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厚い本なのでなかなか手が出なかったけど読み始めたらスラスラいけた。
わからなかったものがわかるようになるってのはそれだけで感動するんだな。
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読み応えがあり、読後の余韻も素晴らしい1冊だった。
塾の経営をめぐる親子3世代の物語は、
教育について説いた小説としても、家族小説としても
考えさせられる部分が多かった。
学ぶとは何か、教えるとは何か、生きるとは何か。
強い想いが熱になり、紙面から伝わってくるようだった。
森絵都さんの本は昔からよく読んでいて
たいていが青春小説だったので、大人が主人公の小説は久しぶり。
『つきのふね』でも感じたが、森絵都さんが月に込めた
メッセージに心が揺れた。終わり方も好きだなぁ。
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戦前は軍国主義の教育を受け、敗戦により180度価値観を転換した戦後の民主主義教育により青春を過ごしたひとりの青年の半生を軸にした一族の物語。大島吾郎は昭和36年、小学校の用務員をしていたのですが、用務員室で勉強が出来ない子に自主的に勉強を教えていたのでした。そんなある日、蕗子という一人の利発な生徒との出逢いが、彼のその後の人生を大きく変えて行きます。学習塾の黎明期から現代に至るまでの塾の変遷が吾郎の生き方を中心として、4代に渡って描かれます。
かなりの長編の筈ですが、長いとは感じず一気に読み終えました。吾郎の妻の千明がもう一ひとりの主人公ですが、彼女独特の価値観を基準に塾経営に邁進する姿は、家庭との両立という一般に言う難しさに通じていて、それこそ波乱万丈、飽きない展開でした。彼らの子どもたちや孫の生き方も感動物でした。
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【冒頭文】
冴えた目をした子だ。最初のひと目から、吾郎は蕗子に引きつけられた。知の萌芽をほのめかす大人びた風情に、ほかの子どもとはちがう光の暈を見た思いがしたのだ。
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大河ドラマだった。
あらかじめ決めた本を買いに行く時以外、本屋さんで本を手にとって購入する時、ほぼ書店員さんの手書きポップと帯のみの情報で決める。
この作品は帯のみの情報(本屋大賞2位、ドラマ化)で購入した。
想像以上にドップリはまってしまった。
この本、子供を持つ前に読んでいたらどうだっただろう。
自分がまだ子供と呼ばれる時ならばどうであったろう。
今の私は我が子たちへの、お勉強教育に反省しつつひょっとしたら間に合うのではないか?なんて。
ちょっと試してみる?なんて。
読後すぐの今はスッカリ感化されとります。
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教育業界に興味がある人は読むべし。大学の教育学部では教えてもらえないことが、沢山かいてある。そして、興味が深まったら、参考資料として載っている本にも手をのばすべし。私もいくつか、読めるものなら読みたいと思う題名の資料がある。
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文庫になったら読もうと思っていた本。
みかづきというタイトルにこめられた想いに胸が熱くなった。
なんでも学校に委ねられてきてしまっている現状を明るく、軽やかに、変えていきたいなぁと思った。
待つこと、こぼれ落ちてしまうことに気づくこと。学校や教育というより、人として、何を大事にしていきたいのかを問われているんだなぁと思った。合間合間に現実の話や人物も出て来て、おもしろく読んだ。最後の参考文献を見て、なるほどなぁとうなった。
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昭和から平成にかけての学校教育vs塾の歴史の中で塾をつくり、奔走し、憤り、そして変化していく3代の家族の物語。
決して満ちることがないから、満たそうと満たそうと前に進めるのかもしれないと。激しく、でもそっと背中を押してくれる小説。失敗しても大丈夫。
#みかづき #森絵都
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1960年代から2000年代までのストーリー。しばらく読書から離れてたこともあって、ページ数以上のボリュームを感じた。それでも一気に読んでしまった。
メインテーマは教育行政(の歴史)にあるんだろうけど、零細企業の経営者としては行政の規制や競業他社との競争、労働者対応に翻弄される経営者の視点に寄って読んでしまう。
子どもたちのキャラクターがそれぞれなのも、親の教育観が子供に押し付けられがちなことがよく表されていると思う。
奥さんに勧めたら嫌味に思われるかな?
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昭和30年代の学習塾の勃興期から現在までを塾を経営する家族3世代を中心に描いた小説。
ほぼ自分がたどった教育界の流れと一致しているので(しかも舞台が千葉県)だし、ほとんど主人公と並走している気分で一気に読んでしまった。
一家の3代記を縦軸に時代を描写という意味では北杜夫の「楡家の人びと」に似ているかも(まああれ自体が「ブッデンブローク家の人びと」に影響を受けているわけだが)。
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まずは本の分厚さにビビるも、読み始めたら3代にわたる濃厚なストーリーにぐいぐいと引き込まれあっという間に読み終えた。そして、分厚いけどもう1回読みたい。
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学習塾を舞台に家族の姿を描いた作品。
学習塾を通して教育の在り方を描いており、教育に携わっている自分としてはとても興味深く読みました。
戦後教育から今日の教育の問題点まで鋭く描いているあたりも勉強になりました。
また、教育とともに家族の在り方についても描かれており、こちもら読みごたえがありました。
前半は、辛い家族の姿ですが、後半はその分救われ、家族の再生を見ることができ、心が温まりました。
読み終わったとき、題名の「みかづき」の意味が深く心に残りました。
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何カ所も泣きそうになる
蕗子が義父である吾郎に感じていた親子関係
千明が吾郎を放逐した理由
蘭の強さと弱さ、自己評価の結果
一郎が結局血のつながりのない吾郎に似たこと
最後に、阿里を見て「誰かに似ていると思ってた」と吾郎が言ったこと
テレビは見てないけど、原作から入ったらどうなんだろう?
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文庫なのにこの厚み!ということで読む前からビビっていたが、読了までにかなりの時間を要したことは言うまでもない。
大嶋家の人々が各章で主人公となるようなスタイル。
教育という側面から大嶋家の人々の成長も描かれており、かなりの読み応え。
戦後間もない時代から現代までを学習塾という共通の視点で描いていくのだが、それぞれのキャラや家庭内での出来事についつい引き込まれる。
NHKでドラマ化されたのも納得といったところ。
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昭和36年。放課後の用務員室で子供たちに勉強を教えていた大島吾郎は、ある少女の母・千明に見込まれ、学習塾を開くことに。この決断が、何代にもわたる大島家の波瀾万丈の人生の幕開けとなる。二人は結婚し、娘も誕生。戦後のベビーブームや高度経済成長の時流に乗り、急速に塾は成長していくが…。第14回本屋大賞で2位となり、中央公論文芸賞を受賞した心揺さぶる大河小説、ついに文庫化。