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小学生とは思えないアイデア(?)で失踪事件を起こしていく様子は、ちょっと大人を手玉に取っている感じが痛快にも思えました。単純といえばそうなんだけど、頭の良い子達。佐々木さんの立ち位置は何となく想像が付きました。自分達で何とかしたい、という思いがキャンプの真相を暴いていく。大人はずるい。でも夏って何となく大胆なことが出来てしまう不思議。タレーランよりは楽しめましたが、結構な長編なのでやや疲れた読後でした。
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最初は単なる家出だったはずが、イタズラとなり次第にある目的を持つようになる。大人たちと子供の知恵比べや過去の事件の解明も読んでいて面白かった。
一番良いのは、人間が出来た校長先生。時代背景を少し前にしたのは、今の時代だとあんな校長はリアリティが無いからでは無いかと思わせるほど。
タイトルも内容と合っていて良いと思う。
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相次いで起こる小学生失踪事件の謎を追うミステリ。しかしまったく物騒な気配はなく、小学生たちの冒険にも似た活躍が微笑ましく思えました。失踪するにもさまざまなトリックを考え実行する子供たち。実に楽しそうです。
しかし、彼らがそんな行動を起こす理由は非常に深刻。大人にとっては「そんなことでこれほどの騒ぎを起こして」と目くじらを立てる羽目になるのだけれど、子供の立場からするとこれはとても大きな問題ですよね。こんな方法を考え出した彼らは実に立派だと思えました。夏だけじゃなく、いろんなものが取り戻せた気がするなあ。
そしてもう一つの事件と、その結末も。それぞれに苦いものも抱えつつも、それでも穏やかな読み心地のミステリでした。
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これは、もうすぐ二十一世紀がやってくる、というころに起きた、愛すべき子供たちの闘いの物語。―不可能状況下で煙のように消え去ってみせる子供たちと、そのトリックの解明に挑む大人の知恵比べ。単なる家出か悪ふざけと思われた子供たちの連続失踪事件は、やがて意外な展開を辿り始める。地域全体を巻き込んだ大騒ぎの末に、雑誌編集者の猿渡の前に現れた真実とは?いま最も将来を嘱望される俊英が新境地を切り拓く、渾身の力作長編。ミステリ・フロンティア百冊到達記念特別書き下ろし作品、遂に刊行!
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小学4年生の子どもたちが考えたこととは思えない出来事の連続だった。初めは単純に、子どもらしい動機からだと思って読み始めたが、ほどなく、なにかもっと深い理由が隠されているのではないかと思い始めた。城野原団地の内と外(傘外)との確執や、雑誌記者の佐々木と城野原との関わり、キャンプで起きた哀しい出来事、などなどが絶妙に絡み合い、事実が単純には見えてこないのも興味をそそられる。当事者の子どもたちが、意外過ぎるほど深刻にいろんなことを考えていることにも驚かされ、また、大人もその気持ちをないがしろにはできないと思い知らされる。ラストは、明るい未来を感じさせられるものになっていて、ほっとした。ほんの短い期間の出来事とは思えないほど濃密な内容の一冊だった。
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塾通いが嫌で夏休みを満喫したい子供たちが考えた失踪事件。そもそも小四で塾に通うのは私立中学に進学するためであり、なぜ公立に通えないのか、というのもポイント。大人からすると迷惑な話だけど、子供たちはよくやったと思う。
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よくもこう考えつくな。
え、どうなってるの? と思うのがワクワク。
この場面に出くわしたら、しっかり騙されそう。
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2019/03/07 読了。
図書館から。
著者作品初。
読みやすかったし、面白かった。
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小学4年生の子ども達の純粋な心と、まだ大人になりきれていない大学生、自分達の生活に追われる大人、団地という、ある意味、特殊な環境、そこに雑誌の編集者とフリーの記者が介入して、少しずつボタンのかけ違いから起きた不幸な出来事が解明していく。爽やかなラスト。あとがきでタモリさんの偉大さ、再確認。
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団地に住む子供が一人ずつ順番に数日間姿を消す。彼らは一様に怪盗に連れ去られたと答え…。自作自演と思われるそれを、ある雑誌編集者とフリー記者が追います。事件の中心の子供たちは小学4年生なので、それほど難しいトリックは使わないのですが、それでも小学生が考えるには高度だなというのが少し引っかかります。でも団地に住むということ、過去の事件等いろいろなものが絡み合って、考えさせられ、なかなかのリーダビリティで一気に読まされてしまいました。ジュブナイルとしても雰囲気もよくいいと思います。タイトルが秀逸ですね。
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タイトル通りのストーリーでした。しかもそこには結果として二つの意味が込められる展開に…。
止むにやまれず私立中学へ進学するための受験をせざるをえない状況を解消するための子供たちの行動とその結果は、スッキリとした読後感を味わいました。対処療法ではなく根本的な原因を解消するための行動は子供ながら、適切な着眼点だなと思いますし、美しくもあり崇高なものを感じずはいられません。
作品としてはページ数も多くなかなか読み応えのある一冊でした、多少の読み疲れもなくはないのですが…。スピード感という点では若干物足りなさはありましたが、ラストで子供たちが学校の体育館で一連の経緯を説明するあたりからはちょっと前のめりになってしまいました。
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夏休みに塾通いだった団地の小学生が、次々一時的に行方不明になるミステリー。
小学4年生が考えた失踪にしては上手く出来てるなぁーという感じ。
別な事件との絡みもあってドキドキした。
でも、大学生や大人の対応にちょっと違和感。
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子供の冒険??物って感じ。冒険って冒険ではないけど、なんかそんな感じ
ミステリーランドシリーズみたいだなと思った。
少し違う感じのを想像していたので、いまいちだったかな~
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1996年の夏休みの終わり。同じ団地に住む小学4年生がありえない状況で失踪し、数日後に戻ってくる事件が繰り返し起きた。新人雑誌記者猿渡はベテラン記者佐々木とのタッグでこの事件の謎に挑む。序盤で失踪は子供達が起こした事が見抜かれ、少年探偵団的な知恵比べ展開が続くのかと思っていたら「何故」事件を起こしているのか?に焦点が合ってからは一気に読み応えが上がった。過去の失火事件や地域格差等が生んだ重荷を全部解決しようとした彼等の行動は大人には出来ない真っ直ぐさが眩しい。出された答えは苦味もあるけど爽やかに纏まっていて様々なエピソードも綺麗に回収されていて良かった。正に忘れられない一夏の思い出物語だ。
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「失踪する子供たち」
消えていた期間は短く。
警察が関与しないであろうレベルを考えられているこらこそ、見つかることなく上手く居なくなることができたのかもな。
「光の密室」
二人に続いてまた一人。
誰一人大人が関与していないというのであれば、誰にもバレないように消えてしまうことが出来るのは凄いことなのでは。
「春は戻らない」
関係のある言葉なのか。
子供達だけでなく他にも隠し事をしている人間がいるとなると、ただの失踪事件だけでなく他にも問題がでてきそうだな。
「秋分の決戦」
見張りがいるからこそ。
馬鹿正直に相手の言い分を信じて出向いてしまうなんて、あれだけ外からは自分たちが見ていると言った意味がないよな。
「夏を取り戻す」
ついに見つけた場所は。
問題解決のためには証拠が必要かもしれないが、それ以上に今まで見て見ぬ振りをしていた現実と向き合うのも重要だろう。
「冬が終わるまで」
一人だけ目的が違った。
せっかく外に出てきて楽しい想いをすることが出来たとはいえ、危険に晒してしまった可能性がある時点で言うべきだろう。
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1996年8月の夏休みに小学4年が行方不明になるが、4日ぶりに自宅へ帰ってくる。
事件性を感じられずにいたが、またも同じ団地の児童が突如いなくなる。…が2日後帰ってくる。
9月の始業式後にはまた児童が…。
同じ団地で次々と児童が失踪しては帰ってくるという謎の真相を探るために月刊誌の記者・佐々木と猿渡が、団地の取材を始めると…。
団地児童の小4の5人の児童たちが、「夏休みを取り戻す」ために失踪した理由とは。
子どもたちの知恵を絞った闘いとも言える。
子どもらしさがある密室や移動も達成させなければという思いは感じられた。
単なる家出や悪ふざけと思われたこの事件は、地域全体を巻き込むんだが、子どもたちの思いを知るとなんとも辛い。
佐々木の過去も明らかになったときは、驚いた。
2016年のエピローグはよかった。