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江戸時代の火消したちが活躍する「羽州ぼろ鳶組」シリーズ第5弾。
今回は、魅力ある火消したちが活躍するだけでなく、火事の裏に潜む巨悪の謎を解いていくミステリー仕立ての展開で新たな魅力を感じさせてくれました。
少しずつ謎が明らかになるにつれ、一筋縄ではいかない武家社会に火消しの男たちが立ち向かっていく様子はとても読みごたえがありました。
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今回の主役は仁正寺藩の柊与市と火消番付。消防や医療って人命に関わるものだから人気とは別物だという意識がこのシリーズを読んできてもまだ思ってたんですけど、藩が消防にお金をかけるのも削るのも人気次第というのは悲しいかな現実なんですね。そもそも火喰鳥復活もそんな理由でした。苦労人で人情家、熱血漢の若い与市にはたまらなかったでしょうね。前作の夜哭烏の火消出動妨害も腹が立つ手口だと思いましたが、今回の事件の方がもっと腹が立ちました。子供を巻き込んだり、親という立場を利用したり、一番許せません。八重洲河岸定火消の進藤内記、まるで教祖様ですね。気持ち悪いし、虫酸が走る。お七&お琳、子供探偵みたい。与市も好きな人物になりましたが、また一人お気に入りの人物が…隻鷹の詠兵馬様。やっぱり加賀鳶なんですが(笑)かっこよすぎる。大音勘九郎より好きかも。源吾、とうとう親になりましたね。いざというときはやっぱり女の方が肝が座って強いです。
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なんの宗教の、どんな教祖だ…と思う悪役登場。下手に人望があって、優秀なだけに手強くてヤキモキしました。でも、己の欲望のためにやってきたことがエグ過ぎる。知って黙っていた取り巻きもひどい…。勇気ある息子がいて良かった。新之助が活躍したような、暴走したような巻でしたが何とかおさまって良かった…。新、長谷川平蔵とも良いコンビで。そしてやっと父になれた源吾。次巻からがいっそう楽しみです。
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菩薩と崇められる八重洲河岸定火消・進藤内記。
菩薩の裏の顔は....。
あまりのえげつなさに虫唾が走る。
内記の裏の顔を、世に知らしめることができなかったのは残念だったけど、勘九郎の娘・お琳とお七の活躍が見れたのは嬉しかった♪
詠兵馬、渋くていいわぁ~♥
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シリーズ5作目。
江戸にもどった源吾や新庄藩のメンバー達の
活躍が楽しみぃと読み始めた。
最初の所で、
すっかり悪い奴かと思ったら、
ほんとに悪い奴がほかにいた!
もっと、がっつりやっつけてほしいくらいだった。
内記め!ムカつく。
でも、今回も火消したちの活躍がよかった。
自分の仕事をきちんとすることで仲間に繋がっていくのが
いつも気持ちいいなぁと思う。
新之助ってホントに強いのね。
新之助の十傑は、すごい!
火消しがその時代、とても人気あって番付ができるくらいっていうのは
うなづけるなぁと思う。
ほんとは火事なんてないほうがいいんだけれど。
火消しの道具もすごく興味深い。
ちょっと見てみてみた。
異名をつけたり、それがちょっとカッコ良くて
よいわぁ。
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ぼろ鳶シリーズ第5弾
深雪は「綱殿」に加え、本書では「菩薩」とまで呼ばれ、人脈もどんどん広がっていく。
鳶たちの話も面白いが、深雪をメインとした外伝もいつか読んでみたい。
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第五弾
火消し番付の巧妙争いの影に、菩薩と呼ばれ慕われている火消しの正体は
一橋一味と田沼の対立
後半一気に誰が悪か、手に汗握る展開
幕府内部の関与を誤魔化す決着
救いは、子供の誕生
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シリーズ5作目。
いきなり5作目から読んだので、登場人物たちの立ち位置や関係性が分からず、楽しみきれなかった。
しかし、魅力的なキャラクターが多かったので、次作も読んでみようと思う。
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羽州ぼろ鳶組の第5巻。
全く、実に丹念に物語を考えたのだろう。
この田沼意次という老中の時代は、一番文化が爆発的に栄えた時代といって良い。江戸も活気があり景気も良い時代だった。町民に活気があるということは、町民の民度、識字率も圧倒的に、この時代の他国を圧倒していた。
この物語は、すでに戦がなくなった時代。
町火消しを描く物語は他にもあったが、大名火消し、武士の火消しというジャンルからの目線はあまり類を見ない。
町火消しや大名火消しの制度が整い、数が多くなると縄張り争いなども増える。手柄を争うことも。
そんな現場の丁々発止や、それを見守る町人の眼差し。
火事に乗じての事件。
探索もなされる、謎解きもなされる。
複合した魅力が大きい作品なのだ。
そして命をかけての仕事となれば、その組みの人々の人情、情愛も描かれる。
今回は、まんまと読者の目も騙されるミステリー仕立て。ますます目が離せない作品。
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羽州ぼろ鳶組シリーズ第5弾。
“火事と喧嘩は江戸の華”、ゆえに火消番附は町民の大事な娯楽の一つ。また、火消にとっても番附は一年の己の活躍を現す誇りそのもの。その為か、仁正寺藩火消・柊与市は消し口を奪って自らの手柄にしようとまで画策する。
同じ頃、番附表を担う読売書きが姿を消した。真相を追う新庄藩火消・松永源吾らが行き着いたのは、「菩薩」と名高い八重洲河岸定火消の進藤内記の裏の顔だった…。
今回も安定の面白さで、つい、ププッと吹き出してしまいそうな場面も満載でした。
源吾以上に、深雪の子が産まれるのを今か今かと、もうドキドキ、そしてソワソワ。火事場のシーンももちろん面白いんですが、赤ちゃんが無事産まれたのか、ついつい先が気になって読むスピードが上がります。
父になり、新しい番附も出、ますます活躍が期待される新庄藩の行方が、こちらもますます気になって仕方ありません。
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2020年2月16日、読み始め。
2020年2月18日、返却の為、178頁にて中断。
今村翔吾氏(1984年~)の作品を読むのは、初めて。
今回読んだのは、羽州ぼろ鳶組シリーズの5冊目になるようだ。
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火消番付ーいつの時代も順位に拘る男の多いこと。
己の力量もさることながら、お家の評判にも繋がるのだから気になるのは当たり前かもしれない。
番付の大関・関脇陣の火口を奪って炎を消し去り、一気に大関へランクアップしようとする火消もいたりして。
そんな火消の元々の意義を覆す輩がいたりすると、只でさえ火事が多く、喧嘩っ早い男達の多い江戸の街も大騒動が勃発すること間違いなし。
シリーズ第5弾。
いつもぼろ鳶組のような、不器用だけれど一本気な男達を見慣れているせいか、私利私欲に走る火消がいること自体に怒りを感じた。
今回も様々な人達との出逢いがあったけれど、源吾にとって一番喜ばしい出逢いに、今か今かと待ちわびた人達も安堵したことだろう。
無事かの方との約束も果たし、周囲の皆にも祝福され、今後のぼろ鳶組の活躍もますます楽しみだ。
火消菩薩・深雪のご加護があればぼろ鳶組も安泰に違いない。
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〈羽州ぼろ鳶組〉シリーズ第五作。
これまで毎作のように出てきた火消番付。掲載常連組の加賀藩やこのシリーズの主人公・松永源吾でも嬉しいものだが、ぼろ鳶組のメンバーにとっては何よりの励ましになる。
しかし仁正寺藩の火消・柊与市にとっては、番付上位に載ることが火消組の存続に関わる切実な使命となる。
今回も面白かった。
ぼろ鳶組の新庄藩に限らず、どこも懐事情は苦しい。それでも江戸の人々を火事から守るために頑張っている。
だけどその努力をアッサリと予算がないから、で切り捨てられるのは堪らない。かといって無い袖は振れない。さてどうするか。
火消番付を巡って柊が危険な行為に及ぼうとしているのかと思いきや、ああこれ以上はネタバレなので書けない。
タイトルの『菩薩』に相反する二つの意味が込められていて、そこが上手いと感じた。
源吾たちが暴こうとする悪はとてつもなく陰湿で根深く手広く、強大で明らかにするのが難しい。
加賀藩火消たちや鬼平の力を借りるも、なかなか上手く行かない。
しかし最終的に火消には火消なりの解決法があったと分かるところは痛快だ。
『おれは自分の子には火消になって欲しくねえ。どこに火の中に飛び込めって親がいる。(中略)だがよ、それ以上に、どこに人が焼け死ぬのを見捨てろって親がいる!』
今回も格好良いセリフ、頂きました。
だけど結局源吾も親の背中を見て火消になった口だし、今作で生まれた息子も火消になるんだろうなぁ。
そして矜持を持っているのは勿論火消だけではない。
火消番付の選定にも関わっている火事専門の読売書き・文五郎もだ。
危険な目に遭っても命の危機に瀕しても最前線で火事の様子や火消たちがどう消火に当たったかを事実だけを克明に書き記している。
そこには何の感情も贔屓目も入れない、真のプロの姿があった。
彼の姿で火消番付が揺るぎない価値を持つことを教えてくれるところも上手い。
相変わらずの深雪夫人のやり手っぷりと人付き合いの広さにニンマリしつつ、田沼意次シーンでは危険な雰囲気も感じる。脇役で頑張ったのは加賀藩火消の娘を始めとする子供たち。これからも時に可愛らしく、時に小憎らしく、時に頼もしい成長を見せてくれそうだ。
『菩薩花』とはハイビスカスのこと。冬を越せない南国の花を譲られた深雪が、何とか冬を越させようと頑張っている姿に諦めない力を源吾は感じる。
越せるか越せないかは分からない。だがやってみなければ何も起きない。
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9月-18。3.5点。
ぼろ鳶シリーズ。火消し番付を上げなければ、火消しを縮小すると言われた柊与一。都合良く火事が起き、疑いが。
面白い。相変わらずの一気読み。
解決したけど、引き続き闘いが。。。
ちょいちょいくらまし屋の影が見えて、この作家のファンとしてはうれしい。
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【腹減り度】
なし
【食べ物の割合】
☆
【1番美味しそうだったもの】
加賀安産祈願のころころ餅
*感想*
グルメ小説以外も読む。
ぼろ鳶組が活躍する笑いあり涙あり(表現が古い)熱血大江戸火消しシリーズ第5弾。最近ややマンネリ気味な気がしていましたが高水準のマンネリなのでご容赦くださいって話。ついに主人公が父になりました。めでたし。
食べ物はほとんど出てこないシリーズなので、主人公の奥方深雪殿の登場を今か今かと待ちわびておりました(そういう小説ではない)。今回深雪殿が作ったのは石焼鍋。秋田の男鹿の伝統料理だということだけども味の描写が寅次郎の「美味いですね」のみ!な、なんてこったい!
その後深雪殿の安産祈願にと大音勘九郎が娘に持たせたころころ餅は形状の描写があったのでこちらの方が心惹かれた次第(でもやはり味の描写なし)。脳が脂肪で出来ている私にとってはこういった小説で「餅」という字を見れただけでおいしいのですが!末期。