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続編の方が面白いという寸評をどこかで目にしてからまずは一作目と読み始めた経緯があるのであまり期待していなかったのだけれど、なんだよ面白いじゃんこれ、っていう読後感。躍動感にあふれる描写に裏打ちされたストーリーは言わずもがな、なによりも登場人物一人一人のキャラクターが際立っているので俳優たちが生で演じている映画を観ているようだった。
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ハーバードを中退し特殊部隊で活躍した後、ストリップクラブの用心棒をしているドストエフスキーを愛読する男が主人公、というおよそ現実味のない設定の作品。昔この作者の別の作品が面白かったこともあり大丈夫かと思いつつ手に取ってみた作品。結果的に非常に面白かった。ある晩、彼が勤めるクラブをFBIが急襲し豚箱に放り込まれた主人公。そこで旧知のチャイニーズ・マフィアの若者からある犯罪計画に誘われるのだがそこで予想外の事態となり…という話。FBIの捜査官が魅力的な女性で主人公とは敵対関係にある一方で互いに惹かれ合う、とか犯罪者仲間にはコンピュータやメカに強い黒人の青年とか、かなり魅力的なロシア女性がいたりとか、そもそも主人公が薬物で早く命を落とした両親に代わってペテンで世の中を渡ってきた祖母に育てられて今も同居しているとかとか…魅力的な登場人物と荒唐無稽な設定にルパン三世を彷彿させられた。かなりの強敵が最後はあっけなかったりとちょっと気になるところはあるけれどエンターテイメントとしてはかなり上出来の作品と思います。面白かった。
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対テロリストの警戒強化の折、手厳しく手入れを受けたストリップクラブの用心棒ジョー・ブロディー。
手入れにより留置場で一晩を過ごした際、顔なじみから持ち掛けられたヤマに加わることに。
件の計画は、タレ込みにより悲劇的な失敗に陥るのだが、そこから挽回を狙っていく中でとんでもないどつぼにはまっていくジョー。
犯罪仲間、商売敵であるFBI捜査官との微妙な距離感の色恋模様、傭兵集団内の裏切り、裏で手を引く絶対悪vsアンチヒローと、どこかで聞いたことのある話がてんこ盛りで、ザ・ハリウッド的な一冊。
さくさく読めるノンストップアクションノワールとしては良作ではある。
ではあるのだが、やっぱり『二流小説家』の印象が強過ぎるせいか、う~んこちの路線ですかという感じでした。
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「二流小説家」のデイヴィッド・ゴードン(今、気づいたが、この表現カギカッコなかったら、すげーディスり方)が描いたノアールと聞けば、読みたくなるにきまってるやん。
で、読んでみた。「二流小説家」のような、圧倒的な小説ではないが、これはこれですごい。誤解を恐れず例えれば、読む低予算アクション映画なのだ。
最近アマゾンプライムで観た「ジョルト」や「ミスターノーバディ」の活字版…そう書くとノベライズ的なイメージだが、並べてそん色なしのB級アクションっぷり。活字を読んだら脳内劇場にド派手かつ陳腐仕掛けのアクション映像が映写されること間違いなし!
常々、読書のゾーン体験ってのは活字を読んでる意識がないくらい勝手に脳内で文章が映像化されることだと思ってる俺としては、1冊丸ごとゾーンを体験させてくれる本書は傑作中の傑作だと絶大に推しておきたい。
文芸対策やら大河巨編やら純文学やらに疲れた時は、この本を読んで活字に夢中になったあの頃を思い出せ!