カササギ殺人事件 下 みんなのレビュー
- アンソニー・ホロヴィッツ, 山田蘭
- 税込価格:1,019円(9pt)
- 出版社:東京創元社
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紙の本
助手の名前がフレイザーとは さすがだ
2020/04/17 22:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
おそらく日本ではアンソニー・ホロヴィッツという人の名前は、この本が評判になるまではそう有名ではなかったと思う。自慢ではないが私は知っていた。といっても、作家としてではなく私が大好きなミステリードラマ「刑事フォイル」や「名探偵ポワロ」の脚本家としてだが。名探偵・アティカス・ピュントが挑む難事件はあたかもポワロやフォイルのそれのようであった。ピュント個人の人物設定はあくが強く自信家のポアロよりも淡々と事件を解決するフォイルに近いかもしれない。この小説でうれしかったのが助手の名前がフレイザーだったこと。なぜかというと、ポアロの友人でパートナーだったアーサー・ヘイスティングス大尉を演じた俳優がヒュー・フレイザー氏だったから。こういうところにも遊び心をもっているこの作品はやはりすごい
紙の本
見事な翻訳
2018/10/31 12:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いほ - この投稿者のレビュー一覧を見る
少なくとも、6つの違う文体・叙述を訳し分ける必要があるわけです。羅列するとネタバレになるのでしませんが。でっち上げた作者も、訳し分けた翻訳者もすごいと思います。
作中で「駄作」だと断言されている小説草稿の文体・叙述がけっこう面白く、ちょっと「悪魔の詩」とか「族長の秋」とかっぽくて、「駄作」はかわいそうではと、虚構内の小説家に同情してしまいました。実は、出るとこから出れば、ノーベル賞級だったのかも?とか。
紙の本
なんてことなの!!
2020/04/10 09:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あいく - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻・・・サイコーですよ( ノД`)シクシク…
やられましたよ・・・
全9巻からなるというシリーズが完成した時に彼の仕事は終わった・・・
いや、全9巻をもって終わらせたのだ!!
作者の抱えていたものを考えると、ツラすぎるー
そしてこれが上下巻で成り立っていることに納得。
「カササギ」は上下巻でしか成り立たなかったのだー!
作中作に散りばめられたたくさんの違和感・・・いや違う・・・なんだろうこの感覚・・・
とにかく読むのだ!!
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上下巻揃ってお得な小説
2019/06/16 10:31
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
一粒で二度美味しいミステリー。色々なものが伏線となっていたのが、一気に解決。
成程ねぇ。満足。
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一冊で二度美味しいストーリー
2019/03/17 06:31
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
一冊で二度楽しめるというのもありますが、海外ミステリーの楽しさと面白さが凝縮された一冊に思いました。登場人物が出てくるごとに怪しげに見えてきて、誰を犯人にしてもおかしくなく、それでいて犯人が提示されると、ある程度の納得感もあり。強いて言えば、アラン殺害の動機がちょっとどうかなぁ、いろいろ怪しく見せた割にはややあっけなさを感じたくらい。訳も読みやすくて良かったです!あとは作中作とこちら側のストーリーのシンクロ感もうまく考えてるなぁと感心しました。
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「探偵小説(ミステリ)とは真実を追い求めるもの」
2018/10/27 17:31
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
たとえば、エラリー・クイーン的な「論理のアクロバット」を愛し、クイーンの過去作品が最も読めるのは世界で日本がいちばん、と言われたりもしているんですけど(ちなみに<アルセーヌ・ルパンシリーズ>が全巻読めるのも今では日本だけらしい、本国フランスではモーリス・ルブランは忘れられた作家になっているとか)、イギリスはやはりシャーロック・ホームズとアガサ・クリスティの国、ガジェットに惑わされない“論理による純粋推理”を実践!
1950年代の雰囲気、やりすぎないポワロのパロディ感、登場人物が沢山出てくる田園屋敷モノ。
そして現代においてそんなミステリ作品を読む・出版する意味。
なんと言ったらいいのだろう、この作品のすべてが、読者のミステリ愛に対して訴えてくるものがある。
ミステリを愛する気持ちに対する絶大なる共感にも似た、ときめき。
このジャンルを愛することに対する誇りのようなもの。
だから私は年甲斐もなく胸がきゅんとしてしまったのだ。
以前に比べて、ジャンルとしてのミステリやSFの地位はずっと上がった。でもそうではない時期は確かにあった。はっきり自覚してはいなかったかもしれないけれど、「いわれなき差別」のようなものにさらされていた。
でもこの『カササギ殺人事件』はそういう過去を吹っ飛ばしてくれる。
後ろめたさを自覚しながら、素晴らしく爽快なほどに。