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すごく重大な(犯人に関する)ネタバレを見てしまってがっかりしてから読んだが、全くそんなことは関係なくおもしろかった。
ネタも理解しやすく、キャラクターも面白い、ブラックジョークもたっぷりで、いろんな麻耶的要素がうまく調和してて、麻耶雄嵩を初めて読む人にお勧めしやすいのではないかと感じた。
犯人の言い訳シーンが毎回面白くて、ネタがあっさりわかってしまっても面白く読めるのがとても良かった。
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デビュー時から屈折した探偵と助手をテーマに描き続けてきた著者の茶目っ気たっぷりの実験作。随所で苦労の跡がうかがえる。「化石少女」で感じた気味の悪さも、この域までくれば逆に気持ち良く...はやっぱりならないが、癒し系日常ミステリと言ってもバチは当たるまい。
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『探偵の居ない推理小説』がコンセプトということで、主人公の助手役君と、お人好しな優しい犯人()だからこそ成立する話だなあ、と。
ワトスンの疑問に自白(謎の解答)しちゃう犯人。(普通ならしらばっくれるか殺されてますよ;)
とりあえず死因は途中から、またか、そう何回もそれで死んでたまるか! 流石に嘘だろ! って突っ込みいれたくなった。
でもこの小説世界ではそれが通常運転なんだろうな…、と。(謎さえ解ければいいんですよ…)
途中パターンを変えて、一応毎回同じとは限らないですよ。としつつ(謎自体は簡単だが何話か挟むことで読者に伏線として先入観を持たせている。個人的にはもちょっとパターン挟んでも良いかと)、
この優しい世界で謎を解いてしまったらどうなるかを示唆している。(そのためのパターン外しとも言える)
叔父さん可愛い(主人公の現実逃避)。
読んでたら主人公に毒されてくるのだけど、叔父さん、何処かで見たような感じだなと思ったら、ギャグ漫画日和に居そうなおっさんの可愛さだなと。
探偵不在だけど、たまに探偵ぽさも見せてくる叔父さん。
ワトスン役は探偵の側にいても犯人の側にいても倫理観が吹き飛ぶなあと(某美袋を見ながら)。
タイトルは探偵小説のM·D·ポースト〈アンクルアブナー〉シリーズのもじりだそうで(解説より)、読んどいた方がいいのか、ただの遊びなのか、面白いから読んでね、ってことなのか。
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30半ばで何にも属さず町の「なんでも屋」を生業とする、柔和で思いやりに満ちているがどこかおっちょこちょいな愛らしい叔父さん。
家の離れを訪れれば僕にだけ聞かせてくれる驚きの推理。
推理?推理か?
何かの冗談としか思えない◯◯◯◯◯◯というある意味無敵な犯人像。つよい。
普段はツンとしたところのある主人公が懐いてる叔父さんの前でだけは少年のように素直になる、この可愛げのある関係性とツッコミ不在のシュールさが繰り返されるうちに気味が悪くなってくるという。
麻耶雄嵩は探偵を何かしらの装置として使う作風やけども今回のこの装置は、ちょっと、たまらんな...笑
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うん、安定の麻耶雄嵩でした。毎話、解決篇(?)らしき部分に漂う不穏さと歪さが楽しかった。
タイトルは『アブナー叔父』のもじりですね。こういうの好き。
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離れに暮らす「何でも屋」の叔父さん。身の回りに起こる事件の真相が叔父さんから語られるという形式。
いや、普通に読んだら犯人は叔父さんじゃん!って話(そうじゃないのもあるが)なんだが、語り部の優斗が自然と受け入れていく。ミステリーとしてどうなんだよこれ!って話なんだけど、個人的にはそんなに嫌じゃない。
でもオカルト要素が入るのはナシだな。
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この作家さんの本は初めて読むのだけど、こういう作風なのかな……と首を傾げたくなる。
連作短編ですがそのほとんどで、「犯人」は便利屋をしている主人公の叔父。しかも「うっかり死なせてしまった。不運だった」なパターン。警察仕事しろ、とか言いたくなる感じ。
主人公の三角関係については……二股は最低だと思うのでそこに共感はできないなぁ。としか。
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本当にいろんな意味であぶない叔父さんだったな…
優斗もあぶないよ…お前らしっかりしろ。
でも叔父さんかわいいよちくしょう…。
ただ麻耶さんにしたら毒っ気が少なかったな。
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主張点は,密室だのトリックだのといった前提は,一人の登場人物の立ち位置を変えれば如何様にでも覆せる,本格ミステリィなどそんな薄氷に存在しているに過ぎないことを努々忘れることなかれ,といったところか.常に安寧に対して疑問を持つ姿勢は強く評価する.麻耶作品は,作品そのものを楽しむのではなく,各種実験方法をこそ楽しむべし.
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『化石少女』に続き、麻耶作品8作目。まあ面白かったんだけど…叔父さんの廻りにのみ事件が起き、真実が語られる——何故かこの物語の人工性(神としての作者)を強く感じ、なんか…こう、物語に入っていけない印象を受けた。他の麻耶作品ではこんな感じではなかったのに——どうして?もうこの作者は卒業した方がいいかもしれない……。星三つ半。
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おじさーん!何してくれてんの?って感じだけど、甥とのやりとりの表現がセンスあって好きでした。新鮮な世界観につれていかれた感じです。
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神さまゲーム読んで、短編麻耶づいてたのでちょっと読んでみましたが、今回は合わなかったなー。
自分の本読みの癖でついつい視点に感情移入してしまうのだけど、全体的に主人公と倫理観が合わないのがマイナス1。
女房気取りの彼女がキャンキャンヒステリックでかわいくないのは、人の彼女なので勝手にしたらいいんですが、主人公の愛情がイマイチ感じられないことに読んでいてストレス溜まってマイナス1。
あと肝心のハウダニットの部分が全部ピー(自主規制)、そして毎度の「可哀想な叔父さん…」。
これはもう言葉通りでなく、麻耶さんわざとだと思うので、その皮肉を楽しむべし!なんだな。
だがわかった上でも決して好みではない。
これは続きがあるのかな。どうも人間関係泡立てたまま終わってしまったのがモヤついたので、マイナス1。
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叔父さん、ただのサイコパス!
ライト?な連作短編集。
やっぱり麻耶さんのテイスト好きだわ…と再認識させられた1冊。
年齢的にどうしても叔父さん寄りになり、35歳なのに叔父さん呼ばわりを許容しててエライな、と思った。
表紙絵に引っ張られて脳内イメージが表紙絵のまんまで読み進めたけど、フケさえ落ちなければかなり好みである。
一般的に見てそれ(叔父さん)がかなり異様でも、身内的には常態なのでおかしさに気づかないんだよね。分かる。
優斗の世間知らずに起因する高校生らしい呑気さとか、彼女真紀や元カノ明美や親友陽介らとの高校ライフとか、鄙びていくだけの地方の町の閉塞感とか、よく書けてた。
叔父さんと優斗のやり取りはほほえましいし、「失敗しちゃったんだ」じゃねぇよそれは過失致死罪だよとか、「叔父さん不運だね」じゃねぇよそれは(以下略)とか、いちいち突っ込みながら読んだ(楽しかった)。
何より怖いのは、過失とはいえ罪の意識が全くない叔父さんの精神構造だろう。
ていうか、叔父さんの一方的な話を鵜呑みにしていいんだろうか…叔父さんはこの町で相当暗躍してて多くの町民の弱みを握ってるんじゃないだろうか、とまで妄想した(笑)。
6編の短編で1年が巡るんだけど、叔父さんの過去とか優斗の今後とか、物語世界そのものに流れるストーリーは解決しない。
凄く気になるけど、有耶無耶のままだからこその作品の雰囲気なのかもしれない。
(続きは無いのかな)
それにしても人がよく死ぬ町だ。
関係ないけど、新潮文庫の正統派然とした様式と麻耶作品との違和感が半端ない。
・失くした御守…この作品のノリを見定めることになる最初のエピソードである。
名家の箱入りお嬢様が軟禁状態を脱出して恋人と駆け落ちしたと思いきや心中だったと思いきや殺人だったぽい、という話。
叔父さん、犯人が「早く見つかるといいね」とか言ってるけど、結局叔父さんがお嬢様を逃し、待ち合わせ場所で恋人を過って轢き、転倒した恋人は頭ぶつけて死に、ショックで自殺しようとしたお嬢様を止めようとしたら短刀がお嬢様に刺さっちゃった…って両方叔父さんが殺してる。その感想が「與五さんにはホント悪いことをしたよ」ってのも、優斗の「起こってしまったことは仕方ないよ」って切り返しもめちゃ怖い。その上現場の証拠品を待ち帰ったり証拠隠滅工作したり、完全にクロじゃん。
・転校生と放火魔…引っ越した元カノ明美が戻ってきて、優斗の日常もゴタゴタしてきたところに、放火事件が起こる。最初はボヤだったがエスカレートし、ついに放火殺人に発展する。
四神を隠れ蓑に五獣だった、という事件のからくりには驚かされたけど、うち一件の放火は叔父さんの仕業だった…。なんていうんだろう、良かれと思った行為であれば罪にならないわけないのに、そのあたりの感覚が完全に麻痺してて、怖い。そして真実を聞いても「そうか…」としか思わない優斗、もしかして君がサイコパスかもしれないぞ。
・最後の海…医者の次男坊の司は美大に進学したかったのに、長男が不始末を起こし���せいで跡を継ぐ話が浮上する。そんな時父親の首吊死体が発見される。
2度あることは3度ある、で読者が「どうせ叔父さんでしょ」と考えるのを先回りして優斗に「また叔父さんの仕業なんでしょ?」と言わせちゃう麻耶さん、好き。
実は唯一叔父さんが関与しなかった事件。
・旧友…叔父さんの旧友が恨みを買い、奥さんともども殺される。容疑者は自宅で自殺していたが、実は逆で旧友が妻と容疑者を殺した犯人だった。肝心の旧友はなんで死んだかというと叔父さんと揉み合っているうちに(略)。
叔父さんと旧友のすれ違った友情を教訓に、優斗に友達の大切さを諭す叔父さん、ちょっと切ない話…って本筋はぐらかしてるよね?
・あかずの扉…秋祭りがテレビで紹介されて急に予約で満室となった旅館の客室の準備を手伝うことになった優斗と陽介。作業を終えて旅館の温泉に入っているとどこからともなく死体が出現する。
はい、犯人は叔父さんです。揉み合ったら相手が足を滑らせて頭を打ちました。
優斗みたいに「本当に間が悪い事故だったんだね」とは全く思わないけど、事後の証拠隠滅ぶりが過失致死では済まないんだよなぁ。
・藁をも摑む…高校の校舎から飛び降りたらしい二人の女学生の第一発見者になってしまった優斗。不仲の二人が抱き合う格好で発見された謎に真紀らがとんでも推理を披露する。しかしそのとんでも推理がほぼほぼ正解、という話。ここでも人が死ぬきっかけになってるのは叔父さんだけどね。「つい彼女が右足を乗せていた丸椅子を蹴ってしまったんだ」って、蹴ってるじゃん。
あーヤバイ。まとめてみたら改めてマジヤバイ。
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推理小説??ってな感じです。
もう少し主人公カッコ良くても。。
そしてもう少し、
事件解決して欲しかった。
推理小説なんだから。。
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〇 総合評価 ★★★☆☆
〇 サプライズ ★★☆☆☆
〇 熱中度 ★★☆☆☆
〇 インパクト ★★★★☆
〇 キャラクター★★★☆☆
〇 読後感 ★★☆☆☆
〇 希少価値 ★☆☆☆☆
シリーズを通した「連続殺人犯」ともいえる「叔父さん」が存在する異色の作品。麻耶雄嵩らしい独特のインパクトがある作品ともいえる。
「連続殺人犯」とはいえ,別に叔父さんは知能犯というわけではない。「なんでも屋」である叔父さんが,様々な事件に関与し,結果として人を殺してしまうという設定。インパクトはある。
設定上,最終的な犯人が「叔父さん」であることが分かってしまうのでサプライズはそれほどない。しかし,短編集の3番目の作品である「最後の海」は犯人が叔父さんではない。短編集の真ん中で,読者の裏を書く作品があるためややサプライズがある。それ以後は叔父さんが犯人ではないかも…と思わせているのも上手い。
設定は面白いのだが,個々の短編集のミステリとしてのデキはイマイチ。「失くした御守」のトリックはコタツに隠れていたというもの。「転校生と放火魔」は放火犯を叔父さんが殺害してしまうというプロットはそれなりに面白いが「四神」をテーマとしたミッシングリングがさほど面白くない。「最後の海」は叔父さんが犯人でないというプロットは面白い。しかし,トリックは二人羽織りで死亡時刻をごまかしたというもの。ちゃちすぎるトリック。「旧友」は被害者と加害者を誤認させるというプロットは面白いが,トリックは犯人である叔父さんが密室にいて,第1発見者が入ってきたときに外から入ってきたふりをするとうもの。これも推理クイズ並みのちゃちいトリック。「あかずの扉」は犯人である叔父さんが石のふりをして目撃者をやり過ごすというもの。これもひどい。「藁をもつかむ」に至ってはトリックらしいトリックはない。
文体も「冷めた性格」である主人公である「斯嵯優斗」の視点から描かれているため淡々としている。そのため盛り上がりに乏しい。主人公の恋愛話も交わってきて全体的に退屈。先を読みたいと言う意識が持ちにくい。トータルで見て設定負けしている作品だと思う。そもそも設定は面白いのだが,この設定で面白い作品を作るのは難しいのかもしれない。設定の面白さから,短編集としては,全く面白くないというわけではないので,ギリギリ★3程度で。
〇 メモ
〇 シリーズに共通の仕掛け
基本的には「叔父さん」が意図せず殺人を犯している真犯人という設定。
〇 斯嵯優斗
〇 美雲真紀
〇 武嶋陽介
〇 辰吉明美
〇 失くした御守
国語教師與五康介が良家の娘で婚約者である鴻嘉恭子と心中に見せかけて殺害される。
真相は,叔父さんが車で與五に接触し,後頭部を地蔵にぶつけて死亡したというもの。後を追って自殺しようとした恭子も叔父さんが誤って殺害してしまう。恭子が消失したのは叔父さんがこたつに隠したから。叔父さんは二人のために心中に見せかける工作をした。
叔父さんが悪意がなく殺人し,偽装工作まで行っているという話。叔父さんを慕う主人���優斗の視点から描かれるので叔父さんが「いい人」として描かれるのがなんとも歯がゆい。トリックらしいトリックはなく,こたつに隠れていたのが消失の原因などバカミス的なものしかない。全体のなんとも言えない雰囲気を楽しむ作品か。ギリギリ★3。
〇 転校生と放火魔
潟田という女性が放火をしていた。叔父さんは潟田の犯行に気付き,見回りをしているところを鉢合わせしてしまい,潟田を殺害してしまう。叔父さんは潟田を犯人にしないようにするために火を付ける。
潟田と同居していた平川という男は,明美の母親である法子(離婚した妻)に未練があり,殺害しようとするが未遂に終わる。
これも叔父さんが放火魔だった潟田を殺害してしまうことで謎が深まるという話。ミステリらしいトリックなどはほとんどない。連続殺人という奇妙な設定を楽しむシリーズということか。優斗が視点となっている話も淡々としており,味気ない。ギリギリ★3か★2というところ
〇 最後の海
医者の家である枇杷家で,家を継ぐはずだった長男の理が犯罪を犯す。そのため,画家を目指していた次男の司の美大への進学が困難になる。そんな最中,枇杷家の当主である枇杷均の死体が発見される。
この作品では,主人公である斯嵯優斗が叔父さんが犯人であると疑い,叔父さんに「どうやって殺したの?」と聞く。すると叔父さんは「無闇に人を疑うのは良くないな。」と諭す。この作品は叔父さんが犯人ではないというサプライズ。犯人は均の弟である則高と均の後妻の葉子。トリックは二人羽織りで死亡時間を偽るというもの。トリックはまごうことなきバカミス。叔父さんが犯人だろうという先入観を逆手にとるサプライズがウリ。これを短編集の真ん中に持ってくることで後半の作品でも叔父さんが作品かどうか疑心暗鬼で読むことになる。美大への進学を迷う司の描写も後味が悪く,麻耶雄嵩らしい短編といえる。とはいえ,★4とするほどでもない。★3の上の方という感じ。
〇 旧友
叔父さんの旧友である柳ヶ瀬伸司という男が株で大儲けをして霧ヶ町に帰ってきた。その柳ヶ瀬伸司が妻と一緒に死体で発見される。柳ヶ瀬伸司は嫌がらせを受けていたこともあって,叔父さんと妻の弟である木之元誠の二人が見張りを頼んでいたが,死体で発見される。密室殺人のようになってしまう。柳ヶ瀬伸司を恨んでいた汐津という男も死体で発見される。イルボラ様の祟りであると町では噂されるが…。
真相は柳ヶ瀬伸司が妻と汐津を殺害していた。妻と塩津が不倫をしていたのが原因。柳ヶ瀬は自分のアリバイ工作として叔父さんと木之元に見張りを頼んでいた。叔父さんは自首するように勧めるうちに柳ヶ瀬伸司を殺害してしまう。浮気されたことや妻が不倫していたことが広まらないようにするために,叔父さんは柳ヶ瀬が生きていたように見せかける。具体的には密室の中で待機し木之元を呼んで,木之元が入ってから外から来たように振舞った。これがトリック。
イルボラ様の呪いをミスディレクションにしつつ,被害者と加害者を誤信させるというプロット。トリックが密室の中に犯人がいたという使い古されたものである点がバカミス的ではある。この短編集の中では及第点のデキだろう。★3で。
〇 あかずの扉
主人公の優斗と友人である陽介は,テレビで秋えびすという祭のことが放送され,予約が増えている旅館の部屋の整理のアルバイトに行く。叔父さんも同じ旅館で人形造りを手伝う。その旅館で手伝いに来ていた奥実秀夫という秋えびすのスポンサーの死体が発見される。
この作品も実行犯は叔父さん。奥実が不倫していることが分かる手帳を見せてしまったことから興奮した奥実ともみ合っているうちにこけて風呂場の石で頭を打って死んでしまう。叔父さんは庭石を使って死体を風呂の中に沈める。叔父さん自身が石のふりをしてやり過ごす。事件は事故として処理される。
石のふりをして現場でやり過ごすことで容疑の圏外に行くというバカミストリック。これはバカ。ある意味面白い作品だし,「あぶない叔父さん」という作品らしい作品だろう。★3どまりかな。
〇 藁をも掴む
優斗の通う高校で二人の女生徒が屋上から抱き合う形で落ちて死亡する。二人は恋敵だった。主人公の優斗は真紀と明美の二人のどちらかを選ぶか迷う。ノイローゼのようになった優斗は,屋上からどちらかを突き落として殺害しようとするが,叔父さんに止められる。優斗が突き落とそうとしていたのは真紀でも明美でもなく幽霊だった。叔父さんが止めなければ,優斗が屋上から落ちていたかもしれない。
女生徒の二人の転落の真相は,叔父さんが一枚かんでいた。恋敵の二人は,今カノの方が元カノを殺害しようとして屋上から落とそうとしているところを,叔父さんが慌てて止めようとして声を掛け,二人とも転落死してしまった。
幽霊騒ぎの余韻があるが,トリックらしいトリックもなく平凡なデキ。★2~★3というところか。