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紙の本
三島由紀夫論の決定版!というだけでなく…
2002/11/17 21:07
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投稿者:クドウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いままでの三島由紀夫論をくつがえす超大作。決定版と言ってもよい。三島由紀夫、父親、祖父と三代遡って解析している視点が、あまたの評伝とまったく異なる。文学ファン、三島ファンだけでなく、歴史ファンにもオススメ。三代の過ごした約百年間が、日本の近代の百年間にあてはまるので、大河ドラマ的に日本近代史が体感できる。
「三島由紀夫の評伝である本著は、割腹自殺を大団円に置いた『近代日本と官僚制』という題の大河小説と見てよい。主人公は大蔵事務次官平岡公威(三島由紀夫の本名)および父の農林水産局長平岡梓と祖父の樺太庁長官平岡定太郎。三代にわたる高級官僚の家系である。だが祖父は疑獄、父は無能、息子は文学によって結局、官僚機構の落伍者となる」(鹿島茂)と解題にあるが、まさに、いまの日本に巣食っている官僚機構の本質も、平岡家の歴史を通して理解できる。
この作品は発表当時、たいへん話題になったが、「著作集」になってからあらためて読み直してみても奥深く、スリリングな読み応えが楽しめる。平岡家三代を通してみた官僚機構を理解すると、いまニュースで話題になっている小泉内閣の構造改革の根っこの部分が理解できて、余計おもしろいと思った。何度でも読み返したい書。
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