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再読。
なんやかんやで単行本も、ノベルズ版も、旧版の文庫も持っているのだが、新しくなるとつい買ってしまう……。
それでも旧版からはかなり時間が経ってるんだよな〜。月日が流れるのは早いわ〜。
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前作がすべて伏線で、今回まるっと回収で心地よかったです。
長寿と毒を合わせた発想が面白すぎます。時間の流れの感覚を変えることで、他者よりも長く生きると勘違いさせる、それを魅力的に見せるってのが凄かったです。
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前作があまりにも面白かったので、続編があると知り即購入。前作で残された謎が回収されていきつつ、また怪しげな人たちが登場して別の謎があらわれる展開。しかし最後まで、歩未の存在に謎があるので、また続編がでるのではないかと期待しているところ。
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近未来の情報統治された世界で起こるSFアクションミステリ第2弾。
14歳の少女達が悩んだり戸惑ったりしながら(しない奴も数名あり)、ダメな大人達のすごく嫌な計画と戦って打ち破り、夢や現実に突き進む。
コミュニケーションって?生きるって?死ぬって?夢って?という現代人もつまずきがちな問題が、発展・進歩した世界では、余計に難しいらしい。動物を殺さずに食糧問題を解決し、武器も争いも(表向きは)なくなり、医療等も飛躍的に高度化してるのに、みんな「楽しく生きている」ようには全然見えない。多分それは、今の人間である私の主観でしかないですが。
こう書くと変な話に思われるかもしれませんが、京極夏彦は絶対裏切らない。
やや前半のテンポが悪いですが、中盤からギアはどんどん上がっていきます。
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個人的にツボにはまった表現を抜粋しただけですが、この著者の表現には毎回笑わせられたり、刺されたりします。あと、独自のキャラ設定は、京極堂シリーズにも共通します。
"お子ちゃまだと美緒は威張った。
「そしてあたしは、転んでも泣かずに笑うタイプだから。反省はするけど成長はしない。前には進むがどっちが前だか判らない。頭脳は明晰だが性根はバカなの。だから、まあ、変でおかしい!」"
“雛子がタイミングを合わせて走り抜けてくれるかどうかだ。まあ、抜けたところですぐに追いつかれるのだろうが、たとえそれが焼け石に水であったとしても、水くらいは掛けたくなる心境だった。"
"「何なんや」
律子が肩を抱き、葉月が手を取って、雛子は泣いていた。その雛子を 引き剥がしてあの男の処に。
ーー 潔過ぎるやんか。
何なんだ雛子のあの無抵抗な態度は。それから、あのヒゲの硬直した顔は。不破の悔しそうな顔は。
どうにもできなかったらしいということは容易に察しがつく。不本意だといことも理解できる。越えられない壁というのはあるのだろう。
でも厭なら厭と言え。
悔しいなら悔しいと言え。
あんなに大人しく眺めているだけのものなのか。あれが大人というものか。
喚いていたのは律子だけだった。暴れる律子を不破が抑えた。抑えて、首を振った。"
"「あのな、あたしはお子様だがプラズマ応用工学に於ては世界的権威なんだぞ。 学会の公式サイトに論文だって三つも載ってるぜ。内容はスヴァらしいけど文章が幼児並みだとか言われて激しく添削されたけどな」"
"「要するに、 まったく使い道のないスゴさ。宇宙開発局の開発した超理論を応用して作られたミクロ単位まで正確に同じ長さのトイレットペーパーを切断できるハイテクマシンくらい無意味」"
"「ほら、火事現場でタコ殴り的な言葉あんだろうが」
「ええとな、火事場の馬鹿力」"
"「生かしておきたいならよ、幾ら何だって飯も喰わせないで監禁しっ放しはねえよ。隔離したならしたで、何かするつもりなんだろ。このまんま無菌状態で中年と娘をこんなプースに入れておいたって、どんな化学変化も起こりやしねえよ」"
"「かなーり大物だ。あたしでも名前知ってる人もいるくらいだ」
このあたしがだと、美緒はまた威張った。
「自慢じゃないが賢いが物知らずだぜ、あたしは。数字と記号と理論は判るが他人の名前なんかほぼ知らないぞ」"
"腸(はらわた)がー煮えた"
"「言っただろ。人間はできることとできないことの線引きを自分で勝手にしてさ、その線の内々で生きてるんだよ。でも、大概その線引きは間違っているワケだ。安全圏でぬくぬく生きるのは楽だけどオモシロくなーい。
いいか、絶対できないことは絶対できない。それができると思うのを夢というんだ。だから夢は絶対に叶わない。夢は寝てる時に見るもんで起きてる時に見るもんじゃなーい。
実現できるならそれは夢じゃなくって目標だ。それは、できることだ!」