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自殺した兄の遺書の真相を確かめるため、京都に赴いた双子の弟。
訪ね当てた恋人に兄と間違われ、そのまま成り済ます。
京都人の本音を見せない躱し方やはぐらかし方に惑わされる弟、謎めいた手紙の意図は、そして成り済ましはいつばれるのか、ハラハラしながら頁をめくる。
しかし、終盤にきての意外や意外・・・・
著者の巧みなミスリード(漢字ではなく、かなを使うなど)に、主人公ともども惑わされてしまった。
京都祇園や舞妓の裏話的な詳述は、花街探訪を体験したかの如くであり、また、直接的な物言いをしないという京都の土地柄及び京都人の人柄についても、読後少し参考になったかな。
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双子の弟英二が自殺した兄の不思議な遺言の謎に迫るべく京都で謎を解いていく。
こんなストーリーですが、果たして今まで高知で農業を営んできた弟が各地を放浪してきた兄になり変われるのかという疑問さえ克服できれば、真実は何かを探る楽しいミステリの世界に浸れます。
「京都」の色々な風習や考えが伏線であったり、謎であったりして楽しめました。
京都の人がここで描かれているような人でないとは思いますが、いかにもありそうと思えるところが怖いです。
作者はまさしくここに描かれた高知出身の父と京都出身の母の子で、編集者が京都出身というのも、物語を読み終わって納得感がありました。
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ミステリーというよりかは、京都人の処世術本。
少し誇張しすぎた京都人独特の本音と建前の台詞回しが面白かった。英一君が死を選んだ決定打については読み終わっても謎。
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何の予備知識もないのになりすませると思う、主人公の幼稚さに興ざめ。解説も合わせ、京都嫌いを作ることが目的なのかなと思うほど。
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高知で農家を手伝う北嶋英二の双子の兄が自殺した。「農地を祇園京福堂の清水京子に譲る」と書かれた遺書を持ち英二は京子を訪ねるが、彼を兄と間違い〝失踪した恋人〟との再会を喜ぶ姿に真実を伝えられない。ところが翌日、京子と職人の密会が発覚。京子は兄を愛していたのかそれとも――。ここは腹黒の街。美しき京女の正体を〝よそさん〟は暴けるか。
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実家を飛び出した双子の兄が突然帰省し、生前贈与を持ちかけた。
両親が生前贈与を認めた矢先、ある理由から兄が自殺してしまう。
部屋で見つけた手紙をきっかけに、兄になりすまして京都で真相を探る。
なるほど。
京都が舞台だからこそ《会話すべてが伏線》っていうのが成立するのね。
面白い発想だわ。
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「闇に香る嘘」が面白かったので、期待し過ぎたかも。なんだか京都人の腹黒さだけが強調されているような気がして、あまり入り込めなかった。
京子にも雅美にも共感出来ず。
そもそも、なりすまし自体にムリがあったと思う。
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ミステリー(どんでん返し)、京都の伝統、女心のキーワード。
設定としてはあり得ないと思うが、引き込まれた。
やや解説が長いが、京都の雰囲気をよく引きだしていると思う。
何が真実かわからないという状態が最後まで残るがこういう小説もありだと思う。
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双子の兄が自殺し、残された遺言から京都に住む兄の恋人のもとへいろいろなことを探りに行く弟。京都という土地柄と、恋人が老舗和菓子屋の一人娘ということもあり、簡単には兄の情報がわからない。
京都ならではの「よそさん」には本音を明かさない文化が面白いが、自分はそのような文化に溶け込むのは無理だと思った。
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どこまで誇張か分からんけど
京都を嫌いになること請け合いw
でも逆に老舗に行って女将とか観察してたいかも。
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読みやすくて一気読み
引き込まれる
最後までえっ⁉️が止まらなくて、読み終わっても興奮してる
もう一度読み直したい
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これを読んだ方はおそらく京都の人恐怖症になるでしょう笑
褒めているように聞こえても実は貶している。
言葉の裏を常に考えて会話してるなんて凄い。
思っていたのと違ったがこれはこれで楽しめました。
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京言葉の裏を書いた少し不思議なミステリ。
私は普段からかなり分かりやすい嫌味じゃないと
気が付かないくらい
人の言葉の裏というものに無頓着なので
京都では生きていけないな…。
もちろん脚色されたものだとは思っているけど
裏を読まないといけない土地、私には住めそうもないや…。
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スーパーどんでん返しかな
最後までわからない。読み終えてもわからない。真実がさっぱりわからないんだが、すべてのピースはきちんとはめてくれる。
しみずとかあやまりとか、え?ってな驚きを散りばめながら、最後の1月5日にとっても驚かせてくれる。反則級のどんでん返しだなぁ。
緻密なようであらっぽい感じが、変にバランされていておもしろい物語だなと感心する。満足。
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あらすじ
高知で農業を営む英二26歳。4年ぶりに双子の兄が帰ってきた。英一は父親に農地の生前贈与を願い出る。贈与が完了した後、英一は納屋で自殺する。弁護士から遺書が公開され、京都にいる京子という女性に農地を譲る旨が書いてあった。英二は京子に会いに京都へ行くが、兄だと勘違いされたことがきっかけで、英一になりすまし自殺の理由を探る。
京子は英一の恋人?老舗和菓子屋の一人娘。場所は祇園で、根っからの京都人だ。街の風景に溶け込んだローソンやマクドナルドの色遣いが当たり前だと思っていたし、いけずな言い回しや、真意を隠して会話するのも京都の人の心遣いだという。京子の母親は娘が斎王代になることを強く望み、英一を疎んじている。
祇園の舞妓雅子は東京の出身者だ。英一に告白して振られたらしい。雅子は早々に栄治がなりすましだと気付き相談に乗る。京子は念願の斎王代に選ばれた。しかし英一のうっかりした世間話がきっかけで、実は京子の母親は滋賀県出身で、祖父が愛人に産ませた子供だとバレてしまう。つまり京子も生粋の京都っ子ではないのだった。さらに京子はいつの頃からか英一が偽物だと気づいていた。騙した英二への仕返しに、英一が家出をした当時から腎臓病を患い、人工透析が必要な体になっていたことを教える。自由を好む英一は英二から腎臓を移植することも嫌で自殺を選んだものとみられる。また京子が自由に生きられるようにと自分の農地分を送ることにしたのだった。
しかし最後の最後に英二は思い当たる。京子はむしろ英一を憎んでいたのではないだろうか。自分が京都に縛られていることを気づかされたから。さらに、斎王代になるための費用を、農地をあてにしていたのではないだろか。
京都の紹介っていう感じの作品。下村作品では珍しいなぁと思う。出てくる地名も観光ガイドブックでよく見たり、テレビで出てくるような場所が多い。作者は京都府生まれらしい。それに、巻末の参考文献も多数書いてあったので、これ一冊読んだだけでも京都、特に祇園や老舗の文化・流儀がわかるかなと思う。ミステリーと上手く絡んでいて面白い。内容で言うと2時間ドラマか、短めの回数の昼ドラみたいだった。それはそれで面白い。特に、京子の母親が「実は滋賀県出身だったなんて・・・!」という場面は、ギャグかと思って笑ってしまった。
一番印象に残ったところは、葵祭の斎王代とか祇園祭のお稚児さんになるだけで、2000万から3000万かかるというところ。行列の費用とか関係者の食事代も出さなければいけないらしい。つまり務めているのは、京都の本当のお金持ちなんだろうなあと、今度からニュースで見て思うだろう。