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紙の本
個々人が合理的に行動すると失敗することを理論的に解説した本
2018/06/05 23:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店で題名に惹かれて購入。
慶応大学教授の著者が、個々人としては合理的に行動しているにも関わらず、全体としては非効率だったり、非倫理的だったりして、さまざまな「改革」が失敗に終わる「不条理」について、以下の4つの理論から解説し、後半では、カントや小林秀雄などの理論をもとに、不条理を分析している。
1.取引コスト理論
2.エージェンシー理論
3.所有権理論
4.プロスペクト理論
全般的に文体は平易で読みやすく、各理論に基づく改革の失敗事例(実例多数)の解説も分かりやすいが、やや単純に理論を当てはめすぎている感じもして、ちょっと物足りなさもあり。また、不条理の回避策についても論じられているが、あまり腑に落ちなかった。
とはいえ、テーマは分かりやすく、かつやや図式的とは言え平易に解説されており、読んでよかったと感じた一冊。
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