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麦と豆のタネを買おうとネットで検索し、たまたま行き着いたのが野口氏のタネ屋さんだった。この本を読むまで、全く何も知らず、何も考えず、普通にホームセンターでタネを買っていた。日本のタネの多くがF1種であること、それが生産性、経済性優先で、必ずしも美味しい野菜ができるわけではないことにおどろいた。地球の将来に悪影響をおよぼす可能性のある植物の改変が急速に、そして一般市民にあまり知られることなく大手バイオ企業によって進められている事実はさながらSFの世界。この本は全ての地球人が読むべき。
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すっごくおもしろい本だった!
ホームセンターで売られている野菜のタネのほとんどが、そのまま育てても種が出来ないものだとは知らなかった!
大量出荷されている野菜のほとんども、雄しべが退化して種が取れないので、今農家は自家採取せずに毎年タネ屋からタネを買うのが当たり前なんだとか。
日本で流通している野菜なら遺伝子組み換え作物もないから安全、と思っていたら、知らないうちにすごく不自然なものを口にしていたんだなぁと知って驚いた。自家採取できる固定種で家庭菜園して、ホントにおいしい野菜っていうのを食べてみたくなりました。
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形や大きさが流通に便利になったけど、まずい野菜や果物を食べている。
今年できた種を蒔いても、来年同じ野菜ができない種。
同じ野菜をつくるには、タネ屋から種を買わなければいけない。
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BIGISSUEの記事をきっかけに図書館で借りて読んだ。
雑種強勢のことは高校の生物で習った記憶があるが、そのF1種を作り出すためにさまざまな手法があり、技術改革が進んでいることを知った。
雄しべのない本来自然界では生き残れないはずの突然変異種を特別に栽培して、交配に使うという不稔雄性という手法は、著者の言うとおり禁断の領域に踏み込んでいるのではないかと思わされる。
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20140521読了
今や全国に一件しかないらしいタネ屋を営む野口氏の本。ネットでも固定種のタネを販売しているそうなので、家庭菜園で育ててみたい。●遺伝子組み換えなんてもってのほかだな…調味料の原材料欄はちゃんとチェックしようと思った。●私たちは、もはやほんとうの野菜のおいしさを知らずに生きているのかも。明治生まれで昭和に活躍した女優・沢村貞子さんのエッセイで、最近は野菜がまずくなった、以前の野菜はちゃんと味がしておいしかったのに、という一節があった。これはたぶんこの本で言う固定種がF1種にとって代わられた流れを、野菜本来の味を知る世代の沢村さんは舌で感じていたということなのかもしれないと思い当たった。●コンスタントに供給されスーパーでいつでも買える野菜は、子孫を残せない一代限りの種(F1。ミトコンドリア異常)で作られている。大量生産と安定供給のために生み出されたF1は栽培期間と収穫時期が一定。他方、その土地で出来のいい作物の種を取りながら子孫をつないできた地元野菜(固定種)は成長の速度も収穫時期も個体それぞれだが、人工的な操作を加えられていない。今やホームセンターなどで売られている家庭菜園用のタネもすべてF1種で、一代限りのタネ。
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途中から、これものすごくおそろしいことなんじゃないの・・・と思い始め、なんだかぞわっとしてきた。F1という言葉のおそろしさ。
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衝撃です。
生命をつないでいくことができず、世界が滅びゆく可能性すら感じさせるタネを取り巻く状況に、危機感を感じずにはいられません。
私は家庭菜園をしていますが、固定種を蒔いて、採種をし続けて行こうと誓いました。
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植物の種は生命の源。そのタネが今とんでもないことになっている。タネと人との関係などを説いた本。素晴らしい内容だった。
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タイトルの通り、タネは現在危ない状態にある。
不自然な交配をして作られるF1種、遺伝子組換をされた種。
昔から受け継がれている在来種(固定種)の存在が、そういったものに脅かされているといっても過言ではない。
利便性や利益だけのために、「食」すらないがしろにしていいのだろうか。
ある種苗業者は、商品としてF1種を取り扱っているが、自分や家族の分は、固定種を栽培して食べているそうだ。
このことからしてもF1種は恐ろしいものだと考えるべきである。
F1種とは、一代交配種のことで一世代限りであり、雄性不稔を利用して作られたりしている。
雄性不稔というのは、「植物の葯や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になること」であり、「動物に当てはめれば、男性原因の不妊症」だという。
そのようなものが人間に良い影響を与える訳がない。
人の不妊症の原因になっている可能性だってある。
また、F1種がどのように作られているかを知るにつけ愕然とした。
遺伝子組換種については、現在日本で出回っていないがその日が近いうちに来るかもしれない著者は警鐘を鳴らしている。
F1種というものがどういうものなのか、とてもよくわかった。
ただ、前半部分の著者の自慢のような、本題から少し逸れた話題が余計だった。
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雄性不稔のこと、F1品種の問題点。
学ぶ事がいろいろありました。
種屋といえどもさまざまなことを勉強していて、
あーなるほど。となんども納得させられました。
ただ固定種を礼賛するだけでなく、
F1の重要性もといておりそこは賛同できる。
結局は消費者が何を選ぶか、その1点かなーと。
あとはこっちがどれだけ情報提供できるか。
根本的に知らない人が多すぎるんじゃないかと思うわけです。
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固定種の種を扱っている種屋さんによる、F1種への警鐘、的本で、タイトルもそうなのですが、この著者の野口さんは種屋に生まれながら、虫プロに進んで手塚治虫に師事、というか、社員でありながら手塚番編集者、という立場を過ごし、「火の鳥」の担当をします。そこら辺の前提をもとにした、生命賛歌の話であって、「危ない」的に読むんじゃあ、もったいない、と思います。F1を全否定すると現状ではほとんど食べるものがなくなってしまい、遡れば野菜も外来が多かったりするけれど、でも知っているか知らないかでは大違いで、ある種の生殺与奪権といってもいいようなものを、食べる人も作る人も持っていない、という大変な気持ち悪さを持って、さあ「火の鳥」再読しよう。
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筆者の野口さんはマンガの編集者を経てタネ屋さんになった変わり種の人。
実家がタネ屋さんだったのだが、その編集者というのも手塚治虫さんの漫画を手がけ、もっとも手塚治虫さんに信頼されていた方らしい。
その方の書かれた本だが、実に生命の源となるタネについて詳しく、やさしく、そして問題を定義されていて、これからの地球の未来をも心配されているのが伝わってくる。
いま私たちがDIYなどで手に入れているタネはほぼ全てが雄性不稔のF1品種が売られている。
F1というものがどんなものかを知れば知るほどこれからの植物やいま食べている私たち人間がとんでもない方向に進みつつあるのではないかと心配になってくる。
いま売られているタネは均一な性質を持ったものが育ち、野菜などは大きさも生育も全く同じ性質のものが生まれるように選別され作られたタネが売られていると言う事を、この本を読んではじめて知った。
だから、そんなタネから出来た植物にはタネがまともに採れず、もし育っても買ったタネから出来た植物とは全く違うものが出来るらしい。
簡単な理解だが、タネが出来ない植物を作るためにオカマのタネを作って企業は育て、売っているらしい。
昔のように育てたものから種を採って、それをまた育てるというタネはほとんど流通しなくなっている。野口さんのタネ屋さんは、従来の固定種の種を扱っている(タネが取れる物)。
そういった従来のタネは、大手のタネ屋さんが売っているものと違い、出来上がる野菜などは抜群に美味しいが、それぞれ個性があるためサイズや生育期がバラバラになるため、農家などでは手がかかりすぎて敬遠されている。
確かに私が子どもの頃の野菜はサイズも形も違い、必ず秤が大将の側にあり計っては値段を決められたのを思い出した。
いまのスーパーなどでは全て同じ大きさで同じ形、同じ重さにクローン(クローンではないが)のように同じ野菜が出来るタネが流通しているのだ。
いま、ミツバチがいなくなったり、子どもが生まれなくなっている原因が人間がいま食べているオカマの品種(種子を残せない個体)のせいではないかと?危惧されている。
確実ではないが、それはあり得ないことではないかもしれない。取り込む食品のミトコンドリアが変異していて、種子を残さないものばかりを食べ続けておおよそ20年ぐらいが世界の市場で経っている。
必ずしもそれが原因とは言えないが、危惧も全く的外れではないかもしれない。
今後、同じ性質の植物が病気になったりして、全てが死滅すると言うこともSF的な事ではないかもしれない。
話がそれたが、そういったF1品種でない固定種の種を扱っている野口種苗研究所の種はぜひ自家菜園などやられる方や、地域の農産品をしっかりと作られる農家で作り続けてもらえたらと思った。
そして、私たちは食べ物に対して危機感を持たないと大変な事になる人思う。モンサントなど恐ろしい種が(遺伝子組み換えの種など)これに加わったら、さらなる危機が未来に待っているのではないかと危惧します。
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この本でF1種や固定種の違いがわかりました。F1種などは現在の食糧事情を考えるとなくてはならないものかもしれないが、次世代を残せない種というものを食べることは、何か生命力を失ったものを食べていることのようで怖い。家庭菜園で安心・安全な野菜を食べたいと思うなら固定種を利用し、自家採種するのが良いのかなと思いました。
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食の問題をタネから考える。いわゆるタネ屋という、タネを扱う会社(店)があるなんて思いませんでした。考えてみれば農家から野菜を仕入れることはあってもタネを仕入れることはなかなかしませんものね。
生物学のことはよくわかりませんが、タネといってもなかなか奥深いことを知りました。「固定種」といって地域で何世代にもわたって自家採種しながら育てることによってその地域に適応するようになった品種。例えば長野県の野沢菜。先祖が天王寺かぶだったということにびっくり。
「F1種」といって人工的に掛け合わせた雑種の1代目。大きさがそろうように掛け合わせたりと要するに人間の都合のよいようにされた種。
現在スーパーなどで売られている野菜のタネはほとんどがF1種だそうです。著者はタネ屋ですが、この状況に危機感を感じ、固定種にこだわってタネを扱っている方。
以前に『食の終焉』という本を紹介しましたが、地球上の土地を耕して食物を作っても人類全体に食べ物が行きわたらない時代が来るというお話。そこで多くの実を実らせるように操作した野菜や病気に強い野菜になるタネが救世主になる。そんな声も聞こえてきそうですが、F1種というのは生物学的な法則で1代限りしか、有利な条件で育たないそうです。なので人間の都合のよいように育てて食べようとするなら、ずっとタネを買い続けないといけない。バイオ企業はそうなれば儲かるのであらゆる野菜を品種改良していっているといいます。
問題はここではなく、このF1種というものが、突然変異によりミトコンドリア異常をきたした、子孫を残せない植物から作られているということ。たまに花粉のない花がみつかる。自然の流れではこれは子孫を残せないため消えていく運命にある。人間はこれを逆手にとり、自分で受粉できないものだから、人工的に思いのままに受粉させることができる、こういった植物に別の植物を掛け合わせると、互いのいい部分をもった植物が誕生するというしくみ。しかしこの方法では1代目はそんな植物に育つが、その種からさらに育てようとすると、互いの特徴がまざりあった様々な植物が育ち、商的には適さない。そのため振り出しに戻る。めんどくさけりゃ、F1種を買いましょうとなる。
で、この花粉のない植物、それはミトコンドリア異常が原因で、ミトコンドリアは母親から子どもに伝わっていくため、ミトコンドリア異常をきたした植物から採られるF1種にももちろん受け継がれている。それが野菜となったものを人間が食べている。その影響ははたしていかなるものなのか、というのが著者のメッセージです。
問題は起こらないかもしれないし、起こるかもしれない。でも起こった時にはすでに遅いという問題。著者は近年子どもが作りにくい体質の人が増えている原因はこれなのではないかと推測しています。
ちなみに固定種の方が、一般的に環境に適して育つのでおいしいといわれているようです。私は子どもの頃、野菜嫌いだったので逆に健康なのかも・・・という冗談で済ませればよいのですが、興味深い内容でした。食べ物は工業製品ではないということを受け入れなければなりません。
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食に関する本を読んできた中で、一番ぞっとした。「雄性不稔とミツバチの因果関係」がもし証明されたとして、人間にも影響が出てくるまで何年ほどか。「もしハチが地球上からいなくなると、人間は四年以上生きられない」「土壌細菌に移ったターミネーター遺伝子は、ありとあらゆる種子植物にとりつき、自殺花粉を世界中に撒き散らしてしまうだろう」私達の、生命の根幹である食とタネについて、もっと考えなければならないと切に感じた。