電子書籍
最終的に家族を作れて良かった
2019/02/21 00:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝4時 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の半生を書いた本で、特にローティーンでの車のパーツ泥棒や、ハイティーンでの銃の密売は映画の中の出来事のようにエキサイティングでかつとても遠くに感じた。どちらの国も日本からは海外旅行の圏内なのにね。それだけ、表の社会で生きている私から見ると裏の世界というのは感覚が遠いのだろうと思った。
そういった感覚の遠さは著者と著者の母親の間にもきっとあり、35年間も互いに会えないままでいたのだろう。母親が、(彼女自身もマフィアの血を引いているとはいえ)しきりに著者に危険な事をしないで欲しいと願っており、著者は母を心配させないように秘密が多くなってしまった。家族やファミリーを大切に思う事が裏目に出てしまったのだろう。会いたければ母からも日本に来れたのだ。ギリシャと日本はまだ海外旅行の圏内だ。確かに距離は近くないが、気持ちが近ければ物理的に遠過ぎる訳でもない。(※調べたら最短で15時間。結構、遠いね。)
本の中で、著者が家族やファミリーが大切だと何度も強調するのは、この本がマフィアやヤクザやイタリアに関する世界が書かれているものだからなのもあるが、著者の5歳から母の元を離れたり、父が重婚したりする家族に関してとても考えさせられる事の多い境遇もあると感じた。なかなか、理想的な家族は存在しないし、作るのも難しいのだ。
しかし、2018年現在、著者が守るだけではなく、逆に著者を守るような素敵なパートナーと家族として幸せに暮らす事が出来ているようで良かった。
最後に、妹のモナが来日した際、とても心細く不便な思いをしたようで申し訳ない気持ちになった。
あと、星会長とYさんとの出来事は著者が格好良いから起こった出来事としか思えない。そんなもらい事故で殺されなくて良かったねと思う。
そして、同業者を町の中でも見分ける能力は、どの業界でもあると思った。
投稿元:
レビューを見る
映画「ゴッドファーザー」でマーロン・ブランドが演じたドン・
コルレオーネのモデルであり、伝説のマフィアであるラッキー・
ルチアーノ。
その末裔が日本にいるだと?しかも本を書いたって?これを読まず
にいられようか。いられるわけがない。
末裔と言ってもラッキー・ルチアーノの直系ではない。母方の祖母の
いとこの息子がラッキー・ルチアーノと少々ややこしい。それに著者
が生まれる前にラッキー・ルチアーノは亡くなっているので面識も
ない。
それでもギリシャ人の父とシチリア島出身の母の間に生まれた著者
は、母方の祖父・伯父がマフィアだったことで幼い頃からいわゆる
「ファミリー」に囲まれる生活を送る。
5歳で父と共にアメリカに渡り、ろくに学校にも行かず9歳で既に
ファミリーの運び屋の仕事を手伝っていた。
勿論、そのままアンダーグランドの世界へまっしぐら。アメリカを
振出しにコロンビア、パキスタン、フィリピンへ。
同じようなアウトサイダーの世界の住人は同類を嗅ぎ分ける能力が
あるのだろうか。著者はどこへ行っても「その世界」の人たちと
関りを持つ。
そうして23歳で日本へ。大理石の輸入販売を行っていた父親の仕事
を手伝いながら、山口組傘下の組長と杯を交わし経済ヤクザとなる。
5代目渡辺組長にも気に入られたとか。
それにしても波乱万丈の人生だ。PLOやマルコス大統領の名前は
出て来るわ、肉親の裏切りには遭うわ、そっちこっちで結構あわや
命の危機なんて場面にも遭遇しているのに、現在は既に経済ヤクザ
も引退し、東京都内でイタリアン・レストランを経営している。
マフィア・スタイルでお馴染みの麻生太郎も来店したことがある
とか。
アンダーグランドを歩き続けて来た著者なので、読む方はハラハラ
ドキドキしっぱなしだったが、安らぎを得られる女性との出会いが
ラストの方で綴られているのでほっこりした。
これは映画化して欲しいな。映像にしても面白くなりそうだもの。
表紙カバーの著者の写真もさすがに貫禄がある。
著者のお店、行ってみようかな。店名は「ウ・パドリーノ」。
シチリアの言葉で「ゴッドファーザー」という意味だそうだ。
投稿元:
レビューを見る
ラッキー・ルチアーノの血族である著者マリオ・ルチアーノの自伝です。
彼は様々な国を旅し、最後に日本に落ち着きました。
やはりというべきか、ルチアーノの血は極道へ。
伝説のマフィアについてはほぼ触れられていませんが、一人の男の生き様が綴られています。
投稿元:
レビューを見る
「ゴッドファーザー」も好きだしとても興味深い内容であった。アンダーグラウンドのことは、別の世界のことと割り切ればとても面白いと思う。しかし、この主人公マリオの壮絶な人生を読書の中で共にするうちに、あまりにも近いところにアングラな世界がはびこっていることを知り、とても怖くなった。そして、違法行為、暴力、黒い関係さえも自慢げに語られ、マフィアは何よりもファミリーが大事だと言っておきながら、親族内の裏切りでファミリーが瓦解していくことに、かなりの違和感を感じずにはいられなかった。
それでも最後には足を洗い、本当の幸せというものを見出せたということで締めくくられ、安堵した。
投稿元:
レビューを見る
今度マリオさんのイタリアンの店に行くので
予習、と思って読んでみた。
19歳の時結婚して生まれた子どもは
どうしたんだろう?
と、疑問に思ったまま読み進める。
最後に出てくる息子、がその子なのかしら。
家族ってなんだろうなと考えさせられる一冊。
そして、裏切りを経験するために
とことんファミリーを大事にして信頼する、
そして裏切られる、、その繰り返し。
悲しいな、
何年もお母さんに会えず、、、
亡くなった後、帰ろうとすると
こっちに帰ってきてもママはいない
と言う妹の言葉。
何が大切なのかな?ファミリーの絆?
お金や高級なモノ?地位や権力?
抗えない環境に置かれたら人はどうなる?
自由意思でなく運命に翻弄されるのかな?
この本に書いてあることが全てではない
とは思うけど、なんだかなぁ、せつないなぁ。
生き直すには振り返ることも必要なんだろうな。
人の人生、他人にはわからないものが
たくさんある。