紙の本
ハックルベリーフィンの冒険
2022/06/25 10:25
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投稿者:ねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻はお父さんにいじめられたり、かわいそうなんだ。
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卒業論文で「マーク・トウェインの初中期作品におけるペシミズム」の引用に使った作品。
普通に読めば、自由奔放な少年の冒険物語だけれども、作品の至る所に反キリスト教的表現や彼独特の悲観的人間観が盛り込まれています。
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子どもの頃に読んだという方ももう一度読んでみてほしい名作です。十九世紀末当時に流布していたピューリタニズムの偽善、奴隷制度、自然と文明の対立などいろんなテーマが詰まっているのです。最後にハックが地獄に堕ちてやると決心したシーンは感動もの。
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アメリカ文学を代表する、マーク・トウェインの名作。
岩波文庫の上下二巻。
世界中の少年たちの憧れ、『トム・ソーヤーの冒険』の続編です。
前作の最後で財宝を見つけたうえ、富豪未亡人の養子となったハックルベリー・フィンは、しきたりだらけの文明的生活にやはり馴染めず、ろくでなしの親父の登場とたかりもあり、自由を求めて家出。
それをトムが連れ戻そうとして前作は終わりますが、本作品はまさにそこからストーリーが始まります。
再度の家出で逃亡奴隷のジムと一緒に筏でミシシッピ川を下り、目指すは自由の町ケーロ。
富裕な大地主のグレンジャーフォード家に保護されたかと思えば、敵対するシェパードソン家との抗争に巻き込まれたり、途中で出くわしたペテン師の公爵やら王様やらに振り回されたりと、破天荒な旅を続けます。
本作品の焦点は、相棒ジムの逃亡を助けることに対するハックの葛藤。
奴隷制度が残る時代に、虐待を受ける奴隷への同情と、逃亡奴隷を助ける罪悪感との板挟みに苦しみます。
そしてハックといえば、やはり外すわけにはいかないトム・ソーヤーの再登場!w
悪ガキ二人の悪戯が、やがてストーリーをクライマックスへと進めます。
アメリカの文豪アーネスト・ヘミングウェイが、エッセイ『アフリカの緑の丘』でこう評しています。
「あらゆる現代アメリカ文学は、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィン』と呼ばれる一冊から始まる」
『トム・ソーヤーの冒険』は楽しい物語ですが、この『ハックルベリー・フィンの冒険』は奴隷制度や人種差別、南部の無法状態などに触れており、現代でも論争をが続けられているアメリカ文学の大作です。
ミシシッピ川の雄大な情景が、読んでいて目に浮かびます。
ニン、トン♪
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洋々たるミシシッピーの流れに乗って筏の旅を続ける陽気な浮浪児ハックと逃亡奴隷ジム。辺境時代のアメリカの雄大な自然と活力溢れる社会をバックに、何ものにもとらわれずに生きようとする少年と、必死に自由の境涯を求める黒人の姿をユーモラスに描く。
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「トムソーヤの冒険」で有名な作家の「トム..」の続編的な作品でトムの仲間の一人ハックが主人公の冒険物語。
アメリカ南部が舞台で、暴力的な飲んだくれの親父から逃げる様に、筏での旅に出る。途中出会った逃亡奴隷である黒人のジムも加わり物語は進んでいく。
奴隷制が残るアメリカ南部(特にミシシッピ川)の
人、自然の描写が細やかで、人柄や景色がありありと浮かんでくる。
人への気配りが出来、聖人の様な心の優しいジムと話し方はがさつだけれども、良心を持ち1本筋の通ったハックのやりとりが物語のキモ。
大人の汚さを知り、ある意味それを達観しているジムは、大人の扱い方は心得ていて、物語後半で登場するトムとは思考面で対比をなしていて、そのコントラストが面白い。
結果よりも物事の過程をおもしろくする事に全力を注ぎ込む理想主義的なトム、現実的に一番効果的な方法で旅の困難を対処していく現実主義的なハック。
ハックが所々で発するセリフに世の中の無常さ
を感じ、思わずハッとしてしまう。大人にこそ読んで欲しい一作
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実はこの本とトム・ソーヤの冒険は原作を読もうと高校のとき購入し、最初の数行で挫折した辛い記憶があります… 南部訛りの英文なんて高校生には分からないって… しかも出版されたのは1885年。そりゃあ辛いものがありますよね。日本語で読むのは楽だなあ〜 なんてニコニコしながら読みました。
面白かったです。当時の南部の状況も興味深いし出来事が又面白い。正直ハックの置かれた状況は面白いだけで済まされない状況ですがこの精神と肉体の強さはすごいなあ。昔は物が無いから応用力がつくのでしょうか。物事を打開する力だと思います。強かに、そしてまっすぐに(純粋、と言う意味ではなく)生きている。生きる力、と言う事だと思うのですがとても惹きつけられました。いまだに読み継がれているということがこの作品の魅力を十二分に語っているのだと思います。
面白かったです。
まあそれにしてもろくでもない大人がテンコ盛り。昔も今も怠け者とかろくでなしの人種は一定量存在したんだなあ〜、うん。
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やっと上巻読破。
トムを読んだときより、トムとハックの間に深い溝を感じるなぁ。トムの冒険は空想だけど、帰る場所の無いハックの冒険はシビアな現実。トムって実はお坊ちゃんなんだな。
味のある原作の挿絵や題字が可愛くて好きです。
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4月11日読書会課題。まずは上巻読了。
警告がついています。
「この物語に主題を見出さんとする者は告訴さるべし。そこに教訓を見出さんとする者は追放さるべし。そこに筋書を見出さんとする者は射殺さるべし。」とのこと。
ということなので、ここで言いたいのは、まじで面白いってことだけです。1885年の作品!
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Adventures of Huckleberry Finn(1885年、米)。
どこまでも陽気で陰影のない「トム・ソーヤーの冒険」に比べると、こちらは結構ビターな印象。黒人奴隷の人権問題が絡んできたり、大人の犯罪や紛争に巻き込まれたり…。トムの冒険はファンタジーだが、ハックの冒険は命懸けのサバイバル。一歩間違えば、皮肉めいた重い話になってしまいかねない内容だ。
しかし、児童文学として耐え得る軽やかさは、かろうじて失われていない。その理由は、ハックの逞しさ、ジムの善良さ、人種を超えた彼等の友情、そして何より、雄大なミシシッピ川の美しい描写のためだろう。ハック達が自由を求めてミシシッピを下る過程は、自由を求めて新天地へ降り立ったアメリカ人にとって象徴的であり、心の原風景なのではないだろうか。ヘミングウェイが本書を「アメリカ文学の源泉」と称したらしいが、さもあらんと頷ける。
個人的には、ジムを救出する穴を掘る場面での、トムとハックの掛け合いがツボ。ロマンティストで意固地なトムと、リアリストで合理的なハック。その対比が面白くて、何度読んでも笑ってしまう。
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奴隷制が残るアメリカ南部を舞台にして、暴力的な父親から逃れるハックと逃亡奴隷ジムの冒険。
大学で読まされたアメリカ文学はあるが、自主的に最初から最後まで読んだアメリカ文学としては初めて(翻訳だけど)。始めは、翻訳の変ななまりが気になったが、数章読めば全然気にならなくなった。よく1人でこんなことするよなー、というくらいハックは勇気のある子だと思ったり、ハックの二枚舌に感心したり、ある意味で素直な子だなーと思ったりして、面白かった。ジムはよく迷信を口にするが、当時の奴隷はこんな感じだったのだろうか、と思った。冒険そのものも面白いが、当時の南部の様子が描かれている部分も、歴史紀行をしている感じで、テレビを見るよりも自由に想像できて楽しい。たぶんこれが小説の良いところなのだと思う。当時の南部の様子は一言でいえば「血生臭い」という印象だった。週に一度は死体を見そうなイメージ。
(続きは下巻のレビューへ)
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トム・ソーヤーは読んだことないんだけど、『ハック』に出てくる限りでは、なんでトムはこんなに阿呆なのか。ハックが逃亡奴隷のジムのことで真剣な葛藤の中にいるのに、トムはただ自分が楽しむことしか考えてなくて…それで、池澤さんのにも書いてあったけど、ハックな真剣な葛藤を結局ジムは解放されていたということで終わらせていいのかと。◆◇関連リンク◇◆池澤夏樹『世界文学を読みほどく』http://review.webdoku.jp/note/4390/14961/1?id=157631
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なるほど、発禁などの経緯があるだけに、当時の社会や宗教観への風刺が強く描出されている。トムソーヤの冒険とは異なり小学生が読むには少々暗い側面が強いので、読み手の対象となるのは中学生以上であろうか。一般的にハックの冒険ではトムは邪魔者という風説が強いが、トムソーヤの冒険よりもより"現実的"な本作の冒険においても、その存在感を浮き立たせているトムという人間の強さに私的には非常に魅力を感じていたりする。
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ミシシッピー川を舞台にした冒険小説。ダイナミックで自由な旅をそのまま読んだ気分で残酷な部分も含まれるが、当時のアメリカの様子が想像出来た。また当時のアメリカ社会の奴隷に対する考え方を垣間見た気がする。
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小学生のときに読んだ。大学生になって再読。昔と比べて、今のほうがはるかに冒険心に満ちている気がする、というのは余談だが(笑)
冒頭の「この物語に主題を見出さんとする者は告訴さるべし。そこに教訓を見出さんとする者は追放さるべし。そこに筋書を見出さんとする者は射殺さるべし。」という"警告"が印象的。
自由人ハックと黒人ジムの旅物語。