紙の本
仲間内で殺し合い
2019/01/03 17:51
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生を狂わされたり家族を奪われ復讐を始めた男女10人が集まった保養施設内でどんどん殺されます。
「誰が」「どうして」疑心暗鬼の中、計画を実行に移すためにメンバーが淘汰されて行く感じ。
密室殺人は緊迫感があってイイですね。
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石持浅海さんのいつもの分野。
企業などへの恨み、クローズドサークル、連続殺人、論理的とキーワードが浮かぶ。それでいてマンネリ化せず伏線を回収して最後まで読ませるのは凄い。
まぁ「何も今やらなくても」と感じるのは確かだし、意外性には乏しくなって来た。
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「崖の上で踊る」
クローズドサークルの名手が挑む予測不能の本格ミステリー。
☆あらすじ☆
那須高原にある保養所に集まった絵麻をはじめとする十人の男女。彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業「フウジンブレード」の幹部三人を、復讐のために殺害することだった。計画通り一人目を殺した絵麻たち。次なる殺人に向けて、しばしの休息をとった彼らが次に目にしたのは。
復讐には敵と味方が必要で、危険性を知りながら製品をリリースした「フウジンブレード」は、絵麻達にとって共通の敵であり、彼女達は味方同士であるはずだったが、絵麻達の中で敵と味方の認識が増えていく。あいつにとっては味方で、別のやつにしたら敵だ。みたいな。そして、誰もいなくなった、になりそうなクローズドミステリーになっている。
たった一つ、しかし、復讐では決して起きてはならない敵と味方に対する認識のずれが起きてしまうと、一気に計画は崩れ、リスクは増大する。復讐は崖の上で踊っているようなものなのだ。
一体誰が犯人なのかと共に復讐は続行するのか、が注目となる。前者に関しては、トリックらしいトリックは無く、復讐に取り憑かれた故に雑な犯行に見える。動機も微妙。復讐をする為に集まったのにあっけなく崩れるのは人間らしいが、個人的には、読みだした辺りから徐々にトーンダウンしてしまった。よく分からん外部の人間2人は不要だったかなとも。
果たして残り二人を抹殺出来るのか?は大きな問題だ。どんなゴタゴタがありながらも復讐はやり遂げる。その意思だけで犯人を突き止め、そして、さぁ復讐を!となるのだけど、この時点で雨森の頭の中には、味方を失った別の復讐をするプランがありそうだ。
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那須高原にある保養所に集まった10人の男女。彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業「フウジンブレード」の幹部3人を復讐のために殺害することだった。
計画どおり一人目を殺害したものの、その後、味方だと思っていた仲間たちが次々殺されていく。
クローズドサークルもの。
仲間が殺されても慌てず騒がず冷静に話し合いながら真相を解明していく様子はいつもの著者の手法。
しかし、あまりにも殺人を簡単に扱っていて、やや不愉快ではあった。
(図書館)
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2018年133冊目。特殊な状況を作り上げ、その状況に即した論理を展開していくことでは右に出るものはいない。復讐者だからこそ生まれる感情が、見事な論理で明らかになっていくのは素晴らしい。その上で、ストーリーにもう少し深みが欲しかった。
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書店で見かけると、つい手に取ってしまう。約1年ぶりと、石持浅海さんにしては長いインターバルを経ての新刊である。相変わらずの石持節なのであった。
史上最悪の復讐劇が今始まる!などと帯には書かれているが、『凪の司祭』の方がはるかに最悪だ。『凪の司祭』が不特定多数への復讐なら、本作は企業を相手にした復讐を描いている。復讐に至る心理自体は、少なくとも理解できる。
企業に対する集団訴訟は現実にも耳にするが、あくまで司法の下での戦いである。本作は違う。相手企業の社長ら幹部3人を、殺そうというのだ。それぞれ人生を壊された面々に同情はするものの、これだけの賛同者が集まるとは。まさに石持作品。
憎き相手企業の保養所に集まり、まずは首尾よく1人目を始末した復讐者たち。ところが、メンバーの1人が殺された。同じ目的で集まったはずなのに、妨害行為か? 石持作品にはお馴染みの、クローズド・サークルに突入である。
既に1人を殺し、これからさらに殺す予定なのだから、もちろん警察など呼べない。それらしい動機と犯人を推理してみるものの、どれも決め手に欠ける。こんな非常事態にあっても、復讐の延期はまったく頭にないのか、この人たち。次は自分が殺されるかもしれないのに。
毎回、設定には工夫を感じるし、今回も興味深い設定ではあるけども、クローズド・サークルにおける堂々巡りの議論は毎度毎度であり、デビュー当時から変わっていない。それが持ち味ではあるのだが…。今後も変わらないのだろう。それでも読んでしまう何かが、石持作品にはあるのか。
その「何か」がわからないから、知りたいから、自分は石持作品を読むのだろうか。『凪の司祭』に激怒したのに、結局読み続けている。いつもすっきりしない幕切れだが、今回は悪くない気もしないでもない。いや、すっきりはしないけれども。
ところで、『二千回の殺人』という幻冬舎文庫が出ていたが、『凪の司祭』の改題でした。
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今回も盤石な石持作品でした。特異な状況下での連続殺人と、仲間が次々死んでも焦らずに沈着冷静な人達と、何となく納得させられてしまう真相。もう、著者名を隠して読んでも石持さんだと分かる構成です。
こういう似たパターンが続いても飽きずに読めるのは、シチュエーションの巧さだろうなあ。もはや老大家並みの安定感だね(^-^)。
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仲間?が次々に殺されていく。残りのページでまとまるのか心配になったが、さすがにまとめてきて面白かった。 2018.11.19
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復讐のために一致団結し、三人の人間を殺すことに決めた十人の男女。無事一人の殺害を終えた後、なぜか殺害された仲間。犯人はなんのために殺したのか、そして練りに練った復讐計画は無事成し遂げられるのか。ひりひりするような緊迫感が漂うミステリ。
盤石の計画と強い絆に結ばれた仲間、のように見えた彼らの関係が、疑心暗鬼から瓦解しそうになっていくのがとても危うくてはらはらさせられます。まさしく崖の上。どんどん人数が減っていく中、誰が敵なのか誰が味方なのか。いやいや、誰一人信用できないぞこれは!
犯人が誰か探し当てる部分はオーソドックスなミステリかと思いきや。プロセスはオーソドックスでも思考回路が……まずは復讐計画ありき、で事態を収束させようとするという手法が既に異様で理解不能。というか、理解はできても共感がついていきません。大丈夫かこの人たち。最初はまともそうに思えたあの人もこの人も、とても邪悪……復讐って恐ろしい。
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屋敷の中の男女10人がそれぞれの理由で恨みを持った3人の人間を殺そうと計画し、まずは1人目の殺人を実行をする。が、その後共犯の仲間が誰かに殺されてしまう。犯人は誰なのか?石持さんお得意の1つの屋敷の中での連続殺人事件、そして探り合う会話劇。今回は人数が多いので覚えるのに多少苦労した。人数が多いせいか話を進めるためとは言え、ちょっと強引かなと思う点もあるし、会話で話が進むことが多いので殺人が起きてもわりと淡々としている感じがした。と言っても毎度、石持さんらしい推理小説だよなと思って読んでしまうのだ。それも本を読んでいると言うより、舞台を観ている感じがいつもするのだ。
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+++
那須高原にある保養所に集まった、絵麻をはじめとする十人の男女。彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業「フウジンブレード」の幹部三人を、復讐のために殺害することだった。計画通り一人目を殺した絵麻たち。次なる殺人に向けて、しばしの休息をとった彼らが次に目にしたのは、仲間の一人の変わり果てた姿だった―。クローズドサークルの名手が挑む、予測不能の本格ミステリー。
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とても著者らしい組み立て方の物語である。かなり凄惨な場面も多く、目をそむけたくなることもあるのだが、そこはさらっと描き、理詰めでひとつずつ目の前にある要素を積み上げていく。場面上荷動きは多くなく、考えながら語る部分が多くて、退屈しそうにも思うのだが、そこが著者の巧みなところだろう。時系列で起こったことを思い出しながら、語りにのめり込んでしまう。いくつもの殺人を目の前にし、残虐な復讐をそれでも続けようとする人たちにはとても見えない穏やかさすら感じてしまうのが不思議である。息をつめてのめり込む一冊である。
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石持さんらしい話。「私たちは正義のためにやっている。この殺人は正しいこと」から始まる。
相変わらずねと思いながらどんどん読んでしまう。
終わり方はなんとなくふぅーんって感じだけど、面白かったです。
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トリックがどうこうって話でも無く、状況から推理を積み重ねていって犯人を特定する…という感じだけど、最初10人から始まって名前も覚え切れない内にどんどん死んでくので感情移入とかは出来なかったw
そもそもが復讐のために集まったメンバーだから「復讐の実行」が大前提で他の色々は二の次って感じなのが新しい。
最終的にどうなるんだろう?と考える余地を残されて、それを想像するのが楽しいんだろうな。
色々な解釈を聞きたい。
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(株)フウジンブレードにより不幸に陥った10人の男女が、幹部社員に復讐するために保養所に集まる。開発部長を殺害し、その後社長と専務を殺す計画は万全に思えたが、休憩の合間に仲間が一人殺され…。クローズドサークルの中、誰が何の目的で仲間を?とにかく理詰めで会話することで残った彼らは仲間の中にいる犯人を特定しようとし、それぞれが信じるところを進みます。突拍子もない彼らの感覚がわかる気さえしてきて、石持作品を読んでいる!とわくわくします。最後まで目が離せません。そして終わり方に思わず笑みが。そう、崖の上で踊れ!
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風力発電機で低周波被害を受けた者たちが製造会社フウジンブレードの幹部を殺害する目的で、その会社の保養所に集まって、まず部長の笛木を殺す.彼ら10名が作戦を練っている段階で一橋が殺害される.さらに吉崎と菊野も殺され、残ったメンバーが犯人追求と今後の計画について議論を重ねる.中心になったのは男性の雨森と江角だが、絵麻、瞳、沙月、千里、亜佳音の女性群も活発な意見を出していく.瞳が会社幹部の妻であることが判明し、話は複雑に展開する.江角も殺され、雨森が推理を展開する最終場面が面白かった.