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イスラーム教徒である著者による人生論。
判りやすい言葉でありながら内容は剛速球w
内容はとても論理的、なのに小賢しさは感じられないので受け止めるのは結構大変かも。
言ってる事は難しいことじゃないんだけれどね。
>人が知るべきは「自分が何をしたいのか」、そして「自分には何ができるのか」の二つしかありません。
>本書を読み終えて「自分が何をなすべきか」が気になり始めたあなたとは、主がお望みなら、またどこかでお会いすることになるでしょう。
内容に賛同するも反感を持つのもあるのだろうけれど、前書きにあるこの言葉は真理なのだろうと思う。
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中田考という人の事ははじめて知った。
またイスラムの考え方についてもほとんど知らなかったので、たまたま手に取ったこの本の考え方には結構衝撃を受けた。
いまの産業資本主義全体を覆う生きにくさの原因は、
本当の意味で、
「何をしたいか」
「何ができるか」
「何をすべきか」
についてそれぞれが知らないことだという。
著者の表現では、
「自分をヘビだと勘違いしたミミズ」と書かれている。
勘違いしたミミズはカエルを食べてやると言い残してで出かけていったっきり戻ってこない。
身の程を知る。
つまり、「自分には何ができるか」ということに対して、より現実的にならないといけないし、
そもそも生きる価値や人間に価値はないと言うことを認められるかどうか。ということ。
たいがい出来もしないのに、もっとやるべきことがある、こうならなくちゃいけない。にふりまわされているのが現代の人々である。よく言われることだと、
「承認欲求が強すぎる」という一言になるんだと思う。
無限に肥大化する「承認欲求」とうまくつきあうべしということには、自分も大きく賛同するし、
改めて自分を戒めないといけないなと。
一方で後半のくだりの、しょせんみんなバカなんだから、何も考えず優秀な人やボスと思った人に黙ってついていけばだいたい幸せ。という話はちょっと分かりにくく感じた。
誰かが決めたすべきことや、価値があること、承認欲求にふりまわされるな。と説いておいて、何も考えずにボスについていけば大丈夫。と言うのはちょっとな。
全体的にはものの見方を広げてくれる良著だとおもう。
キュートな表紙も良いね。
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近頃、中国ガー、韓国ガーとか言わない保守の人の意見に考えさせられることが多くなった。自分はリベラルだと思っていたけど、保守寄りな部分も大きいのかもしれない。この本は、保守派でムスリムという、日本人としてかなり珍しい立ち位置から今の日本の社会や推奨されがちな生き方を批判的に書いた一冊。前向きに!努力して!負けないで!目標を持って!やりたいことやって自己実現!考えて!という、ありがちな自己啓発を批判している。同意できる部分もあるけど、異を唱えたい部分もある。
著者が本書を通じて言いたいことの一つは、やたらと自己実現やら承認欲求やらの自我が肥大して自意識過剰になっていくのはいかがなものか?多くの人を不幸にしているのではないか?ということだと思う。それに関して、自分がミミズのようなものだと自覚できるかどうかは別にして、異論はない。
ただ、語り口の問題はあるのではないか。読んでいる側としては極端な語り口ほうがおもしろいけど、おもしろくしようとするのも考え物だ。最後に収録された対談部分を読むと、例外とか言葉足らずな部分が明らかになってくる。この本に書かれた「考えるな。隣の人のマネをしろ。」は言葉足らずだと思う。マネができなかったらどうするのか、という問題もある。マネできないと孤立しかねない。仲間はずれにされかねない。その時、考えないでいられるだろうか?しかし言葉を尽くして「場合によるから、考えるのも善し悪しだ」みたいに書かれたら、つまらない読み物になる気もする。そもそも、考えないで隣の人のマネをした結果が今の社会なのではないか?そして、「考えないで、隣の人のマネをする」のはごく自然なことで、意識的にやることではないと思う。
まったく語り口が違うけど、みうらじゅんも割と同じことを言っている。考え過ぎるな。自分はない。答えはない。憧れの人のマネをしろ、なり切れ。そこでなり切れなかった部分が個性というものだ・・・。憧れの人=隣の人と考えれば、言ってることはほぼ同じだ。しかし、語り口の魅力という点では、みうらじゅん大先生の圧勝と言わざるを得ない。なんか、反発したくなるんだよね、この人の語り口は。ただ、考えすぎる奴が大学院に進学して病んで精神科に通うハメになる、とかいうくだりにはちょっと笑った。
著者は自分を棚に上げすぎではないか?と思う部分もある。過度の承認欲求に疑問を呈していて、それはわかるんだけど、本を何冊も出しているアナタは一体何なんだ?自分の名前を全面に出して。自我が肥大した承認欲求のカタマリではないのか?ありがちな自己啓発を批判するのもわからなくはないけど、この本だって自己啓発だと思う。一つの別視点としておもしろい一冊だったけど、この自己啓発本のおかげでますますわからなくなった。人の価値観を混乱させることで、軸のない人を不幸にする一冊かもしれない。バカはこの本読まないほうがいいね。たとえバカでも、そんなことを考えずにはいられない。
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「『君たちはどう生きるか』を読むとバカになる」という煽りに惹かれて買って、長らく積読してしまったけどようやく読了。
こんだけ「バカ」と「ダメ」という言葉が出てくる本はそうはないのではなかろうか(笑) 身の程を知る人生の劇薬論というだけあって、読んでいて痛快なところも多々(特に老人批判とか)。何だか生きるのが辛くなってきたな、と思ったときにまた読みたいと思える本。
承認欲求は誰にでもあるものと認識し、それとどううまく折り合いをつけて縛られすぎずに生きていくかが誰しもが抱える課題。そういう意味では、神と個人との関係に帰結するイスラム教は最強だなと。
そして、身の程を知って分相応に生きるべし、それがというのが一貫して書かれていること。なるほどこういう価値感だから「えらいてんちょう」とも仲良しなんだなと。
賢いということは、自分が何をしたいのか、自分には何かできるのか、そして自分が何をすべきなのかを知っていることという言葉も印象的。そして学校は、自分には何をできるのか、をぼやけさせると。今の学校は、できないことを認識させないということには、教育現場に詳しくない自分でもなるほどなと思ってしまった。
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複雑な時代の価値観の中で、いかに生きていくのが一番良い生き方なのだろうかと問いている本である。自分と言う存在の真の価値を知らないまま周辺の情報に流されて知らず知らずのうちに自分の本当の姿や価値に気づかないまま誤った情報を鵜呑みにした、言わば誤った観念を認識したまま、生きていること、そんなバカは辞めよう、と気づかせられる。
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多くの人が、まずタイトルに導かれて手に取ってしまうと思う。
「多様性、多様性」と言われオンリーワンが素晴らしいように謳われるこの時代に、このタイトルはぶっ刺さる。
ボクもそうだった。
「なぜ、みんな違うことがダメなのか?」
その主張の根拠を知りたい。
著者の考え方を知りたい。
そう思って、気がついたらAmazonでポチッていた。
手元に届いてまず著者情報を読んでビビった。
自分がミミズに思えるくらいの高学歴!!
なおかつ、「イスラーム」と馴染みのないワードが書いてある。あまりいいイメージのない宗教ワードだっただけに、逆に学ぶにはいい機会だと思ってしまった。
冒頭から「バカ」という言葉を滝のように浴びることになった。おもしろい。
気持ちいいくらいにバカと言われる。
俺もバカ、みんなバカ、世の中バカだらけ。実際、そうだよね。だから社会がギクシャクしてる。
ソクラテスさんの「無知の知」を思い出した。まずは自ら気づくことから。
本書は宗教が信じられなくなった時代に、信仰の重要性を説く。信仰なき人間に「すべきこと」などない。確かに、そうかもしれない。
どう生きるべきか、何のために生まれたのか、そんなこと考えるより「したいこと」をすればいい。それが信仰なき人間の幸せな生き方だと著者は言う。
ちなみに多くの日本人は自分は無宗教だと信じているけど、それ勘違いだと思う。だって、「これはやっちゃダメ」とか「こうした方が正しい」とか道徳的な基準はしっかりある。こういう規範となるものが海外では宗教なだけだと思う。
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文章は、読みやすく結構どんどん読み進めたんだけど内容が自分の考えと違っていたので最初から最後まで違和感があった。確かに、実力以上の目標を持って“もっとできるはずなのに…”とストレス溜めるより“俺の実力こんなもん”とストレスフリーで背伸びして頑張らないと言う考え方もあるんだろうけど。やっぱり、僕は上を見ていたいな。
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内容はものすごく辛口で、深く突き刺さりまくります。
表紙絵と、中身があっていない本ランキングは、間違いなく1位ですね。
宗教(イスラーム教)の視点から観る、人生論。
賢いとバカの違いは、シンプルで、
賢いとは、「何がしたいか」「何ができるか」の2つが分かっていて、分相応に生きること。
そして、バカは、例えるならば「自分のことをヘビだと思う、ミミズ」と1章で説きます。
こういった調子で、努力は報われる、自由に生きよう、などの言葉をバッサバッサと切り裂いていきます。
あれもこれもダメと言われると、どうしてもじゃあどうすれば?なんて、正解を求めたくなりますが、それこそがバカである、とさらにダメ押し。
私みたいな、本に影響されやすいタイプの人間は、少し距離をとりながら、読んだ方が良いのかもしれません。
最近ゆるく生きているな、なんて思っている方は、背筋を伸ばすチャンスです。
ただ、劇薬なので、心が折れるかも知れませんが。
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全然知らなかったイスラム世界の片鱗に触れることができた気がしました。もっとストイックかと思っていたけれど、意外と無理のない社会という印象。一方資本主義社会は、誰もが成功のチャンスを与えられているというが、実はほとんどが成功できない社会。そしてみんなが成功を手中にできないことにに苦しんでいる。
私にとって、新鮮な視点を与えてくれた本だと思います。
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2021.07.27 読了。
斬新。タイトルがまず斬新。
そして表紙と内容の差が半端ない。
世の中のほとんどの人間がバカ、という衝撃的な内容。
というか著者、完全にほとんどの日本人をバカにしているし、見下しているよね。
「これは普通、漢字で読めるでしょ」という言葉をひらがなで書いているのも、ものすごく見下している感じがする。見下すというか、煽ってない?って感じ。
ただ、『バカの壁』でも言われていた、わかっている、理解しているという思い込みがダメだ、というのはそうだよねー、と共感させられる。
自分の能力って理解できるているようでできていない。自意識過剰で考え過ぎるから不幸になる。確かに。
基本的には、周りのマネをしていれば生きられる。当然っちゃ当然なんだけれど、これをあえて本に書いているってのが斬新に感じる。
『君たちはどう生きるか』マンガ版買っちゃったよ、まだ読んでいないが。
ものすごく批判しているじゃん。
呪いの書なのかよ。
イスラム教って全く興味なかったけど、思っていた宗教観と全然違うので、そこには興味を持てた。
というか、この本自体がイスラム教の教えなんだよね。恐らく。
もっとイスラム教を深堀りすると、さらなる幸せが見えてくるのだろうか。
宗教も悪くないのかも、と思った。
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価値観が全然違う
日本には宗教の色が薄いけど、何かを信じ切れたら、学問をそこまで極めたら全く違う人生なんだなと思った。
普段の悩みの多くは自分が馬鹿だから、そう思ってるんだなと思うことにする。
できることすべきことしたいこと。