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倒産に至るまでの経緯と問題点が提示された本。
明らかな駄目経営者という人はおらず様々なボタンのかけ違いから力尽きる姿が描かれている。破綻の定石は下記のとおり11あるがスピード的かつ柔軟に発想できない経営者は敗退している。今回はテーマが違うので触れられていないが無念なのは解雇された従業員も同様であろう。特に1社依存の危険性は会社経営以外でも教訓になる。
■ 破綻の定石1 脚光を浴びるも、内実が伴わない
■ 破綻の定石2 幸運なヒットが、災いを呼ぶ
■ 破綻の定石3 攻めの投資でつまずく
■ 破綻の定石4 世代交代できず、老舗が力尽きる
■ 破綻の定石5 起死回生を狙った一手が、仇に
■ 破綻の定石6 負の遺産が、挽回の足かせに
■ 破綻の定石7 危機対応が後手に回る
■ 破綻の定石8 売れてもキャッシュが残らない
■ 破綻の定石9 1社依存の恐ろしさ
■ 破綻の定石10 現場を統率しきれない
■ 破綻の定石11 ある日突然、謎の紳士が……
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倒産の原因としては、
●画期的なビジネスモデルは確立したが事業規模拡大に組織体制の構築が追い付かず業務品質低下
●計数管理が杜撰
●経営方針が浸透せず組織の一体感が乏しい
●財務的観点でのリスク管理が甘く過大投資
●単独の事業やヒット商品や取引先への依存
●苦し紛れにノウハウのない事業に進出
●本業の成功に気をよくして無関係な投機的投資に走る
●環境変化に応じた柔軟で迅速な対応ができず業績悪化
●経営陣内部の確執で明確な経営戦略を打ち出せず
●市場成長予測を見誤って投資
●従業員のモチベーション低下
●目先の資金繰り優先で利幅の高い事業や将来に向けたノウハウ蓄積やブランド向上の取組を後回し
など、痛々しい事例が並ぶ。中には、明らかな経営者の落ち度もあれば、その状況下ではやむを得ないと思ってしまう事例もある。
しかし、自社の独自性を伴った強みを持ち、差別化により持続的競争優位を獲得し、経営が順調な時でも新たな収益の柱の育成に経営資源を配分する戦略性と投資にあたって財務的視点からのリスクを考慮した判断を行う慎重さが必要であるということ。そのためには、大手と同じ土俵で価格勝負をせず、常に環境変化に注視し状況に応じた対策を打つための組織的余力を確保しておき、経営資源配分により必要なノウハウや技術や組織能力を戦略的に蓄積し、差別化による競争優位を維持しなければならないということ。
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日経トップリーダーの連載をまとめた本だが、つまらず。雑誌掲載時は破産申請直後という生々しさもあったかもしれないが、単行本にしてみると「取材には答えられません」という談話を延々と並べているだけ。倒産直後、債権者への説明も済んでいない状態で雑誌の取材に答えられる訳はないので当然だ。単行本にするにあたって取材し直すなり何なりしたというならまだ判るが、これをそのまま本にする編集姿勢はいかがなものか。
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成功事例に目を向けがちだけど、失敗事例も知っておくのは大事だなと思う。生存戦略のなかで持っておくべきマインドは「成功の秘訣を知ろうとするのではなく、失敗するパターンを知り、回避すること」だ。
ロジックが成り立ってない(論理が飛躍しているのでは?)と感じる部分があったから、そこを深掘るといいかも。
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中小企業が倒産するまでの話が23個も紹介されていて、生々しい内容だった。自社の売上を超える無理な設備投資や時代の流れについていけないこと、内部分裂などが倒産に至る主な原因だと感じた。今まで就活で大手企業ばかり見ておりJR北海道が年に500億円の赤字、経営安定基金を利用して年に50億の赤字に対して、これくらいの赤字でもなんとかなるのかと思っていたが、この本では負債が1億程度で倒産に至るケースも多く、お金のスケールの違いを感じた。成功話は自分にそのまま取り込めないけど、失敗話は再現性が高くて反面教師となるので、失敗の定石を示す本書は興味深かった。
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「成功には定石はありませんが、失敗には定石があります。」として、失敗の定石を導き出そうとした1冊。23社の破綻事例が簡潔にまとめられているほか、「会社を潰した社長の独白」も2編含まれています。
分量的にも文章的にも非常に読みやすいのですが、内容的にはぜーんぶ会社が潰れる話な訳で…少しインターバルを置きながら読了しました。。
「失敗の定石」の代表選手としては、財務的なセンスの無さというのは致命的なんだなぁと。
いくら販売面で好調でも、過大な設備投資を続けてしまったり、黒字なのに手形落とし続けたり、謎のデリバティブ取引で損失を出したり、いや勿体ない。
中小企業の強みをフットワークだとするなら、ある程度ワンマン社長の独断も必要なんだと思いますが、その分経営者には全方位的完璧超人的な資質が求められてしまい、それも無理なので経営=投機みたいになっちゃうんでしょうね。。
あと、もう1つの「失敗の定石」は主に景気(というかリーマンショック的な事象)といった環境の変化に対する対応が遅れてしまうこと。
好景気の時は恩恵を受けた訳だし…と思いつつも、景気が悪くなる直接の原因が当該企業にあった訳でもなく、そんな時に銀行からは貸し剥がしに遭って…というのはどうにかならんのか、と思ってしまいます。
もうちょい、ビジネスの再生や転換をサポートする枠組みが(今もあるんでしょうが)強化され、普及され、となる必要があるんじゃないかと思います。
「会社を潰した社長の独白」の②は、特に真に迫るものを感じました。コーポレートガバナンスは、大企業や上場企業のものではなく、中小企業にも必要なものだなと。
手軽に読めて、ただ個別事例の羅列なので学びがどこまであるかはありますが、良い1冊なのではないかと思います。
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成功はアート、失敗はサイエンスと言われるので、とにかく失敗に共通する点を把握しておこうと思い、読んでみました。
中々面白いです。失敗した原因は事業拡大のタイミングや資金繰りの知見不足、人材をないがしろにした結果など色々な事例が書かれていました。
気になる方は一読オススメします。
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読んでいて、『勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。』野村監督の言葉が蘇る。企業が倒産に向かう事例が類型化され、なまなましい情報と共に記載されている。
製品と時代のズレ、市場の動きに合わない投資、次の製品を生み出せない、等々。分かっているけど、必死に頑張るけど、有効な手が打てない。
キツイなぁ、、、
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もともと日経の雑誌で連載されている記事をまとめた本らしい。倒産した企業をカテゴライズし、それぞれの企業の創業〜倒産までの歴史に触れ、倒産原因について考察するという構成だった。
わたしは企業経営の経験はないけれど、経営の難しさがびしびしと伝わってきた。
財務系の整理ができてないとか金融商品に手を染めてしまう等での倒産は自業自得な面が大きい。でも、設備投資や戦略の失敗で倒産になってしまうのは、結果論でどうこう言えても、その場で適切な判断をするのは難しいだろうと思わざるを得ない。
また、リーマンショックや東日本大震災という単語が何度も登場した。こういう突発的な不況に対応するのも難しいだろうなーと思う。
読み物としておもしろかった。