投稿元:
レビューを見る
ドラと瑤子、二人の目線を通してのゲルニカ
どこまでがフィクションかわからないけど、時代背景がよくわかった
ゲルニカ、一度この目で見てみたい
投稿元:
レビューを見る
原田マハさんの美術作品は、これが初めて。
どハマり。
とまらなくなる。
ピカソ。
ピカソがなぜ天才と言われるのか?
それまでの美の基準、価値観を変えたから。
投稿元:
レビューを見る
章が変わる度に冗長な説明があって、絵の描写も毎回同じだし、なんだかなと思っていたけどなぜか全編を通してほぼずっと感情が高まるのを実感しながら読了。
ゲルニカのオーラというか、ふたつの時代の雰囲気とか、それぞれ濃ゆい登場人物たちとか、陳腐にすら思える描写や台詞でも、それを上回るなにかに圧倒されてた。
スペインのレイナソフィアで実際にゲルニカを見た時は、あまりに大きくて、それまで美術の教科書で見ていた時のようには見られなかった。目が悪いせいなのかわからないけど美術館で実際に見るのと、本やポストカードで見る絵は結構違う。素人からすると、ちんまりまとまってるけど全部はっきり見えるよう印刷されたものの方がわかりやすいし扱いやすい。ゲルニカは大きさからしてそういう素人考えをさらに強めてくれたけど、ああいうスケールの違う、桁違いなものを見せられて圧倒された感覚を、本を読みながら再現してくれていたんだから、「陳腐」な表現ではないってことだろうな。
ピカソの絵は好きで芸術新潮の特集なんかは読んでたけど、実際に本は読んだっけ?とこの本を読んだ後に実在する登場人物達のウィキペディアを回り、オルガとの間に生まれた第一子の息子の娘=ピカソにとって直系の孫娘であるマリーナがピカソの絵を売ったという比較的新しいニュース記事を読んだりして、作中漂っていた、芸術家ではなくて人間としてのピカソのいやらしい顔をはっきり見せつけられて、ピカソ関連の本を読もうと思った。
ただしかしトルティーヤは決してあまじょっぱくはないと思うのだが。
投稿元:
レビューを見る
随分長くかかってしまった。
途中、マドリードに行ったので、ゲルニカを常設しているソフィア王妃芸術センターに行ってみたいと思いながらも時間と体力的に無理だった。一生に一度のチャンスだったのに、残念だった。
どこまでがフィクションでどこまでが事実なのかわからないけど、本物のゲルニカを見てみたいと思わされる程度には良かった。
投稿元:
レビューを見る
なぜ この絵は色がないのだろう?とずっと思っていたことが 一気にわかりました。
ゲルニカを産み出した ピカソの辛く悲しくやるせない気持ちが 解るようでした。
スペインにいつか 行ってみたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
2つの異なる時間からストーリーは展開されていき、クライマックスに向けてその異なる時間は重なり始める。著者の過去作「楽園のカンヴァス」と同様のストーリー展開に引き込まれてしまいすぐに読み終わってしまった。
散りばめられた伏線を回収されていくのはやはり読んでて楽しい。おすすめです。
投稿元:
レビューを見る
最後は圧巻だった。
原田マハは力のある作者だなあと思ってはいたけれど、ピカソ、そしてゲルニカはあまりに大きな題材なので、純粋に大丈夫だろうか?という疑問は、読む前は拭い去ることができなかった。
戦争が題材のもので、歴史の断片が出てくるので、一部冗長になってしまうのはしかたないとして、回顧やふりかえりが多用される書き方に、途中集中が切れ、何度か中断しさえもした。
けれどもピカソ、そしてゲルニカを題材にして、ここまでエンタテイメントに仕上げられるのは、やはり原田マハしかいないのだろうなあと思う。
作中に対する感想としては世界に名高い名画も、人の感情の機微や、周囲の物事を原動力に作られているのだということ。僕はこれをしばしば忘れてしまう時がある。
作りによってはもっと重厚なものにもできただろうし、楽園のカンバスのような謎解き色のあるものにもできたのだろう。
いつか原田マハ自身による、「別解」を見てみたい気もするが、現在としては十分楽しめるし、秀逸な物語に落とし込めているように思う。
絵画が好きな人だけでなく、ピカソくらいは知ってるけど、という人も読んでみていいのではないか。
投稿元:
レビューを見る
現代と、過去とがシンクロし、最後にひとつの事実へと収束していく。とても美しい物語でした。ゲルニカという絵画をめぐって、ふたつのエピソードが進んでいく。原田マハさんの作品の型としてとても大好きです。
アンリ・ルソーの『楽園のカンヴァス』で少し登場してたピカソの、作家としての顔が知りたく読みましたが、ドラの視点からの描写は、読み手側の、ピカソを知りたくても深く立ち入れないもどかしさをうまく刺激する。歴史の立会人になりたいというのはどの人も持つ願望なのかもしれない。
八神瑤子はとても知的で素晴らしく描かれてた。こんなにも強く信じるものを持てたら、とため息が出るほどだった。ドラがピカソにとっての『ミューズ(女神)』だとしたら、現代にとっての『ミューズ』は…やはり彼女なのだろうか?モデルとして迷える画家を導いた存在をそう表現するならば、物語のなかで、テロの恐怖に迷いうろたえる人々を最後に導いたのは、紛れもなく八神瑤子だ、といって過言ではないだろう。
そして最後の結末は全く予想していなかった!やられた、と思った。大団円は期待していたけど、「あるべき場所に」戻ったゲルニカ。こういう未来があったかもしれないと思うと、絵画が背負う歴史を読み解くのがもっと楽しくなりそうだ。
投稿元:
レビューを見る
内容は少し盛り上がりに欠けるが悪くなかった。
それよりも主人公やその夫の肩書きがカッコ良すぎて鼻につく。
アメリカ帰りでMomaのキュレーターで専門はピカソ、夫はハーバードの超エリート。ニューヨーカー。
朝はベーグルだってよ。なんだよキュレーターって。
はい。ただのひがみですね。
自分の仕事に誇りがもてません。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり原田マハさんの小説はおもしろい!
寝るのを忘れて読んでしまった。
ぼんやりとしか知らなかった「ゲルニカ」の背景が
よく分かったのは収穫。
しかしピカソって思ってたより嫌なヤツだったわ(苦笑)
投稿元:
レビューを見る
9.11のテロとその後のイラク空爆、アフガン侵攻と色々あった割に忘れてしまっているなぁなんて読んでいて思いました。どこか他人事なのは良くないのだけれども…
確かに自国の受けた被害は空襲で、他国におきた事は空爆と呼ぶのはどうなのかなぁ。ゲルニカが暗幕で覆われていたというのも知らなかった。日本でいう所の頬かむりをしたいという所だったのかもしれない。
個人的にはヒロインの誘拐事件は別にいらなかったかなぁと思ったり。まああの辺りで絵画とは、芸術とは誰のものかというこの作品のメインテーマが出てくるのかもしれないけれども。
投稿元:
レビューを見る
文句無しに星5つ。面白かった。
ストーリーとしては、ピカソの生きた20世紀と、現代の21世紀が交互に描かれる。
20世紀のストーリーでは、第二次大戦とゲルニカの誕生をベースに話が進んでいく。
そして21世紀のストーリーとしては、同時多発テロを発端とするアメリカとイラクの争いが描かれ、そしてゲルニカを巡る交渉劇が繰り広げられる。
物語を読み進めていくうちに、2つのストーリーの繋がりはどんどん濃くなっていき夢中になって読めた。
2つのストーリーを繋ぐのは、ゲルニカという名画、そしてゲルニカに託された戦争と平和への痛烈なメッセージ。
そしてラストは予想の斜め上を行く結末で、鳥肌が立つような読後感を久しぶりに味わった。
アートへの潤沢な経験と知識、そして綿密な時代考証があればこそ成り立つ力作だった。キャラクター達のアクが強すぎずストーリー展開を邪魔してないのも、純粋に物語の運びを楽しめたという点でグッド。
投稿元:
レビューを見る
アート作品で、衝撃を受けてその作品の前から足が動かなくなったというような体験が一切ないため、ゲルニカを見たら俺もそんなふうな体験ができるだろうかと思いを馳せるけど、誰もが口をそろえてそんな衝撃を語るゲルニカでなんの感動もなかったらと思うと怖い。そうは言っても一度見てみたい。
もっと芸術家のえぐみが読めると思ったらそういうのは全然無くて、すごくお行儀のいい話だった。創作の背景は面白かった。
投稿元:
レビューを見る
盛り上がってくるところで、時代設定が入れ替わってしまい読み進めるのに時間がかかってしまった。
アートにどれほどの力があるのかは、やはりわからないが、その時代背景を知ることや作者の視点を想像することに意味があるのかもしれない。
読み物としては、楽園のカンヴァスの方が面白かったが、心には残る作品だと思う。
投稿元:
レビューを見る
原田マハの別の本が良かったから前評判も内容も知らないままに買った一冊。わたしはアートかわからないし、ピカソを解さない。にも関わらず、この本を読んだらピカソのことを知りたくなったし、世界史というか第二次世界大戦のことをもっとちゃんと知らなければ、と思い知らされた、とても衝撃を受けた作品。