投稿元:
レビューを見る
このJK感じ悪くね?と、私の中に潜む(十年以上昔の)JKが囁いていましたが、当時を知る資料としてはとても興味深かったです。
投稿元:
レビューを見る
読書会の課題本で小説なんだが、流し読みしかできなかった。なかなかボリュームのある本である。
著者が武士の娘として産まれ、アメリカに渡り、日本にまた戻ってくる中で文化の違いや当時のしきたりのようなところも勉強になった。
「自伝的小説」というものを初めて読んだがそれなりに面白かった。
投稿元:
レビューを見る
今の世の中、合理的が先行して意味なんか考える事もないけど全ての日常の行為に理由があり、えつ子はアメリカ人からの質問に当たり前にこたえます。 えつ子が飼い犬が弱って震えているのを見かねて自分の布団をかけたところ、分不相応な事をすると死後不幸になると母から叱られる話は現代では受け入れがたいものなのでしょうが素敵なエピソードです。今は亡き江戸時代の文明ですので、そのような生活は望むべくも無理ですが、その精神の少しのエッセンスでも見習いたいと思いました
投稿元:
レビューを見る
幕末の長岡藩と言えば河合継之助が有名だけれど、筆頭家老の稲垣家に生まれたお嬢さまが著者、杉本鉞(えつ)子だ。
最も彼女が生まれたのは維新の後だけれど。
しかし、戊辰戦争を捕虜としてではあるけれども武士として生き抜いた父と、万事に控えめで奥ゆかしいが芯の強さを持った母、武家の教示を最後まで持ち続けて祖母などに育てられた少女は、雪深い長岡でのびのびと少女時代を過ごし、武士の娘としてのたしなみと、変わりゆく世界への興味と、神仏や祖先への畏敬の念を持って成長していく。
一度もあったことのない男性と結婚するのは、当時の女性には当たり前のことだったが、当たり前でないのは相手がアメリカ在住の日本人であったこと。
武士の娘として日本の文化を徹底的に躾られてきた彼女は、アメリカの文化に触れ、その違いに驚きつつも柔軟に受け入れる。
”かつて、赤ら顔の異人さんや黒船の話に耳を傾けていたエツ坊は、今度は自ら黒船に乗って、異人さんの暮らす遠い国で新しい家庭を築くことになりました。そして、東も西も人の心は同じだという事実を学んだのです。しかしこれは、ほとんどの東洋人に、いや、西洋人にさえ隠された秘密です。(中略)赤ら顔の異人さんと神国日本の人びとは、いまだに心を通い合わせていません。大切な秘密が明らかにされないまま、船の往来だけがいつまでも、いつまでも続いています。”
劇的な人生を送った人ですが、それを感じさせないくらい人生を楽しんでいるのが素晴らしい。
アメリカの人たちに日本人とその暮らしを紹介した文章ですが、今となっては純粋日本人の私も知らないような日本古来の風習やその意味を教えてくれるのが大変ありがたい。
実に興味深く面白く読みました。
投稿元:
レビューを見る
江戸時代の武家の師弟に対する教えの厳しさを改めて思いました。
家名を汚すこと無く人生をおくるための男子・女子を問わない決め事。
それに理屈無く従うという厳正なルール。会津藩の「什の掟』の最後、「ならぬことはならぬ」を思いました。
越後長岡藩は、徳川の三河以来の家来、牧野家であったということは、司馬遼太郎の「峠」で知っていました。
河井継之助と反駁した筆頭家老の娘さんであったということです。
平時であれば、依然として筆頭家老の家筋であることは、徳川家康からいただい由緒あるもののくだりが出てきていました。
そういう家系の武士の娘に対する教育、とにかく一貫しています。
だから、激動の時代、数奇な運命も堂々と乗り越えられたのでしょう。
読んでいて、爽やか、読み終わって爽やか、司馬遼太郎が激賞したのが理解できました(笑)。