商品説明
「加害者」と「被害者」の思いが交錯した時、衝撃の真実が明らかになる――!!
『闇に香る嘘』で乱歩賞を受賞した今最注目の作家、下村敦史が放つ新作ミステリー『悲願花』の電子版オリジナルカバーイラスト“イラストQ”大賞が決定。
一家心中の生き残りでも、私を愛せますか?
夜闇に輝くパレード、大好物ばかりのご馳走、笑顔の父と母。
家族で遊園地に行ったあの日、幸子は夢のような時間を過ごした。
そして――
両親は家に火をつけて一家心中を図り、幸子だけが生き残った。
工場の事務員として働き始めた幸子は、桐生隆哉と出会い、惹かれ合うようになる。しかし、幸子は隆哉に「一家心中の生き残り」であることを告げられずにいた。隆哉の部屋で料理を作ろうとした幸子は、コンロの火を見てパニックを起こしてしまう。
過去に決別しようと両親の墓を訪れた幸子は、雪絵という女性に出会う。
「あたしが、子供たちを殺したんです」
子供たちを乗せた車で海に飛び込み、一家心中を図ったシングルマザーの雪絵は、生き残ってしまったのだという。
彼女は、墓地から蘇った母だった。
雪絵との運命的な出会いにより、幸子の人生が大きく動き出す。
そして、<加害者>と<被害者>の思いが交錯した時、衝撃の真実が明らかになる――
『闇に香る嘘』『黙過』で最注目の乱歩賞作家が放つ、慟哭のミステリー!!
※本作品は電子版オリジナルカバーの為、紙版とは異なります。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
被害者と加害者は紙一重。
2019/01/30 21:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
被害者感情が高ぶっていくことで、人は誰しも加害者になるかもしれない、ということを、心中事件の被害者である主人公の姿を通して描く。
いっぽうで、主人公が知り合った心中事件の加害者である雪絵や、その娘を描くことで、人の心の奥に潜んでいるものをより複雑に描き出している。
最後でかろうじて救いのようなものはもたらされていくが、全体的には暗い印象が否めない。それは、主人公の気持ちが恨みに凝っているからだ。
ミステリというよりは、主人公のモノローグによる、被害者意識がテーマの小説といった感じ。ミステリ要素もあるにはあるが、ミステリとしての満足度は薄い。
ただ、考えさせられることは考えさせられる。