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著者の生い立ち、これまでの経験、公務に対する考え方、民間に移った後の活動について、具体的なエピソードが自身の言葉で書かれており、働く女性の先輩の歩みという観点で、優しく背中を押される内容であった。女性のキャリア公務員が少なかった時代を切り拓いてきた世代の先輩方と同じようにはできないな…と感じることが度々あるが、与えられたポストで誠実に仕事を頑張り、周囲の助けを借りながら綱渡りでも諦めずに子育てと仕事と両立してきた著者のように、努力を続ければいいのかなと勇気づけられる。著者の本からはいつも励まされる気がする。
組織で仕事をするにあたり、本音と建前が乖離していないか、内輪だけで通用する考え方に凝り固まっていないか、意識的に考えるようにしたい。また、組織外での活動の機会を前向きにとらえて、自分の知識や考え方の偏りに敏感でありたいと思った。
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日本型組織の病について論じているかと思ったらそうでもなく、『あきらめない』と重なる村木さん自身の経験、そして現在の取り組みなどを通じて何となく日本の組織の特徴、短所にも触れている程度だった。新書という体裁でもあるし、「話題になった人」としての村木さんでなく、厚労省で労働行政に関わってきた村木さんならではの知見がいろいろ述べられていることを期待したのだが、その点ではちょっと期待はずれ。タイトルが的はずれ。
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かなり優勝な人だったんだな―!
村木さんが検察の標的になったのは、
女だったからか?
東大出ではなかったからか?
検察に指示したのはだれか?
村木さんの不屈の精神に感動する。
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自らの不当逮捕・拘留「郵便不正事件」の経験を踏まえ、日本組織を構成する人たちの均質性に注目して、組織の硬直化といびつな組織の論理について言及している。また、女性官僚として働いてきた筆者の子育てと仕事(転勤、子連れ単身赴任、海外出張など)についての経験談など綴り、若い世代へのエールを送っている。
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今まで公務員の仕事というものをきちんと考えたことが無かったが、この本には村木さんの魂がこもった言葉で公務員の仕事とは、と言ったものが語られている。
検察の結論ありきの捜査の怖さもおだやかに書かれている。私が働き続けられたのはこの方が関わった男女雇用機会均等法のおかげである。
最後に書かれた、現状に対して諦めるのではなく少しでも何か行動をする事、世界は変えられる、というのが、響いた。
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思いの丈を全部書きました!と、とっちらかった感はあるけど、当事者だからこそのリアルな熱量がこもってる。
どんな状況に立たされても自分の人生が今の自分に課した役割に目を向けて、一歩でも前進できるよう集中できる(塀の中でも!)強さの源泉が何かも綴られている。
それが家族というのはわかるが、まさか名探偵コナンを重ねていたのは。
堀江貴文さんも再三述べているが、検察の怖さについて細かに描写されてる。ブラック企業のそれとはまた異質の、優秀な人たちが織りなす組織的な失敗の構造についても言及されてる。
解決策にいくつか参考図書が紹介されてるが、個人的には山口周さんの『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』がおススメ。
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ちょうど、仕事を辞めたいと思っていたところにこの本をよみました。
自分とは何だろう、キャリアって。人を頼るって。
なかなか人にたよれず、人見知りの多く、最近人に協力してもらう案件が多い。
母が亡くなり、父が一人になり、どうやって仕事をしようか。今の働き方ではできない。
人一倍、間違いが怖いので、心がやすまらない。
そんなことを、しょうがないと思えるようなきもちが、少し落ち着くそんな本でした。
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検察が、多忙が故に引き起こされた一官僚の文書ねつ造を、大きな事件と思い込み(?)、その裏を取るために自身も証拠をねつ造したという、やり切れない事件に巻き込まれた村木さんが、日本型組織の問題点を語った書籍。さすが官僚のトップまで務められた方の文章で、無駄がなく、難しい法案名なども出てくるがとても読みやすかった。組織の問題点は比較的単純で外部から見ると変わらないのが不思議だが、内部にいる者には気づくことが難しいのだろう。これはどんなことにも当てはまる。私も一歩踏み出して外から見ることを意識しようと思った。
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検察側の証拠改ざんまで行われた冤罪事件の経緯については生々しくまとめられている。後半は、著者の生い立ちや事件後の活動など。
著者は、逮捕されてから半年近く拘束されて自由を奪われ、管理される生活を送った。拘置所内での取り調べの恐ろしい実態が描かれている。
「私の仕事は、あなたの供述を変えさせることです」
調書は、被疑者が話したことを文章にするのではない。検察が描いたストーリーに当てはまる内容を聞き出すばかりで、自分たちに都合の悪い話は一文字も書こうとしない。しかも、著者の取り調べでは、取り調べメモがすべて廃棄されていたことが裁判の過程で明らかになった。最高裁は、取り調べの経過を記録した文書は開示対象となるとの判断を示している。
証拠についても、家宅捜査をして押収できるのは警察と検察だけで、検察のストーリーに合わない消極証拠は法廷に出てこない。
検察の主張を否認し続けると保釈が認められない状態は「人質司法」と呼ばれており、日本の司法制度の大きな問題点だという。
証拠とされたフロッピーディスクの改ざんが明らかになり、最高検察庁は事件の検証を行った結果、主任検事が、上司から「最低限でも村木を挙げよ」という強いプレッシャーをかけられていたことが明らかになった。しかし、著者がどんな取り調べが行われたか聞かれることもなかった。
著者は、真相を究明し、同じ過ちを繰り返さないために国家賠償請求訴訟を起こしたが、国は認諾して請求を認めたため、捜査の指揮をした当事者たちから直接話を聞くことはできなかった。
検察は軌道修正できない組織で、勝つことが至上命題となり、真相解明という本来の使命が置き去りにされていると、著者は痛感したという。法務省が設置した「検察の在り方検討会議」で著者は、録音・録画による取り調べの可視化が必要だと訴えた。取り調べの録音・録画については、裁判員制度対象事件と検察の独自捜査事件が対象となったが、全事件が対象とはならなかった。
Wikipediaでは、裁判で冤罪であることが確定した事件として、四大死刑冤罪事件、足利事件(菅家さん)、東電OL殺人事件(マイナリさん)、袴田事件、布川事件など、124件掲載されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%86%A4%E7%BD%AA%E4%BA%8B%E4%BB%B6
冤罪事件の実態が明らかになる度に、検察は狙った被疑者を犯人に仕立てるための悪魔の組織としか思えなくなってくる。「疑わしきは罰せず」の理念など欠片もない。取り調べや調書の作成方法、否認し続けると保釈が認められない制度、消極証拠の開示、何よりも被疑者を犯人に仕立てようとする検察の態度を変えない限り、今後も冤罪は起き続けるのだろう。罪を着せられて人生を奪われることほど恐ろしいことが他にあるだろうか?
タイトルに惹かれて読んだが、日本型組織を一般論として論じている部分はわずかだった。
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郵便不正事件で無罪の罪を問われた村木厚子さん。検察は調書を、都合よく書いていたことに驚き。引き返せるチャンスが何度もあったのに、できなかったのは、失敗や間違いが許されない組織だったから。明確なルールやシステム作りの組織改革や多様な人がいる状況の重要性を実感。また、誰もが見に覚えのないことで、逮捕されてしまうことがあるという恐ろしさを感じた。村木さんの育児も大変だったことを知った。夫とは職場が離れていて別居生活が2年半。それでも、保育ママの助けを借りての激務をこなしたのはすごい。多くの人に読んで欲しい1冊
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「日本型組織の病」への考察を期待して読みましたが、2章までにある自身が逮捕された冤罪事件を除くと、著者の国家公務員としての取り組みや、その後の社会活動の内容などが主で、タイトルが想起させるような日本独自の問題への考察や分析はわずかで、内容とはそれなりに乖離しています。「日本型組織」の問題点について触れる部分も、「日本人は協調性がある一方で新規性や変化への意識、柔軟性に欠ける」など、おそらく間違いではないものの、どこでも見られる紋切り型の考察に尽きていました。
個人的には2章の以下にあるような「刑務所にいる人たちの実像は、私たちの持つイメージとはかなり違っている」部分が本書内で最も興味深かったです。
・誰かに騙されたり、虐待に遭ったりして、結果的に罪を犯す人も少なくない
・現実社会のなかで「生きづらさ」を抱えた人たちが、逃げ込んだ場所が刑務所ではないか
・新規受刑者の1/4~1/5が知的障害の可能性があるともいわれています
・福祉に結び付いていないために困窮して犯罪を繰り返してしまう人たちがいます
・社会のルールがよくわからないために、それを繰り返してしまう人たちもいます
・高齢者の増加、認知症の人の増加
・「負の回転扉」
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バリキャリ女性の考え方としてはかつて見たことのないコメント。勇気づけられる。
お茶汲みなど断固拒否できたらいいが、臆病な自分にはおかしいと思っても胸に抱えて次のチャンスを待つしかない。それでも完全に諦めたり考えるのをやめなければいつかチャンスはやってくる。スマートとは言えなくとも、時間をかけて乗り越えていく方法もある。
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元気が出る本だ.検察の悪あがきを冷静に対処して無罪を勝ち取った訳だが、それを糧にして様々な活動を生み出していくバイタリティーには感心した.家族の支援もだが、いろんな人を巻き込んで一緒に活動することが上手なんだなと感じた.優秀な官僚が出来の悪い政治家を助けてこの国を発展させてきたが、現在官僚も政治家も質が落ちてきているのは事実だろう.彼女のような波風を立てて掻きまわす人材が必要だと思っている.
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検察による冤罪事件の被害者たる元厚生労働事務次官村木厚子さんの著作です。
以前、podcastで村木さんの穏やかながらも理路整然としたお話ぶりを聞き、一度その著作を読んでみたいと思っていました。
本書を読み通しての感想ですが、ひと言でいえば“期待どおり”でしたね。村木さんの人柄そのままに、語り口は至って自然体で穏やかで、そこに開陳されている考え方そのものがとても“真っ当”なんですね。
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著者の職業人生の経験を中心とした内容。日本型組織がなぜ変われないのか、なぜ間違うのかについて、自分自身の経験を踏まえて分析している。