投稿元:
レビューを見る
いいですねぇ、この安楽椅子探偵@女子な感じ。しかも本格派。
古い時計屋さんの、若い女性店主による、「アリバイ崩し」。この女性がなんともいえず魅力的で、ビブリア古書堂の栞子さんのように人気者になりそうな。
捜査一課の刑事が時計屋の若い店主に事件を解決してもらうって、それってどうよ、なんて野暮なこと言いっこなし。
時計屋だから「時を戻すことができました」という決め台詞もいいじゃないですか。押しつけがましくなく、なんとも淡々としていて。ぜひとも次なるアリバイ崩しをお願いしたく。
投稿元:
レビューを見る
タイトル通り『アリバイ崩し』の連作短編集。一作のみ『アリバイ捜し』だったが、ここまでアリバイを前面に据えた短編集って他にあったかな? 私の記憶には無い。
本格ミステリの醍醐味はフーダニットにあると今でも思っているけど、流石大山さん、このアリバイ崩しでも同様の面白さが味わえた。全七編に一つとして類似のトリックが無いのが凄いし、アリバイ崩しにこれ程のバリエーションがあるのにも感心した。探偵役の正体不明の美女が、最終話で人間らしさを垣間見せたのもニクいねぇ。
投稿元:
レビューを見る
【収録作品】第1話 時計屋探偵とストーカーのアリバイ/第2話 時計屋探偵と凶器のアリバイ/第3話 時計屋探偵と死者のアリバイ/第4話 時計屋探偵と失われたアリバイ/第5話 時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ/第6話 時計屋探偵と山荘のアリバイ/第7話 時計屋探偵とダウンロードのアリバイ
投稿元:
レビューを見る
+++
美谷時計店には、「時計修理承ります」だけでなく「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。「時計にまつわるご依頼は何でも承る」のだという。難事件に頭を悩ませる捜査一課の新米刑事は、アリバイ崩しを依頼する。ストーカーと化した元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃のアリバイ、山荘の時計台で起きた殺人のアリバイ…7つの事件や謎に、店主の美谷時乃が挑む。あなたはこの謎を解き明かせるか?
+++
捜査一課の新米刑事の僕は、腕時計の電池を交換してもらおうと、商店街の時計店に入った。そこには、時計修理や、電池交換のほかに、「アリバイ崩し承ります」という貼り紙が。若い女性店主・時乃が、成功報酬五千円でアリバイを崩してくれるという。ちょうど担当している事件のアリバイ崩しに行き詰っていた僕は、アリバイ崩しを頼んでみることにする。頼りない男性としっかり者の女性という組み合わせには、特に目新しさはない。しかも、キャラクタがいささか弱い印象でもある。シリーズ化されて練れてくると違ってくるのかもしれないとも思う。アリバイはあっけなく崩れるが、その後の謎解きは面白く読んだ。次があることを期待したい一冊ではある。
投稿元:
レビューを見る
面白かった
すごいな大山誠一郎
って感じ
アリバイ物っぽい題名だから
う~~ん
と思ってたけど
アリバイを崩すことで見えてくる真相がってのがね
投稿元:
レビューを見る
タイトル通りアリバイに特化した連作短編集。アリバイだけで7種類ものバリエーションを考えられるのがすごい。楽しめました。
投稿元:
レビューを見る
アリバイを崩すことを仕事として請け負う時計屋の設定が面白い。何か仕掛けをして相手のミスを誘うようなアリバイ崩しではなく、頭のなかで時間軸を組み立てるのみ。ビックリする推理ばかりで面白いが、このパターンが続くと途中を読むのが面倒になって飛ばし読みしてしまう…。
投稿元:
レビューを見る
『赤い博物館』の作者の作品。内容の系統は一緒で新鮮さがなかったです。
(犯人が車の事故で亡くなるというのも再度取り入れなくていいのに)
ただ一つ分かったことは、安楽椅子探偵ものは犯人はどんなトリックを使ったか、
それに探偵がどう気づくかの過程を楽しむものということ。
そんなこと有り得る?と思ったらダメなんですね。
投稿元:
レビューを見る
時計店を一人で営む若い女性美谷時乃。店には「アリバイ崩し承ります」の貼り紙。時計屋こそはアリバイの問題をもっともよく扱えるとうそぶき,先代の店主である祖父譲りのアリバイ崩しを披露する。近くに住む捜査一課の刑事の依頼に応じ,安楽椅子探偵ばりに話を聞くだけで瞬く間に謎を解き明かす。無駄な叙述を極力排したミニマルな短篇7つ。『2018年本格ミステリ・ベスト10』第1位。
投稿元:
レビューを見る
2018年144冊目。アリバイ崩しに特化した短編集。アリバイトリックを話を聞いただけで即座に解き明かすのは爽快だけれど、単調になりがちという弱点も見える。
投稿元:
レビューを見る
短編連作集。きちんと伏線を回収するなど短編ながら本格ミステリの体をとっている。この作者の本をもっと読みたいのだが、寡作の方らしく、それが残念。
投稿元:
レビューを見る
これは大きな心をもって、無駄な突っ込みはせず、素直な気持ちで読むのが大切。一方向に流れる時間軸の概念を突いて練られたアリバイ工作を、鮮やかにあっけらかんと崩してみせる時乃さん。相談料が五千円って・・・、彼女にとっては取るに足らぬ仕事で労力的にはそんなもんかもしれないけれど、成功報酬として換算すれば計り知れない。ととと、突っ込みなしだった。アニメ化して、ほのぼのと家族で観るのがよさそうだ。
投稿元:
レビューを見る
時を戻すことができました。アリバイは、崩れました。
美谷時計店の店員が、時計修理だけでなく、アリバイ崩しも行ってくれます。
アリバイは、時計にまつわることだからと。
捜査一課の新米刑事が、捜査の過程で困っているアリバイ崩しを依頼しにきます。
ストーカーの元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃のアリバイなど、7つの事件のアリバイを次々と解決していきます。
楽しめました。
投稿元:
レビューを見る
大山誠一郎さんの作品を読むのは初めて。全7編が、アリバイ崩しものの短編集だという。その名もずばり『アリバイ崩し承ります』。アリバイを崩すのは時計店の若き女性店主。毎回彼女に依頼するのは、捜査一課の刑事…。
第1話。医大の女性教授が殺害された。容疑者は度々金の無心に来ていた元夫。少なくとも自分は初めて読んだ、画期的手段。それでうまくいくのか? 第2話。死体より先に凶器発見。容疑者には使えないはずだったが…。やや苦しい第1話と比較して、納得性が高く、動機や事件の背景の面でも完成度は高い。
第3話。事故に遭った男が、殺人を告白して息絶えた。しかし、裏づけ捜査をしてみると…。これはちょっとずるいかなあ。そりゃ気づかないよ。第4話。自分が姉を殺したかもしれないと妹は言う。なるほど、その部分にはちゃんと意味があったということですか。本作中、最もオーソドックスかもしれない。
第5話。女性店主のキュートな思い出。これだけは同じトリックを知っていた。わざわざ時計を写真に撮る時点で、不自然なわけだが。第6話。来ました雪の山荘パターン。足跡は大きな証拠ではあるが…。女性店主がいなかったら、「彼」は起訴されていたのだろうか。それでいいのか長野県警?
最後の第7話。いかにも作為の臭いが漂うアリバイ。しかし、日付を動かしようがない事情があった。ひねっていて面白いけども、危険な賭けだよなあこれ。動かしたのは日付ではなく…ということですか。
プロの捜査一課が見抜けなかったアリバイトリックを、安楽椅子探偵があっさりと解いてしまう、構成の妙。アリバイトリックは密室トリックに並ぶ本格ミステリの「華」だが、アリバイトリックはどちらかといえば地味な印象がある。
それでも、これほどまでのバリエーションを揃えた本作。密室トリックよりも、新たな可能性はまだまだ残されているのではないか。本格ミステリ初心者にも優しい、続編を期待したくなる短編集だ。
投稿元:
レビューを見る
アリバイ崩しに主眼を置いたミステリー。
短編なのでとっつきやすいのもいいですね。
パズル要素に重点を置いてあるので、決めゼリフが出てきた時点で立ち止まって推理した方が楽しめると思います。
謎解き要素より物語を重視する派の人は物足りなく感じるかもしれませんね。