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人間関係の切なさに触れる短編集。
・スピードキング
・妖精たちの時間
・あなたによく似た機械
・僕と彼女と牛男のレシピ
・君を守るために、
・ダブルトラブルギャンブル
・人生はパイナップル
の7編収録。
友人、親子、家族などの人間関係を優しさと切なさで描かれています。
SFやホラー調のものもありますが、ジーンとくるものが多かったと思います。
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何があっても空は青い。
私にめちゃくちゃ辛い日があって、すごい青空で、そうなんだよ、つらくても青空ーーって思った。
=止まない雨はない。
7篇とも全部よかったけど、
僕と彼女と牛男のレシピかよかった。
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荻原浩さんの新刊は、またしても短編集である。全7編、統一したテーマは特にないが、やや変化球的な話が多いだろうか。
「スピードキング」。かつての野球部のチームメイトで、プロに進んだ同級生が死んだ。亡き友に自らを重ねる。道が違っても我が子への思いは同じ。「妖精たちの時間」。それぞれの近況以上に気になる、思いを寄せた人の現在。本人から語られた真実とは…。コメントしにくいが、彼は知ってよかったのかどうか。
「あなたによく似た機械」。荻原浩作品としては、大変珍しい設定とだけ書いておきたい。夫に疑念を抱いた妻が、たどり着いた真相とは。「僕と彼女と牛男のレシピ」。入院をきっかけに、看護師に恋をしたバーテンダー。しかし、なかなか進展しない事情があった。仕事も恋も、彼の熱意がいつか成就することを祈りたい。
「君を守るために、」。これまた荻原浩作品としては、大変珍しい設定。交流記とだけ書いておきたい。一件落着かと思ったら、まだ続きがあった。○○できたかな、彼。「ダブルトラブルギャンブル」は、長編で読んでみたいネタ。恵まれているとは言えない生い立ちだが、真っ直ぐ育ってくれてよかった。続きが気になるなあ。
最後の「人生はパイナップル」。このタイトルには、重い意味が込められていた。祖父と孫の交流記であり、孫の成長記でもある。かけがえのない時間は、一生の財産になるだろう。そういえば、最初の「スピードキング」も…。
まとまりには欠けるかもしれないが、バラエティーに富んだ全7編。本作には表題作が収録されていない。『それでも空は青い』というタイトルこそ、本作のテーマなのだろう。やはり、荻原浩さんの短編集に外れはない。
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安定した面白さの7篇。特に「僕と彼女と牛男のレシピ」「人生はパイナップル」は人生をそこはかとなく語る名人芸の域。星新一ばりの「あなたによく似た機械」や「君を守るために、」もブラックかつユーモアのある傑作。息抜きタイムに1篇ずつで一週間楽しめます。
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8つの短編が納められているが、どれも少し切なかったり、ほろりとさせられたり、よかったと思えたり。何も難しいことを考えずに気軽に読める。タイトルは「それでも空は青い」。何があっても希望が残っている感じがして、なんだか安心する。
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本書を読み進めていてふと、映画「フォレスト・ガンプ」の中の、フォレストの母親の言葉を思い出した。「人生はチョコレートのようなもの。箱を開けてみるまで中は分からない」。そしてこんなこともふと感じた。人生で確実に分かっていることもある。空は青い。明日は誰にでもくる。そんな当たり前のことに、人はすがり何かの期待をこめる。だからこそ、辛くても苦しくても毎日を生きていける。そんなことを感じさせる作品集だったかな。
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バラエティーに富んだ掌編集。
「僕と彼女と牛男のレシピ」が特に良かった。
[図書館・初読・1月24日読了]
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人の数だけ人生がある。タイトルとは正反対に“人生の雨やどり”のような短編集。まさに雨がモチーフ的にクライマックスで使われる『スピードキング』が染みた。どの作品も暗いタッチではなく爽やかな読後感。著者によると非家族小説というテーマがあるそうだが自分はあまり意識しなかった。
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本の紹介には「人間関係に正解なんてない~人づきあいに悩む背中をそっと押してくれる7つの物語。」とあります。
「スピードキング」「妖精たちの時間」「あなたによく似た機械」「僕と彼女と牛男のレシピ」「君を守るために」「ダブルトラブルギャンブル」「人生はパイナップル」の7編。それぞれ追憶だったり現在進行形だったり、相手も友人だったり恋人だったり親や祖父だったり、近未来の設定だったり幽霊が出てきたリ、様々なタイプの話です。
短編タイトルの中に本の題名『それでも空は青い』は有りません。表紙に小さく書かれている英語タイトルは"But the sky is beautifully blue"。ああ、beautifulが追加になってますね、なるほど。
悲しい事、淋しい事、上手く行かない事、色々あるけれど、それでも見上げれば空は青い。確かにそんな気持ちにさせてくれる短編集です。
私のお気に入りは、若い女性・奈緒の部屋に高校の同級生でへたれ男子の本村の幽霊が迷い込んでくる「君を守るために」。ちっとも怖くない幽霊・本村に幽霊メークをして自分で怖がっているシーンなど吹き出してしまいます。荻原さん、今は情緒あふれる作品が多いですが、デビュー当時はこういったスラップスティックコメディーで、私はそれが好きで読み始めた作家さんなのです。
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人と人の組み合わせの数だけ、物語がある―― 読めば心が軽くなる傑作集!
バーテンダーの僕は、骨折で入院した先の看護師の彼女に恋をした。退院後、何度かバーを訪ねてくれたものの、バツイチ7歳年上の彼女との距離はなかなか縮まらない。なぜなら彼女は“牛男”と暮らしているようで……(「僕と彼女と牛男のレシピ」)。
人間関係に正解なんてない――
人づきあいに悩む背中をそっと押してくれる7つの物語。
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「人と人との組み合わせの数だけ、物語がある」。まったくその通りだと思う。この物語たちも、ほんの偶然出会って関わることになった人と人が織りなす人生の一場面である。もし相手が違ったら、物語は全く別のものになっていただろう。どれもほんの少し切なく、胸の奥の炎が揺らされるような印象である。地上では過酷なことが起こっていたとしても、頭上には青空があると思うと、なぜかそうひどいことにはならないような気もしてくるから不思議である。愉しい時はもちろん、悲しい時も苦しい時も、なぜか明るさに包まれているような気分になれる。青空の下で思い切り生きたくなる一冊である。
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読み終わるのがもったいなくなってしまうような
7つの素敵なお話でした。
なぜだか野球というスポーツに並々ならぬ思い入れを抱いてしまう私には、
最初と最後の物語は特に気持ちを揺さぶられました。
読み終わった今、
『それでも空は青い』というタイトルがジ~ンと胸にしみています。
雨の日だって雪の日だって嵐の空だって
その上にはいつも青い空が広がっているんだ。
いつも上手くいくばかりが人生じゃないよね。
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7つの短編集。妖精のお話やら双子のお話などあるが、野球に関する内容が複数。印象に残ったのは、
「僕と彼女と牛男のレシピ」、子持ちの年上の女性に思いを寄せるバーテンダーのお話
「人生はパイナップル 」
おじいさんの戦争と野球のお話
かな。
どれもユーモアあり切実な思いあり、重くならず軽すぎずバランスよく読めました。読みやすかったね。
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ユーモアにくるんだ切なさが漂う、七つの短編からなる作品集。
タイトルそのものの作品はないのだが、さまざまな人生、それでも空は青いと思える短編ばかり。作者の温かみのある目線が根底にあり、家族や恋人、友人など、身近な人との関係が心地よい。
でもそろそろ、がつんと響く長編が読みたいな。
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どこにでも転がっていそうな日常を切り取った感じの短編作品。荻原さんの穏やかな人柄が出るような内容で、前向きな気持ちになるラストばかりでした。ただ、もう少し緩急が欲しかったかなぁ、と。読んでいて少し退屈してしまいました。
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おらが町の図書館では、新刊コーナーに何が来るか毎月わからない。そんな中好きな作家の荻原さんを発見した日には、あみだくじに当たったような嬉しさ。短編集7編。イイ話、不思議な話、ユニークな話等、ワンパターンでなく、バリエーション豊富なのでなかなか面白かった。7編中3編は、野球がモチーフになっていたので、野球好きな私には合っていたようだ。『スピードキング』『妖精たちの時間』『君を守るために、』『人生はパイナップル』が同率でよかった。(新刊発掘本)