紙の本
設定がすごい
2024/02/28 19:41
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投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
設定からして万人にお勧めできる作品ではないが、しっかりと面白いミステリー。著者の作品の中では読みやすい方ではないか
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確か本書がデビュー2作目になるんだったかな?
デビュー作と本書と、2冊で独自ジャンルを築いたような気がする。好みが別れそうな作風を貫いて欲しい。
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男と女が「結合」することで生殖可能になる、という設定を活かしたトリック(逆か。このトリックを使うための「結合人間」という設定なのかも)が使われているのですがとにかく気持ち悪い。
しかし「正解」に至るまでにいくつも別のトリックが考察され、語られるので「推理合戦」的な展開が好きな人向けかも。
ヒメコはどうして親を呼び出したのか。恨んでいて、殺したかったのかな。
『船橋結合人間』が意味不明でした。恋人を騙して自殺に追い込んだということ?
その他、設定に関する疑問
・こういう方式で生殖をする場合、結合人間ひとりあたり何人子供を産めば人口が維持できるのだろうか
・「売春」や「レイプ」が出てくるが、この世界における「結合」以外の性行為の態様はいかなるものなのか
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帯に本格ミステリとあったけど、これは本格ミステリではないだろう‥
あのトリックのために、設定のための設定の連鎖で、設定を理解させるためにリソースを割きすぎた感が否めない。結果肝心のトリックも犯人も動機も宙ぶらりんのまま(特に動機)で読後感は
お、おう‥?
みたいな。この世界観や設定にハマる人には面白いかもだけど、そうなるともはや推理とかいらないよな。
綾辻行人氏激賞ってほんとかしら。
あ、でも個性は凄い。ほんと凄い。
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最後までよくわからないまま終わりました。
わたしの理解力が及ばないので、申し訳ない。
2部構成?なんですが、後半の代わる代わる出てくる謎解きの講釈の理解が追い付かなくて、言葉読んでるだけで終わってしまいました。そもそも、結合人間という設定なんだから、結合人間でしかありえない事実を使って解決させなくてはならないという前提が、わざわざなぞ解きするのを面倒くさくさせてました。
そして、常に結合人間を複数配置させた絵面が気になって、気になって。文字から、こんなにも脳内映像に影響を与えてるんだから、すごい文章なのかなぁとは思いますが、そこまでかなぁ。
さらに気になったのが、結合人間の生殖。物語に関係ないけど、成り立たないのであれば、話も意味がないよなと思って。あきらかに、人口減るよね。未結合者は、個人なわけだから、働いてたら、人ひとりいなくなっちゃう!一大事!そして、結合自体が生殖器を作る行為だとしたら、生殖そのものではないので、受精はいつするんだ。と考えたらきりがありませんでした。
ま、ある意味、いろいろ考えられるから、楽しめたのか?
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目も腕も脚も四つずつある結合人間。
またナンセンスすぎる設定で見たことないミステリを見せてくれた。
突拍子も現実味もない設定も、一皮めくれば意外とオーソドックス。
手数の多さとミスリードの巧さが冴える。
だけど(キモくて)映像化不可能な問題作。
突飛な設定が山のように積み上がるから最初は理解が追いつかないんだけど
これはこういう風に使うための設定かな?こういうロジックが成立しそうやな?とか邪推しながら読むのもまた楽しい。
そんで更に一枚上手を行く白井さん。
多重推理でこういう意外性を演出するのもやっぱりおもろい。
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設定がぶっ飛んでました。
結合後の障害により嘘がつけない「オネストマン」となってしまった人達が小さな島で連続殺人事件に巻き込まれていく。
最初は設定に置いていかれないように読み進めるのが大変でした。
特異な設定のルールのようなものを巧みに利用し、推理が二転三転していくのも「いったいどこにたどり着くだろう」と楽しくなっていました。
白井智之の小説を初めて読みましたが、精神的にエログロく、どこまで「アリ」かワクワクで、私はこの世界観が好きです。
クローズドサークルも、伏線回収も、浮世離れした設定以外は本格ミステリーでとても楽しめました。
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【一言感想】
読んでいて不快かつグロテスク。特殊世界にはつっこみどころ満載。しかし,多重解決や叙述トリックは見事。クセの強い作品だが,白井智之の作風は嫌いではない。
【感想】
生殖のために男女が身体を結合させて「結合人間」になるという特殊世界を舞台にしたミステリ。この世界では,結合による突然変異として,時折,うそがつけない「オネストマン」と呼ばれる存在が生まれる。当然,この特殊な設定を活かしたプロットで描かれている。白井智之の作品らしく,グロテスクな描写がある。また,ネズミ,ビデオ,オナコと呼ばれる登場人物は,かなり不快な人物として描かれている。
人気モデル川崎千果と映像作家ヒロキによる結合とオネストマンが誕生するシーンが描かれたプロローグから始まる。このプロローグもちょっとした伏線になっており,
この小説は,「少女を売る」と「正直者の島」の2つに分かれた構成になっている。「少女を売る」は,栞という少女が,なぜ,死の直前になって友達をほしがったのかというホワイダニットになっている。栞という少女は,学校では周囲を見下しているようなタイプの少女だった。それが何でも言うことを聞くようなスタンスでネズミ,ビデオ,オナコが運営する寺田ハウスという売春
をしていたのか。真相は栞の復讐。性被害を受け「羊歯病」という病気になった栞は,殺害された弟の復讐のために寺田ハウスの3人に羊歯病を移そうとしていた。自分だけだと3人と性交渉できないので,別の少女を連れてこさせ,連鎖的に感染させようとしていたというもの
グロテスクな設定ではあるが,ホワイダニットの謎としては驚かされる。読んでいて不快な点に目をつぶれば,ミステリとしてはそれなりの作品に仕上がっている。
後半の「正直者の島」は一転してクローズドサークルモノになる。寺田ハウスの3人が映画を撮るために7人のオネストマンを集める。しかし,寺田ハウスの3人は今井イクオクルミという探偵により船から落とされる。オネストマン7人がたどり着いたのは狩々ダイキチモヨコとその子どもが住むというカリガリ島。カリガリ島で,狩々ダイキチモヨコとその子どもの麻美が殺害される。オネストマンの7人はいずれも犯行を否定。ほかの人物がいるのか,誰かがオネストマンではないのか。読者には2人,オネストマンではない人物が含まれていることが示されている(誰がオネストマンでないかは分からない。)。そのうちのどちらかが犯人なのか。
続いて,神木トモチヨが殺害される。
この物語でも,多重解決が示される。まずは今井イクオクルミの推理。狩々ダイキチモヨコを殺害したのは神木トモチヨ。決めては,狩々ダイキチモヨコが宿舎に怒鳴り込んできたことを知らなかった(そのとき神木トモチヨはいなかった。)こと。神木トモチヨを殺害したのは丘野ヒロキチカ。神木トモチヨが,狩々ダイキチモヨコを殺害した場面を見ることができ,脅迫できたのは丘野ヒロキチカしかいないという消去法での推理
続いて犯人と指摘された丘野ヒロキチカの推理。犯人は浅海ミズキハルカ。狩々ダイキチモヨコは二重人格で,自分を殺そうとしていた。医者である浅海���ズキハルカは疑心暗鬼になるように嘘の検視をしたというもの。これは現場の状況に全く合わず破綻
そこに今井イクオクルミの依頼者である茶織(栞の友達として拉致された少女)の妹と伯父が現れる。茶織の復讐に来ているが二人は死亡。定期船の乗組員は殺害される。今井イクオクルミも死亡。浅海ミズキハルカも死亡
次に生き残った丘野,小奈川,杯が推理。包丁を利用したアリバイ工作ができたのはノーマルマンの二人組。7人の中からノーマルマンを探し出せば犯人が分かる。杯,丘野,小奈川,双里の4人に一人でもオネストマンがいれば全員オネストマンになる。そうすると犯人足り得るノーマルマンは浅海と今井の二人。犯人はこの二人う推理。丸一日眠らせる睡眠薬を使っていたというトリック
エピローグで,ヒメコが現れ,オナコと再会。真相が明かされる。丘野ヒロキチカのふりをしていたのは,オナコ。オナコは丘野萌子という名前だった。丘野という表記を利用した叙述トリック。寺田ハウスの3人のうち,オナコは女で,オナコだけが生き残っていた。丘野ヒロキチカとは船で入れ替わった。物語の中で,オネストマンの1人,杯はヒメコの父親だった。最大のポイントはカリガリ島には,もう一人少年がいたこと。オナコであるとばれると今井に殺されると思ったオナコはその少年と結合した。オナコが犯人。神木トモチヨはオナコ丘野ヒロキチカのふりをしていることに気付き,ゆすったので殺害された。
ボーナストラックの船橋結合人間は結合人間スーツを着ている自分が結合人間だと思った恋人を自殺させた男
の話。おまけ程度
なんというか不思議な魅力がある作品。グロテスクだし,不快な描写が多いし,特殊世界のミステリだけど,どういう世界なんだとつっこみたくなるような世界観。しかし,ミステリとしては多重解決となっており,叙述トリック(オナコ→丘野と丘野ヒロキチカを「丘野」と書いて誤信させる叙述トリック,そもそもオナコの性別がはっきりしない叙述トリック)も効果的。オナコが真犯人で,カリガリ島にはもう一人少年がいたという真相にも意外性が十分。寺田ハウスが解体されるきっかけになった中村大史が兄弟を監禁という前半部分のニュースがちょっとした伏線になっているのも見事
白井智之の描く作品は,確実に読む人を選ぶけど,個人的にはクセの強いこの作風は嫌いではない。とても人には勧められないが。★4を付けたい。
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二部構成。
前半はグロ系。後半は孤島ミステリー系。どちらも背景には結合人間、オネストマンといった特殊設定があります。
個人的にはグロ系は不要で、オネストマン同士の中で起こる孤島ミステリーだけでもよかった(それぐらい後半のミステリーはしっかりしていた)。
が、そもそもこの作者の本の時点でそれはないなと思い直しました。
人を選ぶ本だなと感じた一冊。
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「名探偵のはらわた」も出たことだし、過去作も読んでみようと購入。
正直、グロが苦手な身としてはかなり辛い部分があった。「そして誰も死ななかった」はマイルドな方だという感想をちらほらみかけたが、確かにこの作品にくらべれば読みやすかった。
パズラー要素強めで多重推理も魅力的なのに、その面白さが自分の中ではグロと相殺されてしまった印象だった。にしても、タイトルに東京と入っているのはなぜなのだろう?
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さすが白井先生と言うべきか、設定が突飛すぎて引いてしまうレベル。
グロテスクでエグい描写も健在。
それでも多重解決ミステリとしてはかなり面白い。
伏線の張り方も見事で、真相が分かった瞬間そういうことか!と思わず膝を打つ。
70ページぐらいまで不愉快極まりない描写が続くため読むのを断念したくなるが、そこはなんとか耐えきって本編を楽しんでほしい。
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第一部の描写は気分が悪くなるような酷いものだけれど、どこにもない世界観を作り上げて、その中で事件が起こりそれが解決されるというお話の作り自体はとても面白い。解決編の運びも、頭を働かせずに読むのにちょうど良い。
一番最後に新たに出てくる二人の素性がもう少し描写されてても良いんじゃないかと思ったのと、船橋…の解釈が自分にはできなかった。
200907
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設定はぶっ飛んでる。でも、それをまったく使用していない。3メートルある身体、4つの目、4本ある手足、それら特殊な設定が全く無意味。
肝心の事件も誰かが推理→間違ってる→誰かがを3、4回繰り返されてちょっと飽きてしまった。
自分の読みが浅かったのかもしれないが、終盤で出てきた女の子はなんだったの?全部が明かされないまま終わってしまい、モヤモヤが残る読書となりました。
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初めてこんなに現実世界とかけ離れてるけどかけ離れてないところで起こる話を読んだ。
結局、誰が誰で何がどうなったのか、考えれば考えるほどわからんくなる
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この著者さんの作品として初めて手に取ったのがこの“東京結合人間”だった。
「ウソがつけないオネストマンが集まった中で殺人が起きたが、誰も犯人として名乗りあげるものはなく…」というあらすじに惹かれ購入したのだが、まさかこんな異世界設定線での物語で、尚且つ過激なグロ表現があるとは思いもしなかった。
読み始めは、慣れないグロ表現にとても目を瞑りたくなるような感覚で、著者さんの作品と自分は合わないかと思われたが、読み進めていくとこの現実離れした異世界設定である理由が、ちゃんとした推理に論理的に結びつくものとなっていて、非常に脳をフル回転させて情景を思い浮かべなければいけなかった反面、ミステリーとしてのトリックにとても納得と驚きがあった。
こんな作品は初めてで、斬新で面白く、この著者さんでしか出せない味。
自分的「今年発掘した新著者さん星5作品」としてブックリストに追加させて頂きました。