紙の本
大江健三郎 柄谷行人全対話 世界と日本と日本人
2021/05/10 13:00
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大江健三郎がノーベル賞を受賞した前後に行われた、大江健三郎と柄谷行人の対話。文学だけでなく、スピノザやカント、ドゥルーズ、サイードなど多くの思想家や哲学者についての話しも出てくる。最近一部Twitter界隈で話題になった、柄谷行人の英訳ドストエフスキーの話と大江の反論も載っている。
個人的に印象的だったのが、二つ目に収録されている「戦後の文学の認識と方法」の中の、西洋における日本文化の受容についての話が面白かった。
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大江健三郎さんがノーベル文学賞を撮ったのが25年前のことだということに、愕然としてしまいますが、受賞の前後に柄谷行人と三度対談をしていて、それが最近新刊で出版されました。
何だか季節外れの出来事のように感じられる向きもあるかとは思いますが、これが、なかなか面白いんです。柄谷さんは「探究」シリーズに突入したころですし、大江さんは、なんというか、「断筆宣言」をしていたころです。
それ以後の二人の姿を考えると、結構正直な対談だと思いました。
詳しくはブログでどうぞ。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202003100000/
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「文学とは、小説とは、哲学とは、そこから見えてくる世界とはこういうものである/こういうものであった」という点においては色褪せず参考になる本だと思う。しかし、「こうなるであろう」という点においてはコロナ前に書かれた本であるため、「本当に?」となる。そのくらいコロナで世界は不可逆に変わってしまった。文学も小説も2人の言う通りエネルギーを無くして、2人の願い叶わず衰退はするだろうけど、そこまでの道筋はこのとき見えていたものと大きく変わってしまったと思う。たとえば誰かの抱えた花束が手放されるのは、花が枯れたときではなく、その人が死んだ時かもしれない。
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メモ→ https://twitter.com/nobushiromasaki/status/1635193558058815489?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw