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まずは、読んだ後のこの壮快感は何だろう。
奇想天外のでどんでん返しなど、本当にやられたと言う感じがすごかったです。
ネタばらしをするとこれから読む人に怒られるのでやめます。
この作品は読んで損はないです。ハラハラドキドキ一気読み間違いなしの大傑作。
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村さんの小説だから、どこかで世界がひっくり返るに違いない、と思いながら読んでいたのだけど、そこでくるか、うわ、またここで来るか、とちゃんとやられました。
一家心中の生き残りの人生、考えただけでも辛すぎる。もしも小学生の人生をプラス10からマイナス10の間で考えるのなら、まちがいなく彼女の人生はマイナス10で止まっているだろう。これ以上に辛いことなんてないんじゃないか、と思える。そんな中で生きてきたのだからある日、「幸せの可能性」が目の前に現れたとしてもすぐにはそこに足を踏み込むことなんてできないだろう。自分の中のある親への憎しみ、そして社会への恨みを、自分の中で整理すること、そしてそれをきちんと自分の中に取り込んで飲み込んでそして吐き出すこと、がどうしても必要なのだろう。それは多分とてもつらく苦しいことなんだろうけど。その苦しみを乗り越えるために彼女が選んだ方法は間違っていたのだろう。だけどその間違いをくるりとひっくり返すことで下村さんは彼女の悲願を彼岸へと解き放ってくれた。見事だ。
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一家心中の<被害者>である幸子と<加害者>である雪絵。
2人の出会いによって起こるドラマ。
過去の呪縛に捕らわれ続け、憎むことでしか自分を守れなかった幸子。許すという行為のなんと難しいことだろう。
後半の展開は少し無理やり感は否めないが、救いのない未来よりはいいのかもしれない。
幸子には名前通りの幸せをつかんで欲しい。
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著者の作品にはいつも驚かされる。どの作品も似たような作品がないにも関わらず、発表する度にどんどん良くなっていく。本作は今までと違って全体の4分の3になるまでは、確実に凡作だと思っていたのに、最後の4分の1で完全にひっくりかえった。別にどんでん返しのストーリではないのだが、気持ち的には完全に騙されたと思った、うれしい意味で
。本当にカメレオン作家だ。次回作も益々期待できる。
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一家心中の生き残りでありつつも、それぞれが被害者と加害者という立場である二人の女性の物語。
一家心中が美談だなんてそういう風には思えないけれど。一般的な殺人と比べると、加害者である側にも被害者であるかのような意識を抱いてしまう部分はあると思います。そこまで追い詰められてしまったことに同情はするし、激しく糾弾する気にもなれません。が、被害者の立場からするとどうなのかっていうのは……これは、他人には何とも言えないよなあ。被害者でありながら罪悪感を抱えて生き続けなければならない残酷さがあまりに痛々しくって。読んでいるのがつらくもある物語でした。
だけど、全体としては希望のある物語になっていたので一安心です。被害者と加害者どちらが苦しいのか、だなんて比べられるものじゃないし。その立場に甘んじることも非常に危ういのだけれど。とりあえず、安全な立場から石を投げるような馬鹿な人間にだけはならないでおこう、と強く思いました。
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・・・(。-`ω´-)ンー・・・失踪者・生還者・サハラ・・・の下村作品が好きなので、これは私的にはイマイチでしたm(*_ _)mでも、良いか悪いかなら良かった♪ハラハラドキドキの下村作品が好きなので、いつもと違う作品に私が深く入り込めなかった・・・そう、私が悪いのです(笑)
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全然全く幸子に共感できず、イライラするキャラやなーと。
雪絵と美香の関係が修復し、まあまあな話かと思ったら郷田の真実が衝撃だった。
被害者と加害者は紙一重。特にネット社会の今はそうやなと共感。
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主人公の置かれている境遇にどうしたって同情してしまうから、主人公の目線で読み進めてしまうが…
まさかラストにそんな真実があったなんて‼️
正に、加害者と被害者は紙一重。
自分の不用意な一言や行動でいつでも加害者に転じてしまう。
一時の感情に支配され、己を見失い、冷静さを欠いたまま突っ走ることの愚かさと恐ろしさを垣間見た1冊でもある。
赦すことの難しさと解放と温かみを改めて感じる1冊でもある。
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3月-2。3.0点。
一家心中で生き残った主人公。一家心中を起こして生き残った女性と、墓地で知り合う。お互い、赦しはあるのか。
うーん、サラッとしすぎて、2時間ドラマのよう。
ページ数が短いのかな。
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「アンナチュラル」(ドラマ)のミコトみたい…と思いながら読み進める。
幸子には感情移入できなかったけど、加害者と被害者は紙一重なのかと思うといろいろ思うことが…
ラスト、希望の光が垣間見えてよかった。
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遊園地でさえ、いい子を務めようとする長子ならではの我慢する姿に、胸が苦しくなった。
ラストはガツンとくるというより、客観的に見れば、本人でもたどりつけた真実だったのではないだろうかと感じた。
それほどまでに、幸子は被害者の目でしか見れなかったんだろう。
下村さんの、他作品の様な怒涛のクライマックス!ではなく、被害者と加害者は紙一重。自分の行動は大丈夫?って教訓本になった。
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読みながら結構苦しくなった。子育ては個人差があるが、自分も同じようにキツイものだったのでフィードバックしてしまって。反抗期もあるし、人として軽蔑されたように扱われたり、母親って理不尽だと思ってしまう日々。でもこの本には希望も感じさせられた。具体的に何かするわけではないけど、腐らずにやっていこうかと思う。
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2019.4.29.毎晩責め立てにくる宇宙人の顔の男、繰り返される両親の言い争い、そんな中、両親は幸子と幼い弟、妹を泊りがけで遊園地に連れて行く。夢のような2日間が終わったその夜、幸子は両親、弟妹を失うことになる。一人生き残った幸子は両親への憎しみから自由になれないまま成長する。家族の墓に参った幸子は雪絵という女性に出会う。雪絵に母の面影を見、憎しみを隠しながら近づく中、幸子は憎しみのはけ口をあの宇宙人の顔の男に求める。
一家心中の生き残りとして社会の片隅に生きる幸子が無理心中で娘を殺す結果になった雪絵と関わる中で分かっていく真実。
重いながら一気読みさせる内容だった。何を言ってもいい被害者…といいながら、やはり被害者という立場は無条件で守られるべき存在であり、しかし…堂々めぐりになってしまう。ただ、雪絵と娘美香の関係はあまりに単純に描かれ過ぎていて疑問に思った。
あと、本筋には関係ないかもしれないが、雪絵の事件の背景について…子育ては大変だと思うが、子供は絶対に成長していくので、ワンオペ育児がかわいそうとあまりにお母さんをいたわりすぎることがかえって自分が不遇だと思い込み、もっともっと自分を追い込んでいくことになっていかないかと最近の風潮を懸念している。
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(図書館本)お勧め度:☆6個(満点10個)。何ともせつない物語なんだろう。最後まで読み終えて、真相を知ると、何だか主人公「幸子」が、可哀そうに思えてくる。話は幸子が子供の頃の一家無理心中から始まる。結局、父母妹弟全員がなくなり幸子だけが生き残る。最初は父母を恨むが、同じような立場の「雪絵」と出合うと恨みは彼女へ向かう。彼女も一家心中の生き残りだった。その後、幸子の心は両親を責めたてた消費者金融の「郷田」への復讐へと向けられる。ラストにどんでん返しが待っている。被害者と加害者の立場が入れ替わりラストに繋がる
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一家心中の生き残りとして育ち、ようやく自分に向き合う覚悟ができて家族の墓参りに出かけた幸子。そこで出会ったのは、一家心中を図り、生き残ってしまったシングルマザーの雪絵だった…。全く立場が逆の二人がお互いどのような影響を受け、どう変わってどんな人生を歩むのか、気になって一気に読みました。軽く投げつけることのできるインターネットでの言葉の暴力や、被害者と加害者という立場についての最後の郷田の言葉はとても重く心に残りました。また、テーマの割にとても読みやすかったので、これを軽いととらえる人が多いのにも納得です。