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映画監督になりたかった子供の頃を思い出し購入。全ての映画は特定のジャンルに分けられるなど、衝撃的な内容が多かった。脚本を書く上で、同じジャンルからヒントを得る考え方は納得感が高かった。これから映画を見る際は意識してしまうと思う。映画だけでなく、仕事での発表方法にも活かせそうな点が多かった。
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ハリウッドの作品って、中には嫌いという人もいるけれど、私は逆で、どの映画も毎回すごくよく出来ていると心から感心する。
日本映画を見てると眠くなって飽きちゃったり、感情移入できずに終わることも多いのに(すいません、でも事実)、ハリウッド作品にはそれがほとんどなくて、逆にこんな作品で泣くー?ってくらい毎回大泣きしたり大笑いしたり。
絶対に、海の向こうのあの国には、何か脚本を書くマニュアルとかシステム的なメソッドが確立されているはず!! そうじゃないと、こんなにいくつもいくつも長期にわたって継続的におもしろい作品が量産され続けられるはずがない!
…などと思って、その答えがほしくていろんな脚本術の本を読んだけれど、今まで私が読んだ中では、納得いく答えがなかった。
しかし、やっと、そういうことが書いてある本を見つけた。
絶対あると思っていた。何ページまでに何を書いて、何ページでこういうシーンを入れて、と細かくマニュアル化した本。
それがこの本です。
読み物としてもおもしろかったし、その理論はとても説得力があるように思う。(といってもあくまでも私は映画を見る側なので、受け取り手として感じた説得力ですが)
印象的だったのは、ミッドポイントが必ず45分で訪れる、というのを著者が発見したエピソード。なかなかすごい発見だと思った。
今まで見た映画を思い浮かべても、確かにだいたい1時間くらいでそういうシーンが来る。
そしてそのタイミングは110ページの脚本では55ページ目に来る、という著者の主張にもなんとなく納得。少なくともハリウッド映画を見る時にわたしたちが期待している物語の起伏は、映画のジャンルにかかわらず、大まかにはそのような形になっているように思う。
きっと太古の昔から、人類は「物語を語る」という行為のテクニックを実地で磨いていって、その到達点の一つがハリウッド映画なんだろうなぁ。
ミッドポイントだけじゃなくて、映画は四幕になっていて、それぞれの区切り(第一ターニングポイント、第二ターニングポイント)が来るタイミングも、基本的には決まっている、というあたりになってくると、統計学の箱ひげ図をほうふつとさせられて興味深かった。
ミッドポイントを挟んだターニングポイントは、中央値を挟んだ第二四分位数と第三四分位数みたい。
今後は映画よりも海外ドラマが主流になるんじゃないかと私は感じているが(映画は今の二時間ドラマか、テーマパークのアトラクションみたいな位置づけになるのではないかしら、などと勝手に予測)、その海外ドラマも、一つひとつのエピソードに、やっぱり同じように型があると思う。でも、映画とは時間の尺が違うから、ちょっと違う型。
ということで、次はこの本の海外ドラマ版みたいなのが読みたいな。
私の体の中のエンタメ時計は、もはや映画じゃなくて海外ドラマに合わせてしまっているような気がするので。
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売れる脚本には法則がある。芸術特に時間芸術と言われているものは一定の「型」が見られるが映画脚本においてもそれがあるということである。「三幕構成」が有名だが本書が提唱するのが「BS2(ブレイク・スナイダー・ビート・シート)」である。
BS2は以下で構成されている。この構成がキモである。構成を作った人が「脚本家」として印税を手にできるのだそうだ。また全体を110ページとした場合は下記の長さはほぼ決まっており、業界の人はペラペラとめくって見るだけで良いものかどうなのかの判断ができる。ベンチマークの意味あいもある。なかなかシステマティックである。
1.オープニング・イメージ
2.テーマの提示
3.セットアップ
4.きっかけ
5.悩みのとき
6.第1ターニング・ポイント
7.サブプロット
8.お楽しみ
9.ミッド・ポイント
10.迫り来る悪い奴ら
11.すべてを失って
12.心の暗闇
13.第2ターニング・ポイント
14.フィナーレ
15.ファイナル・イメージ
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「売れる脚本のつくりかた」を細かに分析し、体系化した良書。
ビジネスへの応用可能性の高さはもちろん、単純にいち映画ファンとしても膝を打つ内容がふんだんに盛り込まれていて、タイトルによらず幅広い読者層におすすめな一冊。
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・売れる脚本のコツ
→ 一行 (ログライン)でどんな映画か明確に答えられる。
↓
ログラインに必要な4つの要素
① 皮肉 (つかみ)がある
② 映画の全体像が見える
→ 時間設定やいろいろな可能性を予想させることができる。
③ ターゲットの客層や製作費が明確かどうか
④ パンチの効いたタイトル
→ ストーリーを象徴するような言葉。
・ハイコンセプト=映画を見やすくすること
・ジャンル
→ 新しいジャンルを生み出そうとするのではなく、既存の同じジャンルの作品をふるいにかけ、その中からプロットに必要不可欠な要素を手に入れる。
↓
① 家のなかのモンスタータイプ
→ 逃げ場のない場所でモンスターに襲われる。
ジュラシックパーク、ジョーズ
② 金の羊毛タイプ
→ 主人公はなにかを求めて旅に出る。
③ 魔法のランプタイプ
→ 「ーがあったらいいのに」という願望を叶える。
願いの代わりに天罰が下るパターンもある。
④ 難題に直面した平凡な奴タイプ
→ どこにでもいそうな奴が、とんでもない状況に巻き込まれる。
⑤ 人生の節目タイプ
→ つらい経験を通して主人公が成長する。解決策を見つける。
⑥ バディとの友情 (ラブストーリーも含む)タイプ
→ 最初はバディを嫌っているが、徐々に必要不可欠な存在になる。
⑦ なぜやったのか?タイプ
→ 人間の邪悪な性が暴かれる。
⑧ バカの勝利タイプ
⑨ 組織のなかでタイプ
→ 集団や組織、施設、ファミリーについて描く。組織の中で自分らしさを失うこともしばしば。
⑩ スーパーヒーロー
→ 超人的な力を持つ主人公がありきたりで平凡な状況に置かれ、苦悩する。
・主人公
→ 共感でき、学ぶことがあり、応援したくなり、最後に勝つ価値があり、シンプルな動機がありそれに納得がいく人物。
・save the catの法則
→ 主人公が置かれた状況に観客が最初から共感できるように気をつける。主人公が悪い奴の場合は敵役をさらに悪い奴にする。
・パイプ置きすぎの法則
→ 状況説明に多くの時間を割いてストーリーが進まない。
・黒人の獣医の法則
→ 設定や肩書きが多すぎる。
・氷山、遠すぎの法則
→ 出来事が起こるまでのスピードが遅い。テンポが遅い。
・変化の軌道の法則
→ 悪役を除いて全ての登場人物はストーリー中に成長する。
・マスコミ禁止の法則
→ 主人公のスーパーパワーや未確認物体が映画のマスコミによって報じられること。主人公と観客だけの秘密が秘密でなくなってしまい緊迫感がなくなる。
・脚本の再チェック
① 行動で見せるべきところをセリフで語っていないか?
② 登場人物は皆同じ話し方をしてはいないか?
③ 見た目の特徴ははっきりしているか?
④ 主人公の変化の軌道は早い段階から始まっているか?
⑤ 原始的な欲求か?
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売れる脚本には15のビート(イベント、物語の移り変わり)があり、これを細かく説明しているのが本書の目的です。
人を惹きつける者には必ずストーリーと変化があることに気づきました。目的は主人公の求めるものを手にすることや問題を解決することですが、それに追い付くまでにどのようにストーリーを展開(変化)させていくのか、読者に未知の体験をしてもらうかが大切だと感じました。
例えば、お笑いでいうと、オチが読めないギャップに笑いが起こったり、どれだけストーリーを展開させても受け手が求めているキラーフレーズに落ち着くことで笑いが起こったりします。ただ、ストレートに淡々と進めるのではなく、進めるまでに変化をどう楽しませるかということが大切だと感じました。
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【動機】聞きたくなるようなストーリーをつむぐためのヒントにしたくて
「脚本」というジャンルで複数のサイトで薦められていたので興味を持った。
映画よりもっと短い、なにかの背景説明に用いたかったので、ちょっと変えた方がいい部分もあるだろうが、映画の構成が知れたり、おおまかなジャンルがわかったり、違う視点が持てた。
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【概略】
脚本は芸術であり、科学である。ハリウッドで最も成功した競売向け脚本家の一人である著者が自身の脚本を形作るまでのメソッドを公開。人はなぜ主人公に「共感」を抱くのか?脚本を書き始める前にするべき準備はどういったものがあるのか?また映画を独自の視点で10個のパターンに細分化。また脚本を書き進めるうえで行き詰った時の解決方法もあますところなく開示。脚本家に限らず、創作をなす者にとっては必携の一冊。
2023年02月28日 読了
【書評】
Amazon の「欲しいものリスト」の唯一の欠点は、「どういった経緯でその本をリストに入れたか?」といった備忘録コメントをする機能がない点だな。誰かに紹介してもらったのか、読んだ本の中で紹介されていたのか、YouTube か何かで推薦されていたものなのか・・・。本書はおそらくは読んだ本の中で引用されていたかなにかだと思う。手に取ってみた。
米 Amazon 脚本術部門(そんな部門あるのか)で売上No.1のベストセラーという肩書きは、伊達じゃなかったね。凄くテンポよく、楽しく読み進めることができたよ。スピーチや落語のスクリプトを作るうえで、めちゃめちゃ参考になる。偶然、今ちょうどトーストマスターズクラブのスピーチコンテストシーズン真っ只中で、自分のスピーチを練り上げていくのに少し行き詰まりを感じていたところだったから、ありがたかったよ。映像で語ることを前提としている脚本とスピーチとでは、全てがイコールになる訳じゃないけれどね。
「ワンスピーチ・ワンメッセージ」と同じマインドであるログライン(映画を端的に示すためのワンセンテンス程度の説明)が決まるまで脚本を書き始めるな、なんて、やっぱりコンセプトめっちゃ大事だよね。一見とっちらかってる映画でも、軸はあるんだよね。
映画のジャンル分けについて、著者ならではの解釈、凄く面白かった。「家のなかのモンスター」からはじまって「スーパーヒーロー」まで全10種類、これから観る映画、今まで観た映画、分け分けするのが楽しみになったよ。ホラーとかコメディといった分け方ではなくコンセプトで分けるという考え、これは斬新。本質を抽出するという意味では自分に合ってる(自分好みという意味ね)かも。
脚本を作るにあたっての直前の仕込み「ボードづくり」も、読み進めるについて「あぁ、なんか自分も書いてみたい」と思わせてしまう雰囲気がある。「ヒーロー's ジャーニー」をもう少し細かくした形、そこに感情の起伏を「+-」「><」(←葛藤を意味するそうな)で補足していく。今は自分はラジオ動画にしてもスピーチにしても手帳に書いては消し書いては消しとやっているけど、似たような感じで示してくれてるのがありがたい。
スピーチを手直ししていくにあたり、一番ありがたいなと思ったのが「脚本を動かす黄金のルール」という章。ここでいよいよ「Save the Cat」の要素が現れる。ログラインやボードでしっかりと太くした幹から広がる枝葉の修正が、この章で行われる。小見出しがことごとく禅の公案みたいになっていて、逆にそれが好奇心をそそる。
自分なりにもうちょっと(それこそログラインがごとくワンセンテンスワンフレーズぐらいにして)シンプルに書き写して、持ち歩きたいなと思った。これはおそらく反復して読んで自身のスピーチや落語の創作をして、身体と意識にしみこませていくものだなぁと思った。
あとは本書で紹介された映画は、可能なら全て観たいね。既に観た映画もあるけれど、初見のものも。ここで紹介されている映画を、本書で紹介されたメソッドで解剖する。ここからかな、第一歩は。ちょっと楽しみ。
翻訳された方の実力というか、感覚も素晴らしいと思った。もちろん原書のニュアンスって大事だからそれを無視しちゃいけないけれど、なんというか・・・文章が小気味よいのだよね。ザ・翻訳って感じじゃなくて。それがこの本の清涼飲料水度合いを高めてると思う。読了後の爽快感が心地よいもの。
それでも、英語落語家としては、これをあらためて原書で読み直したいね。自身の英語でのワークショップでも使えそうな表現、沢山ありそうだから。
また素敵な本に出会えてよかった。
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すごくよかった!もっと早く読んでおけばよかったと思うほどだった。
明快な体系的に脚本術について描かれており、確かにこの方法でハリウッド映画は作られているし、このように書けば、ある程度面白い作品は作ることができるであろうという確信があった。この方法を取り入れる実践的な手法についてもきちんと書かれている。
それでいて、平易で親しみやすい文章で書かれているので、読みにくさも感じなかった。
ほんと、もっと早く読んでおけばと思った。
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もう一度通読した。
SAVE THE CATの理論編。頭の良い人だったり確固たる方法論を確立しているひとにとってはこれだけで良いと思う。
この本で大きく解説しているのは3つだ。
・描く価値のある主人公の描き方
・ストーリーのタイプ別の10の作品分類
・15のシーンからなるプロットの解説
主人公は観客から応援されなければならず、そのテクニックの1つとして「猫を助けるシーンを挿入しなさい=SAVE THE CAT」ということ。要するに観客の共感を呼ぶように設定しなさい、みたいなこと。
物語は脚本のタイプによって10個に分けることができるというもの。たとえば「何かを求める旅に出る」というタイプの脚本という分類をすれば『オーシャンズ11』も『プライベート・ライアン』も『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も同じジャンルだと彼は言っている。こうやって分類してから作品を分析していくことによって、執筆中の脚本の参考になる。
この本で一番大事なのが3幕構成をさらに細かく分割した『ブレイク・スナイダー・ビートシート』なるもの。著者の名前を冠したこのシートに当てはめていくことによって映画の脚本を簡単に完成できるというもの。
確かにビートシートを頭に入れながら作品を見ると、該当する箇所がおおむね同じ時間で出現する。
今まで読んだ脚本術の中で一番分かりやすく、実践的だった気がする。おすすめ。
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前田裕二さんのおすすめの本
全ての脚本に通じる普遍の原則が網羅されている
面白い物語の型を知りたい人は一読の価値あり
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現代にも通用する脚本術の根幹が学べた。
ただ、有名どころの映画について幅広い知見がないと例が退屈。もちろん、脚本家志望ならば前提なのだろうが。
2010年初版発行ということで、売り出し方などは古さが残る。
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なんか話の構成とかストーリーの作り方を知りたくて、ガストで初めて一気読みというのをした。メモとかしながら4時間くらいかかった気がする。
冒頭のログラインの説明が長くて、マジで大事なんだと学びつつ、ビートシートの説明あたりからめちゃくちゃ面白い。
そうそう、こういうのを知りたかったって感じ。
このビートシートを知ってから映画とかドラマを見ると「あ、ここでミッドポイントね」とか「はいはい、悩みのとき」みたいな感じで構成理解してるマンになれる。
あとはボードに付箋いっぱい貼っていって構成作りするヤツやってみたいな。部屋の壁一面使って。なんか誰かのブログでこの構成を考えるのが楽しすぎて毎日やってるって見てマジかよってなった。なにがそんなに面白いのか気になる。