舞台にしたシリーズ第2弾。
ブラック企業の告発や若い頃の忘れられない恋、明るみに出ていない犯罪に、息子の行く末。
それぞれの思惑を秘め、偽の葬儀を望む依頼者たち。
一歩間違えば詐欺みたいな話だけど、そこには彼らなりの切羽詰まった事情があり、切ない想いがある。
三つ目の「書物に頼りすぎた男」が一番ミステリーぽくもあり面白かった。作中に出てくるアルチンボルドの絵を知っていればもっと楽しめたかなと残念。
そして、全編を通して語られていくセレナと母親との関係。血が繋がっているからこそ、遠慮がなくなり、うまくいかない場合もある。
自分の死を考えた時、やり残したことはないか、自分の大切な人がこの先きちんと生きていけるのか、確かに気になるところではある。
だからと言って、自分が実際に“葬偽”を仕掛けられたら腹が立つだろうけど、その発想が面白い。
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ブラック企業での葬偽と、司書の葬偽が興味深い。司書の偽参列者のミステリマニアたちの盛り上がりも面白かった。わりとスルッと読み終えたのは例の絵画を知っていたからかな?
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シリーズ第二弾。今回も様々な理由で行われる「葬偽」と、そこに隠された意図。それは悲しいものであったりもするけれど、最終的にはどれも穏やかな印象。死と向き合うということは、それほど恐れなければならないことでもないのかもしれません。
お気に入りは「書物に頼りすぎた男」。これが一番ミステリとしての部分も楽しめたのですが(とはいえ、真相はあっさりとは見抜けませんでした)。やはり本好きにとってはこういう話が好きだなあ、と。こういう本の使い方をする人は、許せませんけどね。
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偽の葬儀なんてね〜。あぁ、生前葬とか思えばいいのか? いやいや、他人を騙すのだからそうは言えないか。
失ってからわかることってあるのかもしれないね。
いい方向に転がれば問題ないけど。しかし、発想が面白い。他の作品も読んでみたいなぁ。
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待ってました続編。
この2人の関係もまたむずキュンですな。最高です。
図書館の話がとても面白かった。ちょうどアルチンボルド展に行ったりした後に読めたし、この司書の絵も見たことあったので。より入り込めたというか。
森さんの小説は、謎解き…というか解体と色恋のバランスがとても秀逸でいらっしゃるなぁと思ってます。大好きです。
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「葬偽屋は弔わない」の続編。
自分の死後の周囲の反応が見たい。
そんな望みをかなえるため、
偽の葬儀をアレンジする「葬儀屋」、
殺生歩武(せっしょうあゆむ)、黒村、
そして、歩武に拾われたセレナ。
個性的な面々が、今回も、
さまざまな「死」を演出する。
死に向き合い、生を見つめなおす。
死を意識し生を語る4つの物語。
何度でも金を無心してくる母親と父親、
今回は、セレナの「毒親」と決着がつけられ、
一段落つけたのか、と思われる雰囲気。
歩武とセレナの関係は、まだ、思わせぶりで、
もう少し、この二人のやり取りを見ていたいのだが…。
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<葬偽>屋の続編。今回は黒村さんが割と表に出る事が多い。そしてセレナ嬢の変化も。くそ親でも時が来れば……。
前作に続いて、それぞれ<葬偽>を依頼する人たちの事情は様々。司書の話は、どこか勧善懲悪のコメディに近い。嫌いじゃないです。
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「カラス、なぜ泣くの?」
入社直後から刷り込まれた嘘。
一度や二度ならなんて事なかっただろうが、何度も何日に渡って繰り返される言葉は洗脳になり自信損失とかでは言い表せない事になるのだろうな。
「亜麻色の髪の乙女」
死期の近い彼女が選んだのは。
本当に偽装したかったのは自分の死体では無く自分の死亡する場所であり、自分が大切だった人の元で最後を迎えたかったのたろうな。
「書物に頼りすぎた男」
死に場所にこだわる理由。
一度バレずに行われた犯行は時にして人の道を変え、バレなければ大丈夫という間違えた視点の中でどんどん人の道を逸れていってしまうのだろうな。
「虚しきコイン、愛しきコイン」
本当に見たかった光景は。
試したい訳ではないだろうが、ただ自分に依存して生きてきた人間がもしも突然いなくなってしまった時どうなるのかは気になるかもしれないな。