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下巻の登場人物を見て驚いた。
上巻と違う!
そして上巻で尻切れトンボになっていたサー・マグナス殺人の犯人がわからないまま。
小説の中の殺人と現実の殺人が絡み合い本当に面白かった。
そしてこの展開に驚いた。
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下巻の1ページ目に唖然.そうか,上巻の冒頭に感じた違和感の理由は,そういうことだったのか・・・・・
上巻は古き良き時代のミステリーに捧げられたオマージュ,下巻が本筋で,それぞれ単独では傑作とはならないレベルのようにも思うが,両者を入れ子にする構成・アイディアの妙で「ミステリが読みたい! 2019年版」海外部門1位に.
この作者にとって,ヤングアダルト小説やホームズもの,ボンドもの,ドラマ脚本以外の,初のオリジナルミステリー,とのことなので,若い人かと思ったら既に63歳.芽が出ない作家志望者のパッとしない小説,純文学を気取ったコピーもどきの小説を作中で書き分けてしまうなど,大御所です.女王陛下から既に叙勲もされています.
本書については散々言われていますが,ぜひ予備知識無しで読んで下さい.
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読了し、即パソコンを開いてレビューを書こうとした矢先、このミス海外作品1位のニュース。4冠は伊達じゃない。それくらい抜群の面白さであった。
「アガサ・クリスティのオマージュ」と評される作中作と、その作品の編集者である”わたし”を語り手として現実世界の入れ子構造。この2つが絡み合い、最終的に両方の謎が解決に向かっていくのがこの下巻。
作中作のアティカス・ピュントによる謎解きパートの意外性にやられた。そのどんでん返しは思いつかなかった。完敗。ある現象が引き金となって、これまでのすべての出来事の見え方が一変する。そんなミステリの醍醐味を、改めて味わわせていただいた気がした。
海外ミステリはほとんど読んだことはないが、これをきっかけに読んでみたいと感じさせる1冊。いやあ、お見事でした。
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書評が大絶賛だったのでかなり期待していたものの、事件自体にはそんなに驚きはなかった。しかしこの本の本質は、犯人捜しよりもそのプロットにあった。逆に言えばプロットが凄すぎてミステリー自体が少し目減りしてしまった感。よくある、過去の事件と現在との因縁とはちがう、2つの物語。下巻を読むときも、上巻を手放さないほうがいいかも・・・
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元々大作は好きだし、作中作自体も読み応えがある入れ子構造となった本書は、私のような向きにとっては贅沢とかゴージャスとかいった形容がふさわしい小説かもしれない。
随所で言及もされているが、コナン・ドイルやアガサ・クリスティなどのいわゆる英国古典ミステリーを彷彿させる空気にも満ちていて、嬉しくなる。
「絹の家」を物している著者だから当然ではあるけれど。
発見された作中作の最終章で、ピュント氏が推論のみをベースにしながら、ズドンと断じきるところも、いかにも、”らしい”(笑)。
途中で正直、中だるみするところもあるので、ヴォリュームはもう少し絞り込めたとは思うし、本編・作中作ともに物語の仕舞い方が若干乱暴だなとも感じるが、上質のエンターテインメントであることは間違いない。
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今年の話題作。古典的な探偵小説と現代サスペンスを同時に味わえる、一粒で二度おいしい作品。物語はふたつのパーツの組み合わせで成り立っている。上巻は、名探偵アティカス・ピュントの活躍を描いたパートである『カササギ殺人事件』という作中作で、下巻は、編集者である「わたし」が作者アラン・コンウェイに絡む衝撃的な事件の謎を追うパート。
プロットは巧妙で構成は緻密。容疑者はもつれ合い、様々な動機が見え隠れしつつ、ストーリーは二転三転する。上巻と下巻がカードの表と裏のようで、読み進めるほどにシンクロし、絡み合った糸をほどけばどちらの事件も解決するという鮮やかさで、フーダニットとしての完成度が極めて高い。
やや細かすぎて散らかってる感もあるが、終盤の伏線回収は心地よかった。シニカルなラストも嫌いではない。ミステリを読む楽しみはこういうことだったとあらためて実感させてくれる逸品。アナグラムを違和感なく日本語に訳した翻訳者の手腕とセンスには脱帽です。
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久しぶりにワクワクしながら読み終えた。
下巻の導入部分の意外な始まりに、
(いよいよ謎解きが始まるかと思ったのに、
この肩透かし感は何?)
今までにない新鮮な気分。
ペンとノートを片手に頭を悩ませる犯人探しや、
昔と今のイギリスやギリシャを
地名を頼りにGoogleしながら風景を確認する作業も楽し。
装丁も謎だらけで文句なし。
主人公の女性編集者にも共感できる部分が多かった。
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スーザン・ライランドは編集者。人気ミステリー作家、アラン・コンウェイの名探偵アティカス・ピュントシリーズの最新作の原稿を読み始めて驚愕する・・・1955年、貴族のパイ宅で家政婦が死んだ。事件の捜査を依頼されたピュントは一旦断るが、第二の殺人が行われた。現地に向かうピュント。怪しい者たちだらけ。探り当てた真実とは・・・という作内のミステリーに加えて、その原稿を読むライランドの周辺で起こる事件。こちらは解決するのか・・・
本格的な謎解きミステリーはものすごく久しぶりに読んだ。学生の頃に山ほど読んで、たぶん飽きてしまったのだろう。以降読むのは、スパイ小説とかサイコスリラー、リーガルサスペンスとか、ミステリーでも、作者が読者に対してフェアな戦いを仕掛けるような本格ミステリーではないものばかりだった。
そして久しぶりに読んでみたら、なかなか面白かった。
様々な伏線が張られていて、どう回収するのかと思っていたけれど、ラストで全てきっちりと回収されていた。見事。
入れ子型の構造も奇をてらっているのではなく、ちゃんと意味があった。複雑な作品だったけれど、意外と読みやすい逸品だった。
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小さな村で、家政婦が死んだ。密室となった屋敷の中で、階段の上から落ちたようだ。これは事件なのか、殺人なのか? 村人の1人、ジョイは名探偵アティカス・ピュントのもとに相談に行くが、ちょうどピュントは脳腫瘍で余命わずかということを告げられたばかりで余裕がなく、依頼を断ってしまう。しかし次の日、死んだ家政婦を雇っていた家の主人が首を切られて殺害される。ピュントは重い腰を上げ、村へと向かう。
ピュントがすべての謎を解き明かし、さああとは関係者を集めるだけ…となったのだが、原稿はその結末部分が欠落していた。編集者のスーザンは欠けた原稿を求めて奔走するが、訃報が入る。作者のアラン・コンウェイが自宅で転落死したというのだ。現場となった自宅に向かうと、スーザンは多くの符号に気づく。ここはあの「村」だ。ピュントの最後の舞台となった、あの村だ。現実と小説が混じり合う。アランはどうして死んだのだろう?自殺なのか、他殺なのか。
おもしろく読んだのだが、Twitterや帯に期待度を上げられすぎていてやや期待はずれ。
遺書めいた手紙が実はその人物が書いた小説の一部だった、というのは使い古されたトリック。
とはいえどこがクリスティのオマージュであるとかを詳しく解説してくれているのでわかりやすい。最後のほうで主人公がグレン・モーレンジイを飲むシーンにはクスリときた。リンカーン・ライムへのオマージュだろう。
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原書名:MAGPIE MURDERS
著者:アンソニー・ホロヴィッツ(Horowitz, Anthony, 1955-、イングランド・ロンドン、小説家)
訳者:山田蘭(1964-、翻訳家)
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1粒で2度おいしい“探偵小説”である。帯紙のキャッチコピーや、裏表紙の内容紹介が既にネタバレになっていて勿体ないと思える驚きの二重構造。予断を持たずに読んだ方が楽しめるし、衝撃も大きい。「構想15年」のアイデアに拍手。
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下巻に入り、まさかの展開に。
見事に二つの世界がリンクしていく。
計算された見事なプロットに思わずため息さえ出てしまう。
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始まってすぐ、え?どういうこと?となり、把握するまでにちょっと時間がかかった。
登場人物やっと覚えたのにー!笑
作中作の方はやっぱりかという犯人。
2つの話が進んでいくのは面白かったけど、少し期待しすぎたかな。
原作のまま読める英語力が私にあればもっと面白いんだろうな。
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アクセルを思い切り踏んだ瞬間に、異次元に飛ばされるような仕掛けがある。しかし、読み進めるとそれも単に構造の1つに過ぎないと気がつく。
一気に読んでヘトヘトに疲れました。大変面白かった。
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〇 総合評価 ★★★★☆
〇 サプライズ ★★★☆☆
〇 熱中度 ★★★★☆
〇 インパクト ★★★☆☆
〇 キャラクター★★★★☆
〇 読後感 ★★★☆☆
〇 希少価値 ★☆☆☆☆
作中作「カササギ殺人事件」は,1950年代半ばのイギリスの田舎町を舞台とした本格ミステリ。アガサ・クリスティへのオマージュを感じさせる作風であり,登場人物の多くが何らかの「秘密」を隠し持っているために,真相が隠されるという構成。作中作だけを見ると,ややサプライズ感は薄いが,丁寧に作られた良作。ロバートが14年前に弟であるトムを殺害した事件がベースとなる。メアリが事故死をしたが,メアリが死亡したことでメアリが残した手紙からロバートの秘密がマグナスに知られてしまう。そのため,ロバートがマグナスを殺害する。このシンプルな構成を隠すためにさまざまなミスディレクションが隠される。ロバートが自分が手紙を探すためにマグナスの屋敷に侵入したことを隠すために銀製品を盗む。その途中で落とした銀のバックルをブラントが拾い,ホワイトヘッドが経営する骨董屋に売る。そのことからピュントは湖に銀製品が沈んでいることを推理する。クラリッサ・パイは本当はマグナス・パイより先に生まれていたが,エドガー・レナード医師がマグナスの父に脅され,マグナスが先に生まれたという嘘の出生証明書を書いた。このこともミスディレクションとして描かれる。エメリアとアーサーの教会の牧師夫妻はヌーディスト。二人で森で裸でいる写真をメアリに知られてしまう。これもミスディレクションとして描かれている。最大のミスディレクションはロバートの弟のトムの存在。トムの死の原因がロバートにあり,メアリはロバートがこれ以上犯罪しないように,目が届くところに置いていた、ロバートとジョイの結婚に反対したのもロバートからジョイの家族を守るため。これをメアリはロバートを溺愛していると誤信させるような書き方がされている。これらの多数のミスディレクションと隠された秘密からシンプルな真相=メアリは事故死。マグナス殺害はロバートが犯人が示される。作中作だけ見ると傑作とまではいえないが,丁寧に書かれた良作。
これを,編集者であるスーザンが「カササギ殺人事件」の結末部分を探しながら,「カササギ殺人事件」の作者,アラン・コンウェイを殺害した犯人を捜すという話が覆う形の構成となる。作品の中で,作中作「カササギ殺人事件」の登場人物は,スーザンが取り組むアラン殺害という事件の関係人物をモデルとしていることが分かる。また,アラン・コンウェイが書いてきたという架空のシリーズ「アティカス・ピュント」シリーズにさまざまなアナグラムや登場人物の名前に遊びが隠されていることが分かる。作中作「カササギ殺人事件」の登場人物に被せる形で,作中の現実世界の登場人物が描かれる。アラン・コンウェイには素人のアイデアを盗んだという疑惑が出てくる。アラン・コンウェイは不治の病であり,殺害する意味もなさそうであるが,殺害されたとすると容疑者は多い。同姓の恋人であり,アランが数日生き残れば遺産のほとんどを相続すること���できなかったジェイムズ・テイラー(作中作のジェイムズ・フレイザーのモデル)。アランの姉であるクレア・ジェンキンズ(作中作のクラリッサ・パイのモデル),ピュントシリーズの映像化を計画し,アランのわがままに振り回されていたレドモンド。アランから学生時代にひどい目に遭わされていたロブスン牧師(作中作のオズボーン牧師はロブスン牧師のアナグラム)など。作中の現実世界の主人公=探偵役のスーザンは,恋人であるアンドレアスから結婚を迫られ仕事を辞めてほしいと言われる。作中作「カササギ殺人事件」の結末部分の在りかを探しながら,駅でジェマイマと偶然に出会うことなどからチャールズが犯人という真相に気付く。
作中の現実世界の真犯人もそこまでのサプライズはない。アランを恨む人間ばかりであり,誰が犯人でもおかしくないという構成。それだけに誰が犯人でもそこまでのサプライズはない。チャールズが犯人でもそこまでの意外性はなかった。チャールズがアランを殺害した動機
=アティカス・ピュンとは「ア・スチューピッド・カント」という英語圏での非常に汚い言葉のアナグラムで,このことをマスコミにばらし,アティカス・ピュントシリーズを売れなくしようとしたというもの。これはあまり説得力がない。そんなことで全く売れなくなるとは思えないからだ。これは英語圏との文化の差だろうか。
二つのミステリを読むような感じなるので,下巻の導入部分でやや没入感がそがれる。この点は熱中度を割引せざるを得ない。下巻は下巻なりに面白いけど,下巻のラストまで作中作の真犯人が分からず,やや引っ張り過ぎか。それでも作中作は良作だし,作中の現実世界との絡みもいい。総合的に見ると作中の現実世界も作中作も丁寧に描かれている。読む前の期待が高すぎたので,その分,損したところはあるか。欠点はフェア過ぎてそこまでの意外性がないところ(読む前の期待が高すぎたせいもある)と,作中の現実世界のアラン殺害の動機の弱さ,丁寧な作品ではあるがそこまでのインパクトはないという点か。★4の評価で。
〇 評価
〇 メモ
★ 全体
上巻は作中作「カササギ殺人事件」についての描写。最後のセリフは「(マシュー・ブラキストンを示し)自分の妻を殺したのだ」という描写で終わる。
下巻はピュントの謎解きから始まるのではなく,スーザンによる容疑者の推理。ブレントについて「謎解きミステリ第一の法則「もっともあやしい容疑者はけっして真犯人ではない」に引っかかる。したがってブレントは犯人ではないのだろう。」というメタ的な発言まである。
アラン・コンウェイは下巻の序盤で死亡する。「遺書」と思われる手紙が届いていたことが分かる。手紙は手書きだが封筒はタイプされていた。
スーザンは「カササギ殺人事件」の結末部分の原稿を探す。スーザンはジェイムズ,カーン,クレアに会って話を聞くが「カササギ殺人事件」の原稿は見つからない。
スーザンはアランの死は自殺ではなく殺人ではないかと疑う。アイヴィー・クラブのウェイターであるドナルド・リーから,アランは自分の作品のアイデアを盗んだという話を聞く。ドナルドから,アランとチャールズの会話を聞いた可能性がある人物がマシュ��(アガサ・クリスティの孫)だと聞き,マシューの話を聞く。アランは「私は決して受け入れないぞ。そんな-」と言っていたという。
スーザンとチャールズはアランの葬儀に参加。牧師のロブスンに出会う。また,ピュントシリーズをドラマ化しようとしていたプロデューサーであるレドモンドに会い,アランとドラマの配役などで揉めていたことを知る。アランの姉,クレアがアランについての文章を書き,スーザンに渡す。スーザンは牧師のトム・ロブスンとも話をし,トム・ロブスンがアランにぞっとするような写真を撮られ,恨んでいたことを知る。スーザンはジェイムズと酒を飲みながら話をし,アランがピュントのシリーズに,アナグラムなどのいろいろな言葉遊びを隠していたということを知る。スーザンとホワイトの会話。アランは投資の失敗からホワイトを訴えると言っていた。
スーザンのもとに,ドナルド・リーからの原稿が届く。アランがドナルドの着想を盗んでいたのは間違いない。スーザンに封書が届く。それはジョン・ホワイトがアランを殺害しようとしている場面を写した写真が入っていた。スーザンはアラン殺害の容疑者の1人と考えている,アランの元妻メリッサに会いに行く。メリッサから,かつてメリッサとアンドレアスが付き合っていたことを知る。アンドレアスにはアランを殺害する動機があるのか。
メリッサの話を聞いて帰りに,スーザンはアランの作品に隠された秘密に気付く。アランのこれまで出した作品の頭文字を繋げると「アナグラム解けるか」というメッセージになるのだ。スーザンは駅で偶然にチャールズの元秘書,ジェイマイマに出会う。ジェイマイマは自ら退職したのではなくチャールズに首を言い渡されていた。そして「カササギ殺人事件」の原稿はスーザンが聞いているより早く届いたという。
スーザンはクローヴァーリーフ・ブックスに行き,チャールズの机から「カササギ殺人事件」の結末部分の原稿を見付ける。この原稿はアラン殺害の手掛かりになるので,チャールズに隠されていたのだ。
真相が明らかになる。アランを殺害したのはチャールズ。アランは自身が不治の病であることを知り,自らが作り出したアティカス・ピュントに隠されたアナグラム(a stupid cunt)をラジオなどで明らかにし,どうせ死ぬならアティカスピュントを道連れにしようとしていた。チャールズはそれを阻止するために,アランを殺害した。チャールズはアランが送ってきた手紙の3枚目に,「カササギ殺人事件」にあるピュントの手記を挟み込み,遺書に偽造した。そのため,カササギ殺人事件の結末部分を隠した。
スーザンから自首するように勧められたチャールズはスーザンを殺害しようとする。スーザンはアンドレアスに助けられる。
クローヴァーリーフ・ブックスは倒産。スーザンはアンドレアスと結婚し,クレタ島でホテルの仕事に携わる。
★ 作中作「カササギ殺人事件」について
サクスビー・オン・エイヴォンという村を舞台にした古風なミステリ。メアリが階段から落ちて死亡。メアリの葬式から物語が始まる。謎の人物が葬式の途中で退席する。ジョイがピュントにメアリの死がロバートの仕業でないことを証明してほしいと依頼する。ピュントはその依頼を断る。
サー・マグナス・パイが殺害される。これをきっかけとしてピュントが捜査を始める。サクスビー・オン・エイヴォンでのピュントの捜査。この村の人間は何か「秘密」を隠している人物が多く感じさせる描写が続く。
メアリが書いた日記が見つかる。メアリは村中の人のあら捜しをしていたような日記。特にブレントとホワイトヘッドに対して悪印象。ジョイについてもロバートとジョイの結婚に反対する記載がある。
ブレントは道で拾った銀のバックルをホワイトヘッドの骨董品やに売る。これはパイ屋敷から盗まれたと思われる銀製品の一部だった。
オズボーン牧師夫妻の尋問。夫妻が何か秘密を隠しているような描写。
ピュントによるジョイとロバートの尋問。メアリが死亡したときに二人の様子やロバートの子どもの頃の様子が描写される。
アーサーが書いたフランシス・パイの肖像画が処分されたのはサー・マグナス・パイがフランシス・パイと喧嘩した際に,起こって切り刻んだからということが分かる。
クラリッサ・パイが,本当はサー・マグナス・パイより先に生まれていたが,レナード医師が嘘を出生証明書に書いていたことを知る。また,エミリアの病院から毒を盗んでいたのはクラリッサ・パイだった。
ウィーヴァ―夫人がサー・マグナス・パイに脅迫状を出していたことが分かる。
湖からサー・マグナス・パイ屋敷から盗まれたはずの銀食器が見つかる。犯人はなぜ,せっかく盗んだ銀食器を湖に捨てたのか。
ロバートの弟であるトム・ブラキストンは,少年時代にパイ屋敷の庭の湖に落ちて死亡していた。
上巻はメアリの夫,マシュー・ブラキストンを示し「あの男こそは,この事件のきっかけを作った人物なのだからね」,「自分の妻を殺したのだ」というピュントのセリフで終わる。
下巻の最後で結末部分が見つかり,真相が明らかになる。
メアリは事故死。マグナス・パイを殺害したのはロバート。ロバートは14歳のときに弟のトムを殺害していた。メアリはそのことを知っており,「世間」をロバートから守るためにロバートを見守っていた。メアリは自分がロバートに殺害されたときのために,マグナスにロバートのことを書いた手紙を残していた。ロバートはその手紙を取り戻すためにパイ屋敷に入る。見つからなかったため,偽装のために銀製品を盗み,池に沈める。
★ 登場人物
〇 スーザン・ライランド
物語のヒロイン。上巻のプロローグから出てくるが,名前が分かるのは下巻の18頁目。
〇 アンドレアス
52歳。ギリシャ語の教師で学校の休暇中はギリシャに帰る。
〇 アラン・コンウェイ
ミステリ「アティカス・ピュント」の作者。下巻の冒頭で死亡したことが分かる。
〇 チャールズ・クローヴァー
スーザンが務める出版社「クローヴァーリーフ・ブックス」の社長。
〇 ケイティ
スーザンの妹。アランをスーザンに紹介する。
〇 ジェマイマ・ハンフリーフ
クローヴァーリーフ・ブックスの従業員。退社している。
〇 ジェイムズ・テイラー
アランの交際相手だった男。ピュントシリーズの「ジェイムズ・フレイザー」のモデル。
〇 クレア・ジェンキンズ
アランの姉
〇 サジッド・カーン
アランの顧問弁護士
〇 ジョン・ホワイト
ヘッジ・ファンド・マネージャー
〇 ドナルド・リー
アランとチャールズが食事をしたアイヴィー・クラブのウエイター。スーザンに対し,ピュントシリーズの4作目「羅紗の幕が上がるとき」は自分の作品のアイデアを盗んだ者だという。
〇 マシュー・プリチャード
アガサ・クリスティの孫。アイヴィー・クラブでのアランとチャールズの会話についてスーザンに話す。
〇 トム・ロブスン
牧師。アランの葬儀に参加
〇 レドモンド
ピュントシリーズをテレビドラマ化しようと計画しているプロデューサー
〇 メリッサ・コンウェイ
アランの元妻。スーザンの恋人のアンドレアスと昔付き合っていた。
★ 作中作・カササギ殺人事件の登場人物
〇 メアリ・エリザベス・ブラキストン
階段から落ちて死亡する。
〇 ロビン・オズボーン牧師
ディングル・デルという森が宅地開発のために売られることで,サー・マグナス・パイを憎んでいる。夫婦でヌーディストの性癖を持つ。これはミスディレクション
〇 ヘンリエッタ(ロビン・オズボーン牧師の妻)
〇 エミリア・レッドウィング医師
フィゾスチグミンという毒を紛失する(盗難される?)。そのことをメアリに相談した直後にメアリが死亡する。
〇 アーサー・レッドウィング
〇 ブレント
パイ屋敷の管理人。道に落ちていたパイ屋敷の銀のバックルをホワイトヘッドの骨董品屋に売る。
〇 ジョニー・ホワイトヘッド
ロンドンから引っ越してきた骨董品屋の店主。ブレントからパイ屋敷の銀のバックルを買い取る。
〇 ジェマ
ジョニー・ホワイトヘッドの妻
〇 サー・マグナス・パイ
屋敷で殺害される。作中作で2人目に死亡した人物・
〇 レディ・フランシス・パイ
サー・マグナス・パイの妻。不倫をしている。
〇 クラリッサ・パイ
マグナス・パイの妹。マグナスが財産を全て相続し,家を追い出された。後日,実は自分が先に生まれていたがレナード医師が出生届に嘘を書いていたことを知る。エミリアの病院からフィゾスチグミンという毒を盗みだしていたのはクラリッサ・パイ
〇 ロバート・ブリキストン
メアリの息子。ジョイ・サンダーリングと婚約している。メアリが死ぬ前に,メアリと喧嘩をしていた。
〇 ジョイ・サンダーリング
レッドウィッグ医師の病院で働いている従業員。ピュントに捜査を依頼するが失敗。村の掲示板に,メアリ殺害の時間にロバートと一緒にいたという内容の声明文を出す。
〇 ジェフ・ウィーヴァー
昔から教会の庭の手入れをしている老人
〇 ウィーヴァ―夫人
エリミアの病院やクラリッサの家の清掃の仕事をしていた老人。エリミアの病院のタイプライターを使うことができた人物。ディングル・デルを売却し,宅地を立てようとしたサー・マグナス・パイに脅迫状を送る。
〇 ジャック・ダートフォード
フランシス・パイの不倫相手
〇 エドガー���レナード
元医師。エミリア・レッドウィングの父。マグナスとクラリッサの出生のときに,マグナスが先に生まれたと嘘の出生届を書いた。
〇 アティカス・ピュント
探偵。ヒトラーの強制収容所を生き抜いた。頭蓋でありあと2・3か月の命。最後はクラリッサが盗み出していた毒=フィゾスチグミンで自殺する。
〇 ジェイムズ・フレイザー
ピュントの秘書
〇 レイモンド・チャブ警部補
ピュントと旧知の警部補。メアリ・マグナスが死亡した事件の捜査をする。
〇 マシュー・ブラキストン
メアリ・ブラキストンの夫。メアリの葬式に出席していた。メアリの死後,サー・マグナス・パイを訪ねてパイ屋敷を訪れる。